1. 「かおり」は品種登録されていないのに美味しい梨?

かおりは品種登録されていない梨だが、とても美味しい人気の梨なのである。しかし、なぜ美味しく人気があるのに品種登録されていないのだろうか。まずは、かおりの誕生の秘密を見てみよう。
生まれは神奈川県
かおりは幸水と新興を掛け合わせて作られた梨で、1953年に栽培が開始された。しかし、ほかの梨と比べ、落下しやすく日持ちしないというデメリットが大きく、品種登録はされずに栽培は中止されてしまうこととなった。
試作していた農家が栽培を継続
試験栽培は中止されたものの、味がよかったため試作していた農家がそのまま栽培を継続した。そののち、かおりの美味しさが再注目され始めたのである。過去に試験栽培を中止しているため、品種登録はされていないのである。
新興×幸水なのに青梨?
新興と幸水はどちらもざらざらとした表皮に包まれた赤梨だが、かおりはなぜかつるりとした表皮に包まれた青梨である。それは、それぞれの親に青梨の品種が含まれているからである。分かりやすくいえば、隔世遺伝というものなのだ。
2. 「かおり」は梨の中でも大玉でジューシー

かおりはかなり大玉の梨で、大きいものであれば1kgを超えることもある。さらに、皮をむくだけで果汁が滴るほどみずみずしくジューシーなのが特徴だ。それだけの美味しさがありながら、現在も品種登録はされていない。かおりの特徴をいくつか挙げよう。
■芳醇な香り
かおりという名前だけあって、梨の香りが強い。カットした瞬間にふわっと香る芳醇な香りは、ほかの梨では味わうことができないだろう。
■酸味が少なく上品な味わい
強すぎない甘みの中にほんのりと酸味があり、上品な味わいを感じることができる。シャキシャキとした梨らしい食感も楽しむことが可能だ。
■青梨の中でも青みが強い
かおりは青梨の中でも青みが強く、青りんごのような色合いが特徴だ。熟してもあまり黄色くならず、ほかの青梨と比べても青みが強いのだ。
■貴重で高価な梨
かおりはあまり流通していないめずらしい梨で、栽培も難しいため価格が高く設定されている。かなり大きいものであれば、1個で2,000円以上することもあるのだ。それだけ貴重な梨と聞くと、ついつい食べたくなってしまう人も多いだろう。
3. 「かおり」は収穫時期がかなり短い梨

かおりは栽培されている場所が少なく、限られた地域にしか出回っていないめずらしい梨である。さらに収穫時期が9月の上~中旬頃とほかの梨と比べてもかなり短く、なかなか手に入らないのだ。それゆえ、どうしても高価になってしまうのだろう。
かおりの主な生産地
かおりの生産量の半分を占めているのが、千葉県だ。ほかには秋田県や栃木県などで栽培されている。どの地域でも生産量は少ないので、もし見つけたらすぐに購入することをおすすめする。
結論
今回紹介したかおりという梨は、美味しいがなかなか手に入らない非常にめずらしい青梨である。梨はとても人気のある果物だが、中にはかおりのような生産量の少ない貴重なものも存在するのだ。千葉県などに行った際に見つけたら、ぜひ食べて見てほしい。いままで食べていた梨との違いに驚くかもしれない。ちなみに、通販サイトなどで購入できる場合もあるので、あわせてチェックしてみてはいかがだろうか。
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