1. 紫いんげんの特徴

紫いんげんは、色が紫であること以外は一般的なさやいんげんとほぼ同じだ。長さは13~15㎝ほどで、形も味もさやいんげんそのものだ。紫色なのはさやの表皮の部分のみで、カットしてみると中の豆やさやの内側は緑色をしている。
■茹でると緑色に
唯一の特徴である紫色の見た目を生かしたいが、残念ながら茹でると色素が落ちてしまう。そのため食卓に出すころには、緑色のさやいんげんと変わらない見た目になってしまうのだ。
■生食はNG
茹でると緑色になってしまうなら生で食べればいい気もするが、さやいんげんは生で食べると下痢や嘔吐などを引き起こす可能性がある。これは、さやいんげんに含まれるレクチンというタンパク質が原因といわれている。レクチンは加熱することで働きが抑制されるので、加熱は必須である。つまり、紫いんげんの色を残しつつ安全に食べるには、加熱の仕方にコツが必要と考えられる。
2. 紫いんげんの色を残すコツ

紫いんげんの色を残しつつレクチンの働きを抑え安全に食べるためには、茹で加減がポイントとなる。そこで、次のような茹で方をおすすめしたい。
■20秒沸騰させ冷水へ
紫いんげんを茹でる際には、沸騰したお湯に塩を入れ20秒茹でてから冷水にあげる。そうすることで、完全とはいえないがある程度までは紫色を残すことができる。
■色の変化を楽しむ
サッと茹でるだけでは中まで火が通らなそうで不安という場合は、逆に茹でる過程で色が変わるのを楽しんでしまおう。子どもと一緒に茹でれば、魔法のように紫から緑色に変わる様子を見せることができる。また、生の状態で食卓に出し、鍋の具材として楽しむのもおすすめだ。
3. 紫いんげんの旬と入手方法

紫いんげんの旬は、一般的なさやいんげんと同じく6~9月頃。さやいんげんは旬であれば大量に流通し価格も安く、旬でなくても一年中スーパーや八百屋で購入することができる。ところが紫いんげんに関しては、生産量が少なくめったに出回らない。旬になれば直売所などで見かけることはあるが、それでも数は少ない。
■野菜としての入手は困難
最近では希少な品種でも、ネットショップなどで取り寄せることが可能になってきている。そんな中でも、紫いんげんはほとんど取り扱われていない。野菜の状態で入手したい場合は店舗で運よく出会うしかなさそうだ。旬の時期を狙って直売所などに足を運んでみよう。
■種子や苗をゲット
一方、種や苗の状態での販売は比較的見かけられる。とくに種は保存がきくため、さまざまな品種が国内でも作られているし、海外からも輸入されている。
4. 紫いんげんの栽培にチャレンジしよう

紫いんげんはなかなか出回らない野菜のため、自分で育てて収穫するというのも一つの方法だ。種子を入手して、プランター栽培に挑戦してみよう。育て方は、一般的なつるなしいんげんと同じで、初心者でも決して難しくはない。しっかり茹でると色落ちしてしまうが、栽培すれば紫色の花やさやの美しい色を十分観察することができる。子どもと一緒に世話をしながら、収穫を待つのも楽しい。
結論
紫いんげんの色落ちを防ぐには、短時間で茹でて冷水にさらすこと。ただし、中までしっかりと火が通る保証もなく完全に色をキープできるわけではない。茹でることによる色の変化を楽しんだり、自分で育てる過程を楽しんだりするのが賢明といえるだろう。
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