このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
江戸時代に江戸を席巻した【江戸甘みそ】とは?現在は希少な存在に

江戸時代に江戸を席巻した【江戸甘みそ】とは?現在は希少な存在に

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2019年12月16日

江戸時代より日本の中心となった東京(江戸)にはさまざまな人や物、各地の文化が集まる一方で、江戸ならではの文化も育まれていき江戸の郷土料理も発展していった。江戸の料理を語るうえで重要な役割を持つのが「江戸甘みそ」だ。東京都民でもあまり知らない江戸甘みその特徴を紹介する。

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

1. 江戸甘みその産地と歴史

味噌は日本人の食生活に深く根付いているが、地域によって造られている味噌は異なっており、現在でも地域によって異なる味わいの味噌が食べられている。地域で食べられている味噌を「郷土味噌」と呼ぶのだが、江戸甘みそも郷土みその一つだ。その名の通り江戸、つまり現在の東京でよく食べられていた江戸甘みそだが、現在は生産量・流通量ともに少なく、東京都民でも食べることはなかなかできない。

江戸甘みそは江戸時代生まれ。当時江戸の味噌消費の50%以上を占めていた

江戸甘みそは、江戸が日本一の大都市となった江戸時代に誕生した味噌だ。人や物が集まる江戸にはすでに仙台みそなど人気のあった味噌が運び込まれており、江戸に住む人たちはいろいろな味噌を食べることができた。しかし、それらの味噌よりもさらに人気があったのが江戸甘みそだ。江戸で消費される味噌の半分以上が江戸甘みそで、江戸前料理でも使用されていたことからも人気の高さがうかがえる。

長い間江戸の人たちに愛された江戸甘みそだが、第二次世界大戦の最中は製造が禁止されていた。江戸甘みそには従来の味噌よりも多くの糀が使われており、それにより贅沢品と認定されたからだ。贅沢が禁止されていた戦時中には製造ができなかったこと、さらに東京大空襲によって大きな被害を受けたことから江戸甘みそを造る味噌工場は激減する。現在でも江戸甘みそを造っている工場はあるものの、その数は非常に少なくほかの郷土みそよりもマイナーな存在となってしまったのだ。

2. 江戸甘みその特徴

江戸甘みその最大の特徴は原料の配分にある。江戸甘みそは大豆と米糀を原料に造られる米味噌だ。米味噌は麹の使用量や塩分量、色でさらに細かく分けられるのだが、江戸甘みそは甘口の赤味噌に分類される。味噌の甘口、辛口は米糀の使用量に大きく影響され、米糀の使用量が多いほど味噌は甘くなり、塩分量は少なくなる。同じような味わいの特徴を持つ味噌として関西地域で造られている白味噌が挙げられる。

しかし、江戸甘みそと白味噌は味わいが似ているものの、見ためはまったく異なる。白味噌がその名の通りクリーム色の味噌であるのに対し、江戸甘みそは赤褐色である。その違いは製法に隠されている。白味噌は着色を防ぐために皮をむいた大豆を煮て使うのだが、江戸甘みそは大豆を蒸して使うため赤褐色となるのだ。そのため、甘口味噌の多くが煮た大豆で造られているため白味噌に分類されるのに対し、江戸甘みそだけは甘口の赤味噌に分類される。

江戸甘みそは見た目は東北風、味わいは関西風

ちなみに、江戸甘みそと同じく赤褐色の味噌は東北地方を中心とした北の地域でよく見られるが、それらはすべて辛口の味噌である。長い期間熟成させることで味噌が赤くなっており、長いものだと3年ほど熟成させることもある。しかし、江戸甘みその場合は大豆の処理によって色が赤くなっているため熟成期間は10日ほどと非常に短い。見ためは東北地方の味噌に、味わいは関西地方の味噌に似ている江戸甘みそは日本の中心地だからこそできたユニークな味噌だ。

3. 江戸甘みそのおすすめの食べ方

江戸甘みそはドジョウ汁などの江戸前料理でよく使われていたのだが、現在は江戸前料理自体があまり作られなくなっている。しかし、江戸甘みその楽しみ方は江戸前料理に限らない。味噌汁や味噌漬け焼きなど味噌を使った料理は多くあるのだが、江戸甘みそはどの料理と組み合わせても美味しく食べることができる。江戸甘みそは赤褐色であるため、江戸甘みそを使った料理の色は濃くなるが、甘みが強く塩分量が少ないため定番の味噌料理でも、まったく異なる料理として楽しめるだろう。

さまざまな料理で活躍する江戸甘みそだが、とくにおすすめなのが「さばの味噌煮」だ。脂がのっているさばは美味しいものの、独特の臭みがあるため調理する際は臭み消しが必須となる。江戸甘みそに限らず味噌は臭み消しとして優秀な食材で、さばとの相性もバツグンだ。郷土味噌を使って作られることも多いさばの味噌煮だが、甘みをしっかり感じられるさばの味噌煮を食べたいなら、江戸甘みそを使うとよい。濃い色の煮汁からは連想できない甘みと脂ののったさばの旨みが溶け合い、それだけで贅沢な一品となる。

さばの味噌煮の作り方

江戸甘みそを水と酒でのばし、そこにしょうがの薄切りを加え煮汁を作る。江戸甘みその甘みだけでは足りない場合は砂糖を少し加える。煮汁を沸騰させたら、さばの切り身を入れて煮る。さばに火が通ったら、煮汁ごと器に盛り付けたら完成だ。

結論

江戸で愛された江戸甘みそは、赤褐色の味噌でありながら甘口の米味噌という珍しい特徴を持った味噌だ。米糀を贅沢に使った江戸甘みそは江戸の人に愛されていた味噌だったが、戦時中に贅沢品として禁止されたため製造量が激減した。現在も造られているものの生産量が少なく、なかなかお目にかかれない貴重な味噌だが、江戸の人が愛した味を一度は味わってみたいものだ。
この記事もCheck!

おすすめ記事おすすめ記事

    ページトップへ ページトップへ