1. コールラビとは?

コールラビとはヨーロッパ生まれのアブラナ科の植物で、「カブキャベツ」と呼ばれることもあるキャベツの仲間である。見た目は葉っぱのないキャベツで、味も比較的キャベツに似ている。しかし、「カブキャベツ」と呼ばれているように、カブのように丸く大きく成長した茎部分を食べる(※1)。調理方法はカブと同じでよく、サラダ・漬物・炒め物・煮物などに使うのがおすすめだ。
2. コールラビの栄養価と栄養価の特徴

コールラビには特別目立った栄養素はないものの、葉酸やビタミンCなどのビタミン類、カリウムなどのミネラル類は比較的多い。また、茹でてもあまり栄養素が流出しにくいことが特徴である。
コールラビの栄養価
文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」にはコールラビの「生」と「茹で」の栄養価が収められている。このうちコールラビ(生)の100gあたりの栄養価は以下のようになっている(※2)。
- エネルギー:21kcal
- たんぱく質:1.0g
- 炭水化物:5.1g
- ビタミン
・ビタミンK:7μg
・ビタミンB1:0.04mg
・ビタミンB2:0.05mg
・ナイアシン:0.2mg
・ビタミンB6:0.09mg
・葉酸:73μg
・パントテン酸:0.20mg
・ビタミンC:45mg - ミネラル
・ナトリウム:7mg
・カリウム:240mg
・カルシウム:29mg
・マグネシウム:15mg
・リン:29mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.1mg
・銅:0.02mg
・マンガン:0.07mg - 食物繊維:1.9g
(・水溶性食物繊維:0.3g)
(・不溶性食物繊維:1.6g)
茹でても栄養素の流出が少ない!
コールラビには目立った栄養素はないものの、茹でてもあまり栄養価が変わらない。例えば、ビタミンCを比べてみると生は45mg、茹でると37mg、葉酸を比べてみると生は73μg、茹でると71μgとなっている(※2)。そもそもコールラビはアクが強くないため下茹ですること自体少ないが、煮物や汁物にしてもあまり栄養価が変わらないのは嬉しいポイントである。
3. 美味しいコールラビの見分け方

日本ではほとんど大規模生産されていないためスーパーで見かけることは少ないが、一部の直売所などで売られていることはある。美味しくて鮮度のよいコールラビを見分けるには「大きさ」「表面」「重さ」などに注目するのがポイント。以下を参考にコールラビを選ぶようにしよう。
- 大きさ:直径5~7cm程度のものがよい。大きすぎると硬くて食べにくい
- 表面:茎部分にみずみずしさとハリ感があるものがよい
- 葉:しっかりと先っぽまで伸びているのもがよい
- 重さ:ずっしりとした重みがあるのがよい。軽いと「す」が入っている
家庭菜園で栽培する際の収穫の目安にも!
コールラビの流通量は少ないが、家庭菜園で育てている人は多い。その際も上記のような目安を参考に収穫するとよいだろう。特に「大きさ」は重要になる。7~8cmが過ぎて収穫期を逃すと「木質化」がすすみ、茎が硬くなってしまう。家庭菜園をする際には大きさに注意したほうがよいだろう。
4. 鮮度を保てるコールラビの保存方法

ほかの野菜類と同じように、コールラビを冷蔵保存する際にも「乾燥」には注意したほうがよい。コールラビの乾燥をふせぐための主なポイントには、以下のような二つがある。
- 事前に葉の部分は切り落としておく(葉っぱは調理可能)
- 湿らせた新聞紙でそれぞれを包み、ポリ袋に入れて保存する
保存時の注意点としては、まず葉付きのものは葉部分から栄養や水分が抜けやすい。また、切り落とした葉部分も炒め物などにすれば美味しく食べることができる。捨てるのはもったいないので、茎部分とは別に保存しておくとよいだろう。
結論
コールラビは日本での流通量が少ないため、食べたいなら産地の直売所などに行くか、家庭菜園で育てるかなどが必要になる。そんな入手の難易度は高めのコールラビだが、カブと同じように食べることができる。もし入手できたらサラダ・炒め物・煮込み・漬物など、好みの料理にして食べよう。
【参考文献】
- ※1:農研機構「農業技術辞典」
http://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/#koumoku=11757 - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/