1. 【普洱茶(プーアール茶)】とは?

世界を代表するお茶大国である中国では、その広い国土を活かしてさまざまなお茶が栽培されている。ここでいうお茶とは茶葉から浸出させた飲み物を指し、日本でお茶といえば緑茶であることが多い。しかし中国では茶葉に合った加工を行うことで非常に多くのお茶を楽しめる。中国茶はその加工方法と進出したお茶の色から、白茶、黄茶、緑茶、紅茶、黒茶、青茶の6つに分類することができる。
普洱茶(プーアール茶)は黒茶を代表するお茶
日本では古くから緑茶が親しまれていたので、中国茶は意外と浸透していない。しかし普洱茶は日本でも親しまれている中国茶だ。漢字ではピンとこなくても「プーアール茶」と聞くと分かるだろう。普洱茶は黒茶に分類されることから分かるように黒いお茶だ。黒茶に分類されるお茶の最大の特徴は茶葉を熟成発酵させることだ。そうすることで、独特の風味が生み出されるとともに色も黒くなるのだ。
本場の普洱茶(プーアール茶)は1種類ではない
日本ではプーアール茶といえば1種類しかないイメージだが、実際には普洱茶はお茶のジャンルの1つで、複数種のお茶が属する。主な普洱茶としては「普洱生茶(プーアールなまちゃ)」、「普洱熟茶(プーアールじゅくちゃ)」、「普洱小沱茶(プーアールしょうだちゃ)」がある。普洱生茶と普洱熟茶の違いは発酵期間の違いだ。普洱生茶は自然発酵させるため十分に発酵させるまで時間がかかるが、普洱熟茶は人工的に発酵させるため短期間で発酵させることができる。一方、普洱小沱茶とは普洱茶の茶葉を5gほどの丸い円形に固めたもので、飲みきりサイズとして人気がある。
2. 普洱茶(プーアール茶)の製造方法と選び方

普洱茶独特の風味を生み出す秘密は加工方法にある。一般的にお茶は酸化によって発酵させ、その発酵具合によって風味が変わるのだが、黒茶に分類されるお茶は酸化ではなく菌による発酵を行う。そのため、ほかのお茶と加工方法が異なる。途中までは緑茶を作るときと同じで、まず茶葉を摘んだらすぐに殺青(さっせい)を行い、酸化による発酵を止める。その後、揉捻(じゅうねん)という茶葉をもみこむ作業を行う。ここからが黒茶独特の工程となるが、生茶や熟茶かで辿る工程は異なる。普洱生茶の場合は、揉捻後は倉庫で長期間熟成させる。一方、普洱熟茶は握堆(あくたい)という高温多湿の環境下で菌をつけて発酵させる工程に入る。握堆によって熟成期間は大幅に短縮できる。生茶、熟茶ともに熟成後に乾燥させれば、店頭でよく見かける茶葉の完成だ。
普洱茶(プーアール茶)の選び方
普洱茶は包装方法でも名前が変わる珍しいお茶だ。そのため中国国内では普洱という名がついたお茶がたくさん並んでいることもあるが、茶葉がバラバラの状態なのか、固められているのか、またどのような形に固められているのかの違いしかない。自分の気に入った形状ものを選ぶとよい。
3. 普洱茶(プーアール茶)を美味しく淹れるための条件

熟成期間が必要となる普洱茶を美味しく淹れるためには、洗茶という作業が必須となる。洗茶とは急須の中で茶葉をすすいで洗う作業のことで、これを行うことで普洱茶を熟成させているときについた汚れを落とすことができる。洗茶後は、ほかの中国茶と同じように淹れる。
中国茶を含むすべてのお茶で重要となるのがお湯の温度と浸出時間だ。普洱茶は100℃のお湯で1分間浸出するのがベストの淹れ方だ。洗茶も行うのでお湯の量は多めに用意しておこう。また普洱茶はほかの茶葉よりも淹れられる回数が多い。多くの茶葉が2~3回ほど淹れると味が薄まってしまうのに対し、普洱茶は10回以上同じような風味を楽しめる。1回淹れただけで捨ててしまうのはもったいない。
中国茶を含むすべてのお茶で重要となるのがお湯の温度と浸出時間だ。普洱茶は100℃のお湯で1分間浸出するのがベストの淹れ方だ。洗茶も行うのでお湯の量は多めに用意しておこう。また普洱茶はほかの茶葉よりも淹れられる回数が多い。多くの茶葉が2~3回ほど淹れると味が薄まってしまうのに対し、普洱茶は10回以上同じような風味を楽しめる。1回淹れただけで捨ててしまうのはもったいない。
普洱茶(プーアール茶)を飲むときの道具
本格的に普洱茶を楽しみたいならば、中国茶用の茶器を使用するのがおすすめだ。中国茶を飲む際に使用する茶器には、茶壺(ちゃふう)と蓋碗(がいわん)の2種類があるのだが、普洱茶を飲む場合は茶壺がおすすめだ。茶壺は味や香りを堪能したいときに使う茶器で、普洱茶を含む黒茶の独特の風味を逃さず味わえる。
茶壺を使うときの手順
まず茶壺に熱湯を入れ温める。熱湯を捨てたら茶葉を入れ、茶壺からあふれそうなぐらいのお湯を注いだらすぐにお湯を捨て洗茶を行う。今度は抽出用のお湯を入れてふたをする。ふたをした状態で茶壺に熱湯をかけ蒸らす。熱湯をかけることで保温状態が長続きする。蒸らし終えたら茶こしを使いながらカップに注ぎ入れる。そのまま2煎目を飲む場合も同様の手順を踏む。
結論
日本でも馴染み深い普洱茶は、本場中国ではさまざまな普洱茶が売られている。ほかの中国茶が酸化発酵によって風味を生み出しているのに対し、普洱茶は熟成または菌による発酵によって独特の風味を生み出している。熟成期間が長いものはヴィンテージものとして高級品ともなっている。
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