1. アジア生まれが多いとうもろこし「ベビーコーン」
生で見かけることが非常に珍しいベビーコーン。瓶詰やレストランで遭遇する確率が高いとうもろこしである。アメリカやアジアの諸国で愛されるベビーコーンとは、実際にはどんなとうもろこしなのであろうか。
別名はヤングコーン
ベビーコーンは「ヤングコーン」とも呼ばれる。通常のとうもろこしよりも早めに収穫される特徴があることから、ふさわしい命名であるといえよう。また、ベビーコーンの大輸出国であるタイでは、「キャンドルコーン」と呼ばれている。平均的な大きさは、長さが5cmから10cm、直径が1cm前後とされている。近年では、夏場の美味とされる成熟したとうもろこしよりも早い5月から6月ごろに、生のベビーコーンを購入できることもある。
摘果したベビーコーンは成熟したとうもろこしとは少し異なる食感
ベビーとか小などの形容詞が冠される野菜や果物は、収穫物を美味にするために余分な実をごく若いうちに摘んでしまったものを使用しているものが多い。「小メロン」や「若桃」、そしてベビーコーンもこの範疇に入る。ベビーコーンは、受粉前に摘み取られて市場に出るのである。いずれも成熟した果実とは異なる食味を持っており、ファンを引き付ける魅力があるといえよう。
2. 内実ともにか弱いベビーコーンを生で食べるには?
まさに、とうもろこしのミニチュアバージョンといってもよいベビーコーン。サイズといい、収穫される時期といい、ベビーの名にふさわしいとうもろこしである。ベビーコーンの収穫の特徴をみていこう。
アジア諸国から世界中に輸出されるベビーコーン
ベビーコーンといえば、我々が通常口にするのはレストランのすでに調味済みのものか、水煮となっている瓶詰や缶詰が大半であろう。実際、ベビーコーンはタイ、台湾、インドネシアなどのアジア諸国で生産され、長期保存に耐えるように加工されて輸出されることが多い。ワシントン州立大学教授キャロル・マイルズ氏によれば、とうもろこしの生産国として知られるアメリカにおいても、ベビーコーンを入手することは困難であるという。ベビーコーンの収穫は手作業で行分ければならず、手間と人件費がかかるからだ。ごくまれに、ベビーコーンを大量に収穫するために開発されたとうもろこしを栽培している農園もあるものの、機械を取り入れた大規模農業が多いアメリカでは、生のベビーコーンを作る農家は限られているという。
ベビーの名にふさわしいか弱さがデメリット
瓶詰や缶詰などで販売されているベビーコーンは、年中変わらない味である。しかし、まさに旬の味わいを感じられる採れたてのベビーコーンは、これまた格別である。シャキシャキとした食感があり、香りもよい。ただしベビーコーンは保存がきかないため、収穫した日に食すのがよいとされている。ベビーコーンはそのため、農家が多い地区の道の駅などで販売されていることも多い。採れたてのベビーコーンはみずみずしく、二つに割るとミルクのような液がこぼれる。生でかじることも可能なほどの柔らかさがあるのだが、そのぶん傷むのも早い。日常的に採れたてのベビーコンを食べたければ、手塩にかけて自家栽培するのもおすすめだ。
3. ベビーコーンを美味しく食べるレシピ
中華の麺メニューや炒め物でよく目にするベビーコーンは、最近では和食の分野で天ぷらとしてお目にかかったり、自宅でもカレーの具のひとつにする人もいるであろう。
生でも食せるベビーコーンだが、カリッとした食感が残る程度に軽く火を通すと甘みが増すといわれている。また、旬の野菜を使って中華風に強火で火を通して、ジューシーさと少し焦げ目のついたカリカリ感を楽しむのもオツである。
いずれにしても、和洋中いずれの味ともよいコンビネーションを誇り、ほかの具材との相性もよいことから、彩りとしても料理に用いやすい食材といえるであろう。
生でも食せるベビーコーンだが、カリッとした食感が残る程度に軽く火を通すと甘みが増すといわれている。また、旬の野菜を使って中華風に強火で火を通して、ジューシーさと少し焦げ目のついたカリカリ感を楽しむのもオツである。
いずれにしても、和洋中いずれの味ともよいコンビネーションを誇り、ほかの具材との相性もよいことから、彩りとしても料理に用いやすい食材といえるであろう。
結論
姿とサイズが、ベビーの名にふさわしい可愛らしさのベビーコーン。保存がきかないために、加工された製品が大半を占めてきた。しかし、生のベビーコーンの風味と食感を愛する人は少なくない。生のベビーコーンは、お目にかかれる機会はあまりない。目についたらとりあえず購入し、さまざまな料理に加えてみるのも一興だ。醤油、バター、チーズ、オリーブオイル、いかなる調味料や具材とも相性がよい食材なのである。
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