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野性味あふれる古来の味わい【水ふき】の旬や特徴を解説

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

2019年9月18日

シャキシャキという独特の歯ごたえとみずみずしさが特徴の「水ふき」。ほかに類を見ない独特の食感が、春の到来を感じさせてくれる食材である。数少ない日本原産の野菜として気を吐くふきは、その歴史も古い。ふきの中でも、とくに香気高い水ふきについて詳細をみていこう。

1. 西日本が主な栽培地のふき

日本全国で自生する日本原産のふき。その中でも、水ふきは香り高く西日本を中心に栽培されることで知られている。水ふきの特徴とはいかに?

日本古来のふき、その歴史は8世紀から?

メイド・イン・ジャパンの最たるものといってもよい野菜、それがふきである。学名もずばり、「Petasites japonicus」というふきはまさに日本が誇る食材といってよい。湿気を好むという性質が、この国の風土にマッチしたのかもしれない。一説によれば、日本においてふきはすでに8世紀から食されていたともいわれている。10世紀の法令集『延喜式』に、すでにふきに関する著述がみられる。キク科の多年草であるふきは、アジア東部の温帯に分布する。とくに、日本は南から北まで幅広く自生している。古来より山菜として、日本の食文化に浸透してきた。

西日本で栽培が盛んな水ふき

日本国内の市場に出回るふきの半数は、愛知県産といわれている。さらに、京都府や大阪など西日本で栽培されるふきも多い。「京ふき」や「河内ふき」の別名を持つのも、栽培量が多い生産地名にちなむのであろう。とくに、大阪南部の泉州では水ふきの栽培が盛んで、戦前までは門外不出とされるほど珍重されていた。現在、日本の市場の大半を占める「愛知早生ふき」は、愛知県で200年も前から栽培されてきたが、昭和の初期に収穫の時期が早く収量が多いふきとしてメジャーとなった。

水ふきは、愛知早生ふきよりも香気が高く、小ぶりである。その名の通り水分を多く含み、食感が柔らかいという特徴がある。栽培量は多くはないが、こうした特徴を生かして水煮などの加工にされることも多い。

2. 水ふきの旬と選び方

ふきの中でも、よりみずみずしい品種として知られる水ふき。柔らかな食感は、まさに春の喜びを伝える食材にふさわしい。市場に出る量はそれほど多くはないものの、水ふきを購入する際の着目点をみてみよう。

水分は水ふきの命!

水ふきは、ふきの中では比較的小ぶりである。長さは50〜60cm、黄緑色で根もとはわずかに赤みがある。水ふきの旬は、3〜5月。ほかの品種よりも水分が多いといわれる水ふきは、みずみずしさが命。生産者も、水やりに苦労するという。つまり、水はたっぷりと与えながら水はけのよい土壌を維持しなくてはならないのだという。その生産者の努力が、シャキシャキと歯ごたえがよく、それでいながら他品種よりも苦みの少ない柔らかい食味の水ふきを生み出すのである。

見た目もみずみずしさが肝心

水ふきを選ぶ際には、視覚からして水分を多く含んだものが指標となる。茎の部分に乾燥が見られたり、みずみずしい緑色ではなく枯れた黄色に変色していたりする場合は避けたほうがよい。黒ずみなどのシミがないかも、品質を知るうえでは重要である。また、真横に持った時にすっと水平に伸びるふきは新鮮でみずみずしさを保っているといえる。さらに、断面をよく観察し、「す」が入っていないか、切り口が乾燥しすぎていないかも要チェックだ。ふきは保存が効かないという難点がある。購入後は、なるべく早くアクを取るなどの処理をして食べてしまうのが美味しさを損なわないポイントだ。

3. 水ふきの食感をよりよく味わうためには?

香り、食感とともに、春の到来を実感できる水ふき。癖のない味わいは、子どもも嫌がらずに食べることができる貴重な食材である。

西の伝統に従って、油揚げとともにあっさりと食べるのが食味を最大限に味わえる。白みその味噌汁と味わうのも美味である。大人だけの食卓ならば、少し苦みのある葉の部分も濃い味付けで調理しごはんやお酒のおともにするのもよし。

大阪市中央卸売市場のおすすめは、マヨネーズとあえてサラダ風に食べることだという。つまり、癖のない水ふきは、出汁や醤油のみならず洋の味つけとも相性は悪くないということである。

結論

泉州では、門外不出とされるほど珍重されてきた水ふき。現在は、収穫期が早く収量が多いほかの品種に押され気味で、水ふきを市場で見ることは稀になってしまった。しかし、他品種に抜きんでた香りの高さは根強い人気を誇る。その希少性がまた、春到来の喜びを伝える野菜としての価値を高めているのだろう。
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