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植えてよし食べてよしの南国果樹【フェイジョア】とは

植えてよし食べてよしの南国果樹【フェイジョア】とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年9月22日

亜熱帯地域が原産だが、耐寒性に優れ、日本のとくに暖かい地方で庭木として人気が高いフェイジョア。じつはこの木の果実は食べられるのだ。南国らしい甘い香りで、花も実も楽しめる、南国の果樹フェイジョアを紹介する。

  

1. フェイジョアとは

一時期ブームになったので、知っている人もいるかもしれないが、現在の日本ではめずらしいであろうトロピカルフルーツ、フェイジョア。
原産は中南米だが、ニュージーランド人が自国で品種改良を施し、果樹として経済栽培をして広めていったのが、その美味しさと有用性を世界が知るきっかけになった。しかし塩害に強いフェイジョアの木は、もともとはキウイフルーツの防風林として生垣用としての需要がメインであった。
日本では、ニュージーランドからのキウイフルーツに続く新しいフルーツとして、フェイジョアの実が紹介された。しかし、いまほど輸入技術が発達していなかったこと、フェイジョアの見た目が味と結びつかなかったことなど、さまざまな要因が重なり、キウイフルーツのようには普及しなかったのだ。
現在日本で経済栽培をしているところは非常に少なく、九州や沖縄などのごく一部のみで、生産されても地元で消費されることが多い。わずかに日本国内で流通しているフェイジョアのほとんどは、オーストラリアかアメリカからの輸入品である。
実を手に入れるよりも、庭木として苗木を手に入れるほうが容易かもしれない。苗木は中南米原産でありながら、耐寒性に優れマイナス10℃近くまで耐えることができる。日本でも簡単に育つ常緑樹なので、初心者向けの庭木・生垣として人気が高い。

2. フェイジョアの果実

フェイジョア(feijo)という名前は、スペインの植物学者にちなむという説、ポルトガルの軍人や博物学者の名前にちなむという説など諸説あるが、人の名前からちなんでいるのは共通しているようだ。別名パイナップルグァバと呼ばれ、花も実も甘い香りがする。
フトモモ科の果物なので、グアバと一括りにされがちだが、近似種であって同一種ではない。だが確かに実の形はよく似ている。
似ているが、フェイジョアの果実は小さく50~100g程度、鶏卵より少し小さいくらいの大きさだ。外皮の表面は濃い緑色をしていて、固くデコボコしている。この皮は薄いがグアバと違って食べるには向かない。カットして食べよう。
果肉はクリーム色から薄い緑色、内部は半透明のゼリー状だ。ゼリーの中に種があるが、小さいので食べるときもさほど気にならない。
パイナップルグァバの別名の通り、パイナップとバナナ、りんご、イチジクなどを混ぜたような絶秒なバランスの味わいである。濃厚な甘酸っぱさと、ジューシーな食感。トロピカルフルーツらしい風味である。よく熟すと、外皮は硬いが中身は洋ナシのように柔らかく、また甘い芳香を放つ。
半分にカットして、スプーンなどですくって食べるのがおすすめだ。キウイフルーツと同じように、皮をむいて輪切りにして食べるのも食べやすい。収穫の時期は10~11月頃だ。フェイジョアは自家結実性がないため、2本以上ないと受粉しない。違う遺伝子の花粉と受粉しなければ、実がならないのだ。

3. フェイジョアの庭木

フェイジョアは、花屋でも見かけることがある。苗木、あるいは花材として。楕円の大きな葉は肉厚で丈夫。表面は艶のある緑色だが、裏側は銀色、もしくは白い色をしている。新芽は色彩の薄い黄色から白の色合いで、ひと枝の中にグラデーションのように数色入っているのが美しい。玄関前に植える、シンボルツリーにも人気だ。常緑樹なので生垣にしても目隠しになり、剪定すると上手く形を整えることができる。
シンボルツリーは、家の顔となる玄関あたりに植えられる木である。昔は松や椎木を植えていたが、現在は建物とのマッチングが最重要になっており、建物を引き立てるため、またはイメージが合うモノが植えられる。フェイジョアの木は、あまり大きくならないが常緑樹であり、剪定は容易、洋風な家屋敷のシンボルツリーとして建物を引き立ててくれる。
また花も美しい。花びらは白く、厚みがある。内側に紫から赤紫の色がつき、中から真っ赤な雄しべを、放射線に伸ばしている。花はとろけるような甘さを持ち、甘い芳香があり食べることができる。エディブルフラワーとしても魅力的だ。そのまま食べてもいいが、透明なゼリーに合わせるなど、材料として使うととても華やかでかわいらしい。

4. 育ててみよう、フェイジョアの木

フェイジョアの品種は30種類以上といわれている。果物として果実の流通はないが、自家菜園用に苗木や種の人気は高い。
  • アポロ
中早生、自家結実性があり、1本でも実をつけることができる。大玉な実が期待でき、最大220gほどにもなる。甘みも香りも強い人気品種である。
  • トライアンフ
晩生品種。大きな実は採れないが香りがいい。量産性で日持ちのする品種。
豊作性で有名だが、ほかの品種の花粉が必要だ。
  • クーリッジ
晩生品種である。大玉でたくさん実がなる品種だ。定番品種で、自家結実性を持つ。この1本があれば、3~5年後には実がなるだろう。

結論

フェイジョアは日本では栽培されず、苗木もオーストラリアかアメリカから輸入されてくるものがほとんどだ。完熟する前に果実を収穫し、長い時間をかけて日本にくるころには、いくら日本の輸送技術があがったからといっても、現地で熟れたてを食べることには叶わない。幸い、フェイジョアは園芸品種としても大変人気がある。興味がある人は、ぜひ庭で育てて、木で完熟してぽとりと落ちたものを食べてみよう。
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  • 更新日:

    2019年9月22日

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