1. 亜鉛の働きと推奨摂取量
亜鉛はアンティークなアクセサリーなどに使われる真鍮(しんちゅう)に含まれている金属元素であり、日本でも古くから使われてきた。亜鉛は自然界にある食品のすべての細胞に含まれる成分なので、動物性食品と植物性食品問わず多くの食品に含まれている。 亜鉛は体内の歯や骨、腎臓、肝臓などに約2,000mg存在している。体内での主な働きは以下のようなものが挙げられる。
亜鉛の主な働き
- DNAの合成および細胞分裂
- 傷を治す
- たんぱく質の合成
- 免疫反応のサポート
- 酵素反応の活性化
- 胎児や子どもの成長をサポート
- 味覚や嗅覚の維持
- ホルモンの分泌と合成の調整
亜鉛の吸収
亜鉛はアミノ酸やリン酸などと結合して複合体となり、小腸から吸収されてアルブミンと結合して肝臓に運ばれる。小腸での吸収率は約30%とされているが、鉄や銅などほかのミネラル成分と拮抗することから吸収率は変動する。
亜鉛の推奨摂取量
亜鉛の1日の摂取推奨量は成人男性は10mg、女性は8mgとなっている。日本人の亜鉛の平均摂取量は1日8.1mg。男性ではやや不足しがちであるということがうかがえる。
2. 亜鉛を含む食べ物や飲み物
亜鉛は自然界に広く存在している栄養素であり、幅広い食品に含まれているので、比較的摂取しやすい。いろいろな食品をこまめに摂取できていれば不足することは少ない。ただし、外食や加工品ばかりに偏ると不足するおそれもあるので気をつけたい。亜鉛が多く含まれる食品は以下のとおりだ。
植物性食品
ピュアココア、抹茶、ごま、高野豆腐、アーモンド、海苔、小麦粉、そば粉、切干大根など
動物性食品
牡蠣、粉チーズ、豚レバー、牛肩ロース、するめ、ラム肉、卵黄など
亜鉛が多く含まれる植物性食品は、海苔やごまなど1回の使用量が少ないものもある。こまめに料理にとり入れていくことがポイントだ。
3. 亜鉛不足と感じたら?
亜鉛が欠乏する原因は摂取不足だけではない。亜鉛の必要量が増すことや、排泄が促進されることも一因となる。亜鉛の吸収を妨げる薬の使用によっても、亜鉛の欠乏が起こる場合がある。飲み合わせには注意が必要だ。 亜鉛が不足すると現れる症状には次のようなものがある。
亜鉛の欠乏によって引きおこる症状
- 味覚障害
- 皮膚炎
- 食欲不振
- 免疫低下
- 慢性下痢
- 貧血
- 精神障害
亜鉛の不足を防ぐために
普段の食事のなかで亜鉛が不足していると感じたら、すぐにサプリメントや栄養剤に頼るのではなく、まずは食事を見直すことから始めるとよいだろう。ゴマやナッツ類、海苔はトッピングなどにも使用しやすくおすすめだ。
亜鉛の過剰摂取
よほど食生活が偏っていない限り亜鉛の不足や過剰症は起こりにくいが、一度に多く食べやすい牡蠣や牛肉などを食べるときや、亜鉛のサプリメントを利用する場合には過剰摂取による症状が引きおこる可能性もある。
亜鉛を継続的に過剰摂取した場合には、銅や鉄の吸収が阻害されて貧血や免疫障害、神経症状などが現れる可能性がある。亜鉛は毒性が低いとされてはいるが、急性的な亜鉛の過剰症では胃障害やめまい、吐き気などが起こる場合もある。
亜鉛を継続的に過剰摂取した場合には、銅や鉄の吸収が阻害されて貧血や免疫障害、神経症状などが現れる可能性がある。亜鉛は毒性が低いとされてはいるが、急性的な亜鉛の過剰症では胃障害やめまい、吐き気などが起こる場合もある。
結論
健康に生きていくために必要な亜鉛はごくわずかな量であるが、亜鉛の働きは多岐にわたり、身体にとって重要な栄養素である。過剰摂取による弊害もあるため、大量摂取すればよいというわけではなく、他の栄養素とのバランスを保つことが大切だ。そのため、亜鉛を多く含むごまや海苔などの食材を食生活にとりいれ、バランスのよい食生活を心がけていこう。
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