1. 白牡丹ってどんなお茶?

一年目は「茶」、三年飲めば「薬」、七年もすれば「宝」になるといわれる白茶。その中でも白牡丹が人気を集めている理由は、親しみやすい味と豊かな香りにある。
一芯二葉からなるバランスの取れた味わい
白茶の最高級品といわれる白毫銀針が新芽のみを使うのに対し、白牡丹は一芯二葉で摘むのが基本。芽だけでなく葉も一緒に摘み取ることで、芽芯と葉それぞれの風味をバランスよく味わうことができる。白牡丹に使用される茶葉の原料は、福建省・建陽などの大白種や水仙種。芽・一葉・二葉ともに白い産毛で覆われているのが特徴で、別名「三白」とも呼ばれる。白牡丹のネーミングの由来は、産毛が牡丹に見立てられたことによるそうだ。
甘みのある花のような香り
白牡丹は香りがよいことでも知られる。味はクセがなくさわやかで飲みやすいが、同時にコクや深い甘みも感じられるお茶だ。この甘みは香りとしても豊かに感じられ「花の香り」と表現されることも多い。白茶は萎凋という製造工程で微発酵させ、萎凋時間を調整することにより、花のような心地よい甘みが生まれるのである。良質な茶葉の本来の味や香りを損なわない製法により、豊かな香りと美味しさが守られているのが白牡丹の魅力といえるだろう。
2. 白牡丹の美味しい飲み方

中国では、白茶の茶葉を耐熱ガラス製のグラスに直接入れて、お湯を注いで飲むのが一般的な飲み方である。日本でも現地の飲み方を真似して、茶葉の舞う様子なども楽しみながらいただこう。
水出しでも美味しい
白牡丹はホットだけでなくアイスでも美味しいお茶である。抽出時間はかかるが、水出しにするとより甘みが引き立ちさわやかな風味を楽しむことができる。5gの茶葉に対し1ℓの水が目安である。白牡丹は、お湯で淹れると白茶の中でも比較的濃い水色(すいしょく)になるが、水出しの場合は色があまり出ない。それでも、冷蔵庫で数時間おいておけば香りと味がゆっくりと抽出されているため、薄い色でも豊かな風味が感じられるはずだ。
酔いさましにもおすすめ
白牡丹をはじめ、白茶は二日酔いにも効くお茶として重宝されている。酒を飲み過ぎてしまったような時でも、白牡丹を飲むと酔いがさめてすっきりするそうだ。爽快感を感じられ身体にこもった熱を除去してくれるお茶としても知られており、夏の暑い時期にもよく飲まれている。酒好きな人や、夏が苦手な人は常備しておくといいかもしれない。
3. 白牡丹を手に入れるには?

白牡丹は白毫銀針ほど希少かつ高価というわけではないため、入手はそれほど難しくない。日本にもさまざまな中国茶を取り扱う専門店があり、実店舗でもネットショップでも豊富に取り扱われている。ちなみに白牡丹の主な産地は福建省だが、雲南省の原料で製造されたものもある。どちらがよいというわけではなく、産地を含め品質にこだわりを持ち製造された白牡丹を選ぶことが大切だ。価格は店によって異なり、安くて質の悪い白茶も存在する。白茶は質の良し悪しがダイレクトに味に現れるお茶のため、購入する際には価格だけでなく品質も必ずチェックしよう。
結論
蒸し暑い香港では白牡丹が人々から愛されていて、最高級である白毫銀針よりも魅力があると考える人も多いそうだ。白茶を飲んだことのない人でも飲みやすくホッとする味と評判の白牡丹をぜひ試してみてはいかがだろう。
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