1. リーフレタスによく似たエンダイブとは
見た目が似ていることからグリーンリーフレタスのひとつの種類と思われることが多いエンダイブであるが、正確には別な仲間の野菜である。では、エンダイブとはどのような野菜なのだろうか。
エンダイブとはキク科の野菜
エンダイブは、ヨーロッパの地中海沿岸が原産のキク科の野菜である。見た目は、サニーレタスやグリーンリーフレタスに似ているが、正確にはレタスの仲間ではない。日本名では「にがチシャ」や「キクヂシャ」と呼ばれ、その名の通り独特の強い苦みがあることでも知られている。加えて、シャキシャキ歯触りのよい食感が特徴で、よくサラダなどの料理に使われる洋野菜のひとつだ。
エンダイブの歴史
エンダイブの歴史は古く、紀元前の古代エジプトではすでにサラダとして利用されていたといわれている。日本へは江戸時代に伝えられ、「紅毛萵苣(オランダチサ)」と呼ばれていた。当時は観賞用で、食用とされるようになったのは比較的最近になってからだ。
エンダイブは、成長すると茎が1m近くまで伸びて、青紫色の美しい花を咲かせ、花言葉は「飾り気がない」「倹約」「質素」である。
エンダイブは、成長すると茎が1m近くまで伸びて、青紫色の美しい花を咲かせ、花言葉は「飾り気がない」「倹約」「質素」である。
エンダイブの栄養
文部科学省「日本食品標準成分表(※1)」のデータによると、エンダイブ100gあたりのカロリーは14kcalとされている。さらに、食物繊維量は2.2gと多く、レタスの約2倍(※2)にあたる。また、塩分を排泄する作用のあるカリウムや、骨を健康に維持するカルシウムも豊富だ。緑の部分には、人間の健康維持に必要なβ-カロテンも多く含む。
2. エンダイブとアンディーブ・チコレの違い
エンダイブと同じくキク科の植物の食物といえば、「アンディーブ」や「チコレ」だ。実は、アンディーブとチコレは同じものを指している。「endive(アンディーブ)」はフランス名であり、「チコリ(chikory)」は英名であるのだ。また、フランスではエンダイブのことを「シコレ」と呼んでいる。
以上の理由で間違われやすいチコレやアンディーブだが、エンダイブとはまず見た目が違うことを知っておこう。エンダイブはレタスのようなひらひらとした葉っぱが特徴であるが、アンディーブ・チコリは、チューリップのつぼみのような円錐型のものである。
以上の理由で間違われやすいチコレやアンディーブだが、エンダイブとはまず見た目が違うことを知っておこう。エンダイブはレタスのようなひらひらとした葉っぱが特徴であるが、アンディーブ・チコリは、チューリップのつぼみのような円錐型のものである。
3. サラダ以外の料理もおすすめ!エンダイブの食べ方
エンダイブの緑の薄い葉や白い部分は苦みが少ないため、サラダで食べるのがおすすめである。濃い緑色をした葉は苦みが強く、軸の部分は筋が硬くサラダにはあまり向かないので、炒め物やスープにして食べるとよい。調理する際には、レタスと同様に包丁で切ると切り口が黒く変色しやすいので、手でちぎって使うようにしよう。
エンダイブの苦みを和らげるには、水に浸すとよい。小さくちぎったエンダイブを3時間ほど水に浸せば、苦みがかなり和らぐ。また、加熱する食べ方でも苦みを和げられるだろう。シンプルなコンソメ味での簡単スープレシピや、炒め物レシピも人気だ。
エンダイブの苦みを和らげるには、水に浸すとよい。小さくちぎったエンダイブを3時間ほど水に浸せば、苦みがかなり和らぐ。また、加熱する食べ方でも苦みを和げられるだろう。シンプルなコンソメ味での簡単スープレシピや、炒め物レシピも人気だ。
4. エンダイブの上手な選び方と保存方法
市販のエンダイブを購入する場合は、できるだけ美味しいものを選んで、長く味わいたいものだ。ここでは、エンダイブの選び方と保存方法についてまとめた。
エンダイブの選び方
エンダイブを購入するときは、葉が開いていたり切り口が乾燥していたりするものは避けよう。しっかりと葉っぱが巻いているものがよい。さらに、持った時に重いものを選ぼう。
エンダイブの保存法
エンダイブは葉物野菜であるため、あまり日持ちしない。購入したらできるだけ早く食べきるようにしよう。保存する場合には、乾燥を防ぐため湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包むか、ポリ袋に入れるなどして冷蔵庫の野菜室に入れよう。葉物野菜は、温度が低すぎても萎れやすくなるので冷蔵庫の温度設定にも注意が必要である。
5. エンダイブの栽培方法
エンダイブは自宅で栽培することもできる。家庭向きの品種として売られているのは「グリーンカード」という品種で、エンダイブのなかでも比較的育てやすいのでおすすめだ。土は元肥入りの培養土を選ぼう。エンダイブの発芽適温は20℃前後であるため、種まきは3~4月か8月下旬が適している。
発芽したら葉っぱ同士が重ならないように25cm間隔に間引いておこう。葉っぱが20~30cm広がったら、外の葉っぱの上の部分を紐で軽くしばっておく。内側の葉っぱに日光があたるのを防ぎ、エンダイブが苦くなるのを防ぐためだ。葉っぱを縛って日光を当たらないようにすることを軟白処理といい、行ったあとは1週間程度で株ごと収穫ができる。
発芽したら葉っぱ同士が重ならないように25cm間隔に間引いておこう。葉っぱが20~30cm広がったら、外の葉っぱの上の部分を紐で軽くしばっておく。内側の葉っぱに日光があたるのを防ぎ、エンダイブが苦くなるのを防ぐためだ。葉っぱを縛って日光を当たらないようにすることを軟白処理といい、行ったあとは1週間程度で株ごと収穫ができる。
結論
エンダイブは、食物繊維も豊富で栄養もある洋野菜だ。しっかりと水に浸したり、火を通したりすれば、エンダイブの苦みも和らぎ、美味しく食べられるだろう。もちろん、その独特の苦みを堪能したいというなら、さっと水にさらしてそのまま食べるのもよい。今回紹介した選び方や調理法を参考に、エンダイブの美味しさを堪能してみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(七訂)」野菜類/エンダイブ/葉/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06018_7
※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(七訂)」野菜類/(レタス類)/レタス/土耕栽培/結球葉/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06312_7
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(七訂)」野菜類/エンダイブ/葉/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06018_7
※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(七訂)」野菜類/(レタス類)/レタス/土耕栽培/結球葉/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06312_7
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