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【管理栄養士監修】梨の栄養と効能!りんごと比べて違いはある?

【管理栄養士監修】梨の栄養と効能!りんごと比べて違いはある?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年7月16日

シャキシャキとした歯ごたえと、みずみずしくさわやかな甘さが特徴の梨は、夏から秋にかけて食べたくなる果物の一つだ。しかし、あまり栄養がないというイメージをもっている人も多いのではないだろうか。そこで本記事では、梨に含まれる栄養成分について解説する。りんごとの違いもおさえながら、美味しく効果的に梨を食べてはいかがだろう。

  

1. 梨ってどんな果物?

日本では、古く弥生時代頃には食べられていたといわれている梨。成分の約90%は水分でできているが、糖分やカリウムなどの栄養成分も含んでいる果物だ(※1)。種類も豊富で実に30種類以上が存在する。大きく分けると、日本国内品種の和梨、西洋品種の洋梨の2種類に分類される。それぞれの特徴は大きく異なり、まったく別の食べ物と表現したくなるほどである。

和梨

"梨"といえば、一般的にはこの和梨を指している。その特徴は水分の多さと噛んだ時の特徴的な食感。芳醇ながら、非常にすっきりとした味わいである。

洋梨

一方の洋梨は非常に濃厚で甘みが強いのが特徴。食感もねっとりとしている。その形も特徴的である。

2. 梨の栄養成分

梨(日本なし)は100g当たり88gを水分が占める果物だが、残り12gにはどのような栄養成分が含まれているのだろうか。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1)で示されているデータによると、炭水化物が11.3gと最も多く、たんぱく質は0.3g、脂質は0.1gと微量だ。また、灰分(ミネラル類)が0.3g含まれるほか、微量ながら数種類のビタミン類も含有している。栄養成分の含有量をみると、決して栄養価の高い食品とはいえないが、次のような健康効果が期待できる成分も含まれている。

ソルビトール

農林水産省の資料(※2)によると、ソルビトールは果糖の一種で、梨100g当たりに0.8g含まれる。果物のなかでも、梨はソルビトールの含有量がとくに多いそうだ。ソルビトールは通常の糖類と比較して、低カロリーなうえに虫歯になりにくいといった特徴もある。また、整腸作用が期待できる反面、一度に大量を摂取すると下痢を起こす可能性があるため、摂り過ぎには注意が必要だ。

食物繊維

梨には100g当たり0.9gの食物繊維が含まれており、とくに不溶性のものが0.7gと多い(※1)。食物繊維には便の排出を促す働きがあるため、便秘を予防する効果が高いことで知られている。また、血糖値の急上昇を抑制する効果、体内への糖や脂質、ナトリウムの吸収を抑制する効果も期待できる。そのため、便秘だけでなく肥満や脂質異常症、糖尿病、高血圧などの予防や改善にも効果があると考えられている。(※3)

カリウム

ミネラル類のうち梨に多く含まれるのがカリウムで、100g当たりの含有量は140mgである(※1)。カリウムの主な作用は浸透圧の調整機能だが、とくに体内の余分なナトリウムを排出する働きがある。塩分の過剰摂取を調整することにより、高血圧の予防に役立つ栄養素といわれる。不足すると脱力感や食欲不振を招き、深刻な症状では筋無力症や精神障害、不整脈などのリスクもある。カリウムは調節機構の働きにより蓄積されにくいため、積極的な摂取が推奨される。(※4)

アスパラギン酸

アミノ酸の一つであるアスパラギン酸も、梨に含まれる栄養素で、体内のたんぱく質合成に欠かせない。体内で作り出すことのできない必須アミノ酸ではなく、糖質や脂質から作り出せる非必須アミノ酸に分類される。そのため、梨に含まれる糖質を有効活用することによりエネルギー代謝の促進などの効果も期待できる。また、疲労回復効果もあるようだ。(※5、6)

タンニン、ポリフェノール

梨だけでなくほとんどの果物に含まれるポリフェノールは、抗酸化物質の一つである。タンニンは、ポリフェノールの一種だ。果物の色素、また苦みや渋みの成分である。活性酸素の働きを抑制する機能により、動脈硬化、ガン、老化、免疫機能の低下などを防ぐ効果が期待できる。(※7、8)

プロテアーゼ

梨には、たんぱく質分解酵素であるプロテアーゼが含まれている。肉を梨の果汁に浸してから加熱調理すると柔らかくなったという実験結果があり(※9)、肉を柔らかくする酵素として知られている。そのまま食べるだけでなく、すりおろして肉を調理する際に使用してみてはいかがだろう。

3. りんごと栄養成分にどんな違いがある?

梨とともによく食べられ、見た目が似ていることから比較されることも多いのがりんごだ。梨とりんごは味や食感に違いがあるが、栄養成分に関しては違いがわからないという人も多いのではないだろうか。そこで、梨とりんごの栄養成分について比較してみよう。

りんごの主要栄養成分とは

まずは、りんご(皮なし)100g当たりに含まれる栄養素(※10)を紹介する。水分量は84.1gと、梨よりもやや少なめだ。炭水化物が15.5gと多く、たんぱく質は0.1g、脂質も0.2gと、梨と同様に微量である。ミネラル類はカリウムが多く、ビタミン類はさまざまな種類が含まれるという点も、梨と共通している。(※1、10)

梨とりんごの栄養成分の違い

りんごの栄養成分を全体的にみると梨とよく似ているが、細かくみていくと違いがある。カリウムの量に関しては、100g当たり120mgと梨よりも20mg少ない。また、ビタミン類の含有量に関しても、葉酸が梨より少なくビタミンCが梨より若干多いなど、異なる点がいくつかある。大きな違いとしては、ビタミンAの含有量が挙げられる。梨にはビタミンAが含まれていないが、りんごにはβ‐カロテンやβ‐クリプトキサンチンが含まれている。(※1、10)
梨とりんごのどちらが優れているとは一概にいえないが、栄養成分がまったく同じではないことを踏まえておくとよいだろう。

りんごの栄養成分による効能

梨と同様にカリウムが多いことから、塩分の摂り過ぎによる生活習慣病などの予防効果が期待できる。食物繊維による整腸作用もりんごの効能の一つだ。また、ビタミンA(※11)には発育の促進や肌の健康の維持、夜盲症の予防などさまざまな働きがある。過剰摂取にはリスクがある栄養素だが、りんごの含有量は少量のため心配はない。
また、抗酸化物質であるポリフェノール(※8)はりんごにも含まれている。ポリフェノールの一種であるアントシアニンは果皮に含まれている(※7)ため、りんごの栄養を効果的に摂取するには、皮付きのまま食べるのがおすすめだ。

4. 梨のカロリーと糖質

梨は水分が多くジューシーで、すっきりとした甘さとほどよい酸味が特徴的な果物である。水分量や味からはカロリーや糖質量がそれほど高くないように思われるが、実際のところはどうなのだろうか。また、りんごとも比較してみよう。
(以下すべて100gの数値。[ ]の中はカロリー、糖質量の順)
  • 日本なし(生)[38kcal、10.4g](※1)
  • 西洋なし(生)[48kcal、12.5g](※12)
  • りんご(生)[53kcal、14.1g](※10)
日本なしに比べて西洋なしのほうが、若干カロリーも糖質量も高い。しかし、りんごに比べると、どちらもカロリー、糖質量ともに低い。梨1個(中型)はおよそ200gである。皮をむいて半分(100g)も食べれば、満足がいくのではないだろうか。一度に大量に食べなければ、カロリーも糖質量もそれほど気にしなくてもよいだろう。

結論

梨は水分量が多く、残りは炭水化物がほとんどを占める果物だが、カロリーや糖質量はりんごよりも低い。また微量ではあるが、健康効果が期待できるさまざまな栄養成分も含まれている。梨にもりんごにもそれぞれのよさがあるため、どちらも食べ過ぎに気を付けながら美味しくいただこう。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(なし類)/日本なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07088_7
※2出典:農林水産省 北陸農政局「今月の園芸特産作物:8月 日本なし」
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201608.html
※3出典:厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
※4出典:厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
※5出典:熊本県農林水産部農業技術課普及振興企画班
「Vitamin Table 〜第6回 梨のおはなし〜」
https://agri-kumamoto.jp/reference/data/vitamin-table%E3%80%80%E3%80%9C%E7%AC%AC6%E5%9B%9E%E3%80%80%E6%A2%A8%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97%E3%80%9C/
※6出典:厚生労働省e-ヘルスネット「アミノ酸」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html
※7出典:農林水産省(国産果実競争力強化事業)「果物と健康(六訂版)」
http://www.kudamono200.or.jp/booklet/pdf/factbook6.pdf
※8出典:厚生労働省e-ヘルスネット「抗酸化物質」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
※9出典:金 基淑  藤木澄子 吉松藤子「梨果汁の肉軟化効果について」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/35/3/35_3_172/_pdf/-char/ja
※10出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/りんご/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07148_7
※11出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」p171 1-6 ビタミン(1)脂溶性ビタミン①ビタミン A
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※12出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」果実類/(なし類)/西洋なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07091_7
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  • 公開日:

    2017年3月18日

  • 更新日:

    2021年7月16日

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