1. ビタミンCの働きと推奨摂取量

ビタミンCの化学名は「アスコルビン酸」である。ビタミンCは水溶性の性質を持つビタミンであり、野菜や果物を中心としてさまざまな食品に含まれている。ビタミンCの主な作用は次のとおりだ。
ビタミンCの主な働き
- 酸化防止作用
- コラーゲン生成のサポート
- 鉄の吸収を助ける
- 病気から身体を守るための免疫系のサポート
紫外線や大気汚染などによって身体のなかに「フリーラジカル」という物質が発生するが、ビタミンCの酸化防止作用は、このフリーラジカルによる細胞のダメージを防ぐ働きがある。ビタミンCが美容によいとされるのはこの酸化防止作用に加え、コラーゲンの生成に関わることが理由だ。コラーゲンは肌の弾力性を高めるものとして知られているが、肌にできた傷の修復にも役立つ。ビタミンCは美容のためだけではなく、健康管理にも欠かせない栄養素なのだ。
ビタミンCの推奨摂取量
ビタミンCの1日の摂取推奨量は、成人男性、女性どちらにおいても1日あたり100mgとされている。妊娠期や授乳中は、付加量が必要となる。成人のビタミンCの平均摂取量は1日100mgとなっており、推奨量を満たせている。65~74歳においては、さらに多い124mgとなっている。高齢になるにつれて、ビタミンCを多く摂取できているようだ。
2. ビタミンCを含む食材や果物・飲み物

ビタミンCは主に果物や野菜など、植物性の食品から多く摂取できる。 具体的な食品名を見ていこう。
ビタミンCを含む食材
- 柑橘系の果物(オレンジ、グレープフルーツ、レモン)
- そのほかの果物 (いちご、メロン、キウイフルーツ)
- 野菜 (赤ピーマン、緑ピーマン、ブロッコリー、トマト、ジャガイモ )
ビタミンCが多く含まれている果物などから作ったジュースにも多く含まれている。一度に多く摂取するのが難しい場合は、ジュースにアレンジをするとしっかりと量を確保できるだろう。
ビタミンCを摂取するポイント
ビタミンCは熱に弱い性質を持っており、加熱をすると損失することがある。一方、ジャガイモはでんぷん質を多く含んでいるためにビタミンCが失われにくく、効率よく摂取できるといわれている。また、ビタミンCは水溶性なので水に溶けやすい。水で洗うときは長い時間水に浸けたりせず、さっと水洗いをするのがビタミンCを逃さないポイントだ。
3. ビタミンC不足と感じたら?

ビタミンC不足は、食事量の不足や栄養バランスの偏りなどによって起こりやすい。また、ビタミンCは過労や睡眠不足などストレス過多の人ほど需要が増す。ビタミンCの欠乏症には次のようなものが挙げられる。
ビタミンC欠乏症の症状
- 免疫力の低下による風邪などの感染症にかかりやすい
- 骨の発育不十分
- 壊血病
壊血病は、コラーゲンの生成が十分に行われないことによって現れる疾患だ。細胞間の結合がゆるんで血管や関節が弱くなるため、関節の痛みや歯ぐきからの出血が見られるようになる。壊血病の兆候として、うつ病や歯のぐらつき、歯茎からの出血などが挙げられる。貧血症状もみられる場合があるので、なるべく早急に治療することが大切だ。
ビタミンCの不足を防ぐために
ビタミンCは野菜や果物などの植物性の食品に多く含まれている。主食や主菜に偏らず、副菜を意識してとり入れていこう。食事としてとるのが難しい場合は、フレッシュな果物や野菜をミキサーにかけ、一度に多くのビタミンを摂取できるジュースにして飲むのがおすすめだ。
ビタミンCを過剰摂取した場合
ビタミンCは水溶性のため、とり過ぎたとしても不要な分は尿から排泄される。通常の食生活では過剰症はみられないとされているが、薬やサプリメントでビタミンCをとる場合には注意しておこう。ビタミンCをとりすぎた場合は、腹痛や下痢などの胃腸症状がみられることがある。腎臓に負担をかけることから、腎機能に問題がある場合は結石を引き起こす原因になる。ビタミンCはあくまでも通常の食事から摂取できるように意識し、やむをえず薬やサプリメントを使用する場合は、量や頻度に気をつけよう。
結論
ビタミンCは健康的な肌を保つためには欠かせない栄養素であるが、そのほかにもフリーラジカルから身体を守ったり、風邪を引かないようにしたりと免疫力アップにも役立つ。ビタミンCは水に溶けやすく、加熱に弱いという性質を理解しながら、なるべく調理中の損失を防げるように調理をしてみよう。
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