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日本で1番栽培されている日本茶【やぶきた】の魅力

日本で1番栽培されている日本茶【やぶきた】の魅力

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2019年12月10日

ほっと一息つきたいときに飲みたくなる日本茶は、日本人には欠かせない飲み物だが実は知らないことも意外と多い。その1つが日本茶の品種だ。日本茶は産地で区別されることが多いため、そもそも日本茶に品種があることもあまり知られていない。ここではもっとも飲まれている「やぶきた」という品種の日本茶を紹介する。

  

1. 【やぶきた】とは?

日本茶の呼び方でよく使われるのが「煎茶」や「抹茶」といった名称だ。これらは茶葉をどのように栽培・加工しているかを表している。同じ日本茶であっても、煎茶であれば急須で淹れる、抹茶であればお茶を点てる、といったように飲み方が変わってくるため分かりやすく表示されている。また同様に日本茶の名称として定着しているのが産地を組み合わせた名称だ。有名なものとして静岡茶が挙げられるが、このようにブランド茶の証として使われることが多い。これらの名称が使われることが多いため、茶葉の品種というものは認知されにくくなっている。

・実は全国シェアナンバー1のやぶきた

さまざまな地域で栽培・加工されている茶葉だが、栽培地域の気候や茶葉の加工方法(煎茶にするのか抹茶にするのかなど)で適する茶葉の品種は異なってくる。日本で最も飲まれるのは煎茶であり、現在最も人気のある茶葉は「やぶきた」だ。やぶきたは明治時代に優良品種として選抜された茶葉で、風味がよいことや煎茶への加工適性があったことから全国に広がった。現在ではお茶の一大産地である静岡県を含む広い地域で栽培されており、日本で栽培されている茶葉の75%以上をやぶきたが占めている。

2. やぶきたの新茶と加工方法

「茶つみ」という歌にもあるように、八十八夜(立春から八十八日経った日、つまり5月1日頃)のころに新茶の収穫は行われる。この時期に収穫された新茶は、味と香りのバランスが非常によいとされている。しかしそれぞれの地域の気候によって新茶の収穫時期は異なり、必ずしもこの時期に収穫が行われるわけではない。たとえば沖縄県では3月が収穫時期であるのに対し、新潟県では5月中~下旬にかけて収穫が行われる。このように新茶の収穫時期が幅広いため、全国で栽培されているやぶきたの新茶の収穫時期も幅が広い。

・やぶきたは分担して加工される

収穫された茶葉がそのまま市場に出回ることはなく、茶園で荒茶という状態に加工され、その後お茶の加工業者で仕上げが行われる。なぜ2ヶ所で加工しなければいけないのかというと、茶葉の性質が関係してくる。日本茶は不発酵茶に分類され、茶葉を発酵させずに加工することでさっぱりとした味わいとなる。しかし収穫した茶葉をそのままにしておくと酸素と反応して発酵が行われてしまう。茶葉を発酵させたお茶として烏龍茶や紅茶が有名だが、やぶきたもそれらに近い味わいに変わってしまう。そのため発酵が始まる前に、茶園で発酵を止めた状態のお茶、つまり荒茶の状態にしておかなくてはならないのだ。荒茶は発酵を止めただけなので、そのままでは商品とはならない。茶葉以外の茎や芽を取り除くといった作業が加工業者で行われ、やっと市場に出回るのだ。

3. やぶきたの選び方と美味しい淹れ方

やぶきたは煎茶に加工されて売られていることが多い。やぶきたのみを煎茶に加工しているものもあれば、やぶきたとほかの品種の茶葉をブレンドしたものもある。同じやぶきたでも産地によって味わいが変わってくるため、購入する際は日本茶専門店で試飲しながら選ぶのがよい。数多くのやぶきた茶の中からぴったりのものを見つけ出せるはずだ。また日本茶専門店以外でやぶきた茶を購入する場合は、煎茶の見た目もチェックしておこう。茶葉が細くまっすぐで針状であること、濃い緑色であることの2点が美味しい煎茶を選ぶときのポイントだ。

・美味しい煎茶の淹れるためのポイント

お茶を淹れるときの温度、茶葉の量、お湯の量、抽出時間の4点は、煎茶を美味しく淹れるときに非常に重要となる。意外と知られていないのが煎茶を淹れるときのお湯の温度だ。沸かしたての熱湯でそのまま煎茶を淹れてしまうことが多いが、適温は70~80℃であるため、沸かしたての熱湯を湯呑みに移し替え少し冷ましておく。茶葉とお湯の量は、パッケージに記載されている量を参照しよう。もし書かれていなければ、茶葉2gに対してお湯70mlを目安にしよう。急須に茶葉とお湯を入れ1~2分蒸らせば、美味しいやぶきたの煎茶の完成だ。複数人で飲む場合は廻し注ぎ(少しずつ均等にお茶を湯呑みに注ぐ方法)をするとお茶の濃さが均一となり、みんなで美味しく飲むことができる。

結論

日本で飲まれているほぼすべての煎茶に使われているといっても過言ではないやぶきた。日本では昔からさまざまな品種の茶葉が栽培されていたが、明治時代にやぶきたが優良品種として選定されると、日本茶の品質が均一化され美味しい日本茶を飲めるようになった。コーヒーや紅茶も定番になりつつあるが、日本茶でほっと一息つくのはやはり日本人の醍醐味だろう。
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  • 更新日:

    2019年12月10日

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