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じゃがいも【とうや】の特徴と魅力を解説!洞爺湖(とうやこ)が由来?

じゃがいも【とうや】の特徴と魅力を解説!洞爺湖(とうやこ)が由来?

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 池田絵美(いけだえみ)

鉛筆アイコン 2020年2月14日

「とうや」というじゃがいもを食べたことがあるだろうか。男爵かメークイン以外にも、実はさまざまな新品種が登場してきているじゃがいも界。とうやは、調理がしやすく滑らかな舌触りからも支持を集めるイチ押しのじゃがいもだ。その魅力と誕生をご紹介しよう。

  

1. とうやの特徴

とうやは丸い形とくぼみ(目)の浅さが特徴的。早生で大粒なものも育ちやすいじゃがいもである。交配・選抜育成により誕生した品種であるため非常に扱いやすい。主な長所としては、目が浅いため皮むきがしやすい・歩留まりがよく大きなものでも空洞ができにくい・煮崩れしにくいという点が挙げられる。

肉色はきれいな黄色をしており、男爵と比べるとデンプン価が低いため粉っぽさがない。加熱してもホクホクとした食感はあまり感じられないが、そのぶん滑らかな舌触りを楽しめるじゃがいもである。じゃがいもはカットしてしばらく放置すると断面が茶色っぽく変色するものが多いが、とうやはそのような褐変や調理後の黒変が少ないため業務用にも向いている。

ビタミンCの含有量は男爵よりは多くキタアカリよりは少ないといったところだ。注意したいのは、ソラニンなどの有毒物質であるグリコアルカロイドがやや多めな点。さらにメークインのように光に当てることで増加しやすいので、家庭菜園などで扱う場合は細心の注意が必要だ。購入後も芽が出ないよう冷暗所での保存を徹底したい。

2. とうやの誕生と由来

とうやは北海道生まれのじゃがいもだ。農業試験場作物開発部・ばれいしょ育種研究室で昭和56年に誕生した。「R392-50」という線虫被害に強い品種と、「WB77025-2」というYウイルスに強い品種を交配し、選抜育成された固定品種である。

農林認定と北海道の奨励品種としての認定を受けたのが平成4年。「ばれいしょ農林31号」としての認定で、平成7年に品種登録される。とうやという名前は、道南地方にある「洞爺湖(とうやこ)」が由来している。これは、道南地方がとうやの主産地として期待されていたためだ。現在も主な産地は道南である。また、JAきたみらいなどで出荷されるものには「黄爵(とうや)」という名称がつけられている。肉色の黄色さと気品のある味わいからこの名が当てられたとのことだ。

3. とうやの美味しい食べ方

とうやの収穫は、8月中旬から11月中旬ごろとなり、翌年の1月下旬ごろまで出荷される。食べたことがないという人は、ぜひこの時期に入手してみてはいかがだろう。スーパーなどで見かけない場合は通販による取り寄せも可能だ。

男爵やキタアカリのような煮崩れの心配はないので、煮込み料理に向く。粉ふきいもなどのじゃがいもらしいホクホクとした食感を楽しむ料理ではなく、滑らかな舌触りを生かせる料理に使おう。千切りにして生で食べる「スライスサラダ」などもおすすめだ。カレーやシチュー、肉じゃがなどのほか、炒め物にも使いやすい。粉っぽさがなくしっとりとしたじゃがいものため、スライスしたものをサッと油で炒めるだけの簡単調理でも、ほどよい歯ごたえと滑らかさを楽しめて美味しい。

とうやは皮のむきやすさや煮崩れのしにくさなど、調理のしやすさが魅力のじゃがいもである。子どもと一緒に料理するときにも扱いやすい品種といえるだろう。皮付きのままゆでる、もしくはカットして電子レンジで加熱して冷ませば、簡単に手でむくことができるうえに皮付近にある栄養分も摂取できる。

結論

とうやは比較的新しい品種のため、まだ出荷量は多いとはいえないが、扱いやすく美味しいじゃがいもなのでぜひ試してもらいたい。じゃがいもは品種によって食感や味にはっきりと違いが出るのが面白い。ほかのじゃがいもと食べ比べてみるのも楽しいのではないだろうか。
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  • 公開日:

    2019年12月 2日

  • 更新日:

    2020年2月14日

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