1. 紅茶の歴史

意外なことに、紅茶の原産地は中国だ。紅茶文化として花開いたのはヨーロッパだが、元を辿れば中国に行き着く。
紅茶文化が成熟したのはイギリス
日本茶、中国茶、紅茶共にベースは中国雲南省からチベットにかけての山岳地帯原産の茶の樹で、古来は不老長寿の霊薬として飲用されていたらしい。諸説あるが、中国のウーロン茶(半発酵系)の茶葉がヨーロッパで流行したことから、より茶葉の「発酵」を進め、完全発酵させた紅茶が誕生したようだ。
茶の「発酵」による分類
日本茶は茶葉をそのまま乾燥させた「不発酵茶」である。中国の茶は「弱発酵茶」「半発酵茶」が多い。その土地の人々の好みによるのだろうが、紅茶は完全発酵茶だ。ルーツが同じ茶葉でも発酵の度合いで全く違った表情になるのだから、不思議なものである。
2. 紅茶の種類とは?

原産はほぼ中国だが、実は中国系とは違うインド自生の種が発見され、インドも一大紅茶原産国となっている。
主に2大品種
緑茶と紅茶は製法が違うだけで、原料は同じ「中国系」の茶葉である。1823年、イギリス人冒険家のロバート・ブルースが、インドに自生する「アッサム系」茶葉を新発見。現在では、中国系・アッサム系が紅茶の2大品種となり、両者の掛け合わせの種も存在する。世界的に有名な世界三大紅茶と呼ばれる銘茶は、「インドのダージリン」「スリランカのウバ」「中国の祁門(キーモン、キームン)」である。
種類別おすすめの飲み方
ダージリンは「紅茶のシャンパン」とも言われるほど香りが豊かで、まるでマスカットのような芳醇な香りだ。このため、何も加えずストレートで味わうのがおすすめである。ウバはスリランカの気候で育ったバラやスズランのような花の香りがする紅茶で、ストレートの他ミルクティーもよく合う。キーモンは生産量が少なく貴重品で、蘭の花のような香りと独特なスモーキーフレーバーがいかにもオリエンタルな紅茶である。香りを楽しむならストレートが良いだろう。基本的に各紅茶にはストレート、ミルク、レモン等相性の良い飲み方があるのだが、好みに合わせてどんな飲み方をしても良い。最初の一口は、ストレートで茶葉の香りを楽しむのが一番だろう。
3. フレーバーティーはどんな紅茶?

もちろん紅茶には世界三大紅茶以外にも沢山の種類がある。数々のフレーバーティーがそのひとつだ。
フレーバーティーとは
有名なフレーバーティーには「アールグレイ」がある。実はアールグレイとは、ダージリンやウバのような「品種名」ではない。茶葉にアールグレイ特有のベルガモット抽出液を吹き付けて香りを付けた紅茶だ。ベルガモットの香りを活かすため、あっさりした香りの茶葉や中国系の茶葉が使われることが多いが、「ダージリンのアールグレイ」も存在する。アップルティー、ストロベリーティー等も全てフレーバーティーである。
カフェインが気になる人は
カフェインが気になる人には、紅茶に似た香りを添加した、ノンカフェインの「ルイボスティー」もおすすめだ。ルイボスは南アフリカ原産の植物で、ノンカフェインとして知られ、独特の香味があるためフレーバーをつけられていることが多い。これを逆手に取り、各種紅茶やフルーツの風味を添加したフレーバーティーとして楽しむことが出来る。近頃では紅茶葉そのものからカフェインをカットする技術もあるため、子供や妊婦と一緒に飲む場合はそのような紅茶を探してみよう。
結論
忙しい人には手軽なティーバッグもおすすめだ。ティーバッグなら少量ずつ密封されているので茶葉の香りが劣化しにくい。もし気に入った紅茶が見つかったなら、ぜひポットを使った本格的な紅茶の淹れ方で楽しんでみよう。紅茶は購入時に淹れ方を教えてもらえることが多い。茶葉によってベストな抽出時間が異なるため、ポットとティーカップを温め、ゆったりと抽出を待つ贅沢な時間を楽しもう。
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