1. 白毫銀針ってどんなお茶?

白毫銀針は中国福建省の山間で栽培されている、最も有名な白茶だ。中国茶には産地から名付けられたものが多いが、白毫銀針の場合は茶葉の特徴がネーミングの由来となっている。
別名シルバーニードル
枝先2cmほどで摘まれた新芽を使った白毫銀針の茶葉は、白い産毛で覆われている。この産毛を意味するのが「白毫」、針のように繊細な芽は「銀針」と表現され、白毫銀針という名前が付けられたのである。生産されるようになったのは1880年代からと歴史があり、欧米でもシルバーニードルと呼ばれ愛飲されている。新芽のみを使用するため生産量は少ない。
献上茶や芸術家のためのお茶?
白毫銀針は清らかな香りとさわやかな甘み、繊細な味わいが特徴的で、高級茶と呼ぶのにふさわしい贅沢さが感じられる。古くから中国皇帝への献上茶として用いられていたほか、イギリスの皇室でも親しまれ続けてきた。またリラックス効果があり、脳を休めるとともにスッキリさせるといわれ、アイデアを生むのに役立つことから芸術家やクリエイティブ系の仕事にも向くお茶といわれている。
白茶の質は原料で決まる
緑茶に比べて白茶は製造工程がシンプルで、蒸す(中国緑茶の場合は炒る)・揉むという工程がなく、萎凋(脱水し酵素発酵を促進する)・乾燥のみで作られるのだ。炒ることで香ばしさを出すことができないため、原料によっては味気ない白茶になってしまう。逆にいえば、料理と同じように良質な素材ほどシンプルな調理でも美味しい。贅沢に新芽の先のみを使う白毫銀針は、まさに茶葉本来の美味しさを贅沢に味わえる白茶なのだ。
2. 白毫銀針の美味しい飲み方

白毫銀針を飲む際には、ほかの中国茶と同様に茶葉や水色(すいしょく)を楽しむためにもグラスやガラス製の茶器がおすすめだ。茶葉を入れたグラスに直接お湯を注いでいただこう。
抽出にはやや時間がかかる
白毫銀針をはじめ白茶の茶葉は産毛で覆われているため、水分を吸収し茶葉が開くのがゆっくりである。一般的な中国緑茶が蒸らし時間1分ほどであるのに対し、2~3分は待ちたい。茶葉が開けばお湯の中で舞い、立ったり沈んだりと動きが出る。2煎目・3煎目とじっくり時間をかけて楽しもう。
水出しもOK
茶葉に水を注いで1時間ほど待てば、水出しの白毫銀針を楽しむことができる。水で淹れると甘みが増し、温かいお茶とは違った風味を感じられる。
3. 白毫銀針は入手困難?

白毫銀針は20gで1,000~1,500円ほどが相場の高級茶だ。ただし1杯あたり4g使うと考えると200~300円で飲める計算なので、店で飲むことを考えると決して高くはない。原料が希少なぶん生産量が限られているためどこでも入手できるわけではないが、中国茶専門店を訪れれば取り扱われているはずだ。通販を利用すればさらに手軽に購入できる。中国茶専門のネットショップは複数あり、白毫銀針の商品や価格に関しても各々違いがあるためチェックしてみよう。ちなみに安ければよいというものではないため、品質にこだわりのある店舗を選ぶことをおすすめする。
結論
白茶は子どもでも飲みやすいような優しい味わいが魅力だが、飲んだことがない人も多いかもしれない。せっかく白茶に初挑戦するなら、とくに美味しいといわれる白毫銀針を取り寄せてみよう。リラックスできて頭もすっきりすると評判なので、仕事の休憩中などにもぜひ積極的に飲みたいお茶である。
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