1. 貴重なフィレ肉のさらに希少な部位シャトーブリアン

シャトーブリアンという、いかにも敷居の高そうなフランス名がついた高級肉は、いったいいつ頃から存在するのであろうか。名前の由来、シャトーブリアンの特徴などをよくみていこう。
シャトーブリアンの名前の由来は?
シャトーブリアンの名前は、フランスの作家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンに由来するといわれている。1938年に発刊された「ラルース料理大辞典」によれば、作家シャトーブリアンに雇われていたシェフのモンミレイユによって発案された肉の部位であるという。しかし、一説には作家のシャトーブリアンが亡くなった30年後に歴史上はじめてのシャトーブリアンの記述があることから、その説に疑問をとなえる人も多い。
1頭の牛からとれるわずかなシャトーブリアン
そもそも、牛1頭からとれるフィレ(ヒレ)肉自体が貴重である。フィレ肉が、1頭の牛に占める割合はわずか5%ほどといわれている。そのなかでも、とくに肉質のよい柔らかな大腰筋の部分がシャトーブリアンである。一般的に、シャトーブリアンは1頭の肉から2kg弱、場合によっては1kgをきることもあるという。希少性とともにますます需要は高くなり、価格は高騰することになる。シャトーブリアンは筋肉からなる赤身の部位にもかかわらず、霜降り肉のような柔らかさが特徴である。厚めに切ったステーキとして食べるのが一般的だ。
2. シャトーブリアンと合わせるべきワインは?

最高級のフィレ肉といわれるシャトーブリアンには、それなりのワインを合わせなければなるまい。もちろん、赤ワインということになるのだが、どんな銘柄がとくにシャトーブリアンと相性がよいのであろうか。代表的なワインを3点紹介する。
1.バローロ
イタリアの赤といえば「バローロ」。その重厚感は、肉料理に最適と評判が高い。貴重なシャトーブリアンにも、位負けしない格の高いバローロで味わってみよう。
2.フランス産ボルドーワイン
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが主体のフランス産ボルドーワインも、シャトーブリアンとよく合うワインである。シャトー・マルゴー、グラーヴ・ルージュ、メドック・ルージュ、ポイヤック、サン・テステフなどのビッグネームとぜひ合わせてみたい。フランス産のボルドーだけではなく、アメリカはカリフォルニア産の高名なボルドーもシャトーブリアンと美味しく飲むことができる。
3.アメリカ産カベルネ・ソーヴィニヨンのワイン
フランス原産ながら、カリフォルニアの地で大輪の花を咲かせたカベルネ・ソーヴィニヨンから生まれる偉大なるワインも、シャトーブリアンとはお似合いである。オーパスワン、スクリーミング・イーグルなど、いわゆるカルトワインと呼ばれる敷居の高いワインも、シャトーブリアンとならば惜しみなく飲めるだろう。
なお、シャトーブリアンをレストランで口にする機会があったら、合わせるべきワインはプロに聞くのが一番手っ取り早く、確実だ。サーブしてくれるソムリエの意見に素直に耳を傾けて、シャトーブリアンを味わうのがよいだろう。
なお、シャトーブリアンをレストランで口にする機会があったら、合わせるべきワインはプロに聞くのが一番手っ取り早く、確実だ。サーブしてくれるソムリエの意見に素直に耳を傾けて、シャトーブリアンを味わうのがよいだろう。
3. 偉大なるワイン、シャトーブリアン、そしてベアルネーズソース

高名なワインとシャトーブリアンという希少性の高い組み合わせに定番といわれているのが「ベアルネーズソース」である。フランスに19世紀初頭から伝わる、エシャロットや卵黄、バターを使用したクリーミーで濃厚なソースだ。厚めに切ったレアのシャトーブリアンに、ことのほか合うソースとして知られているベアルネーズソース。偉大なる赤ワインとの相互作用でさらに豪奢に、シャトーブリアンを彩ることはまちがいない。また、シャトーブリアンの付け合わせの定番としては、ポテトやアスパラ、ポルチーニ茸がある。
結論
1頭の牛から、わずかしか取れない貴重な肉シャトーブリアン。赤身の肉ながら、非常に柔らかい希少な部位として知られている。フランスの作家から名前を得たこの肉は、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワインとよく合う。究極のグルメというべきこの組み合わせ、機会があったらぜひ試してみてほしい。
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