1. アボカドとは

アボカドは、分類的には野菜ではなく果物にあたる。ギネスブックで生食の果実No.1の栄養価と認定されたアボカドを詳しく説明しよう。
ワニナシ属の果実
アボカドは、クスノキ科ワニナシ属に分類される果実だ。熱帯から亜熱帯で育つ常緑高木に実る。ワニナシ属という名は、英名であるalligator pearの直訳。日本でもかつてはアボカドをワニナシと呼んでいたそうだ。寒さには弱く、温かい地域でしか育たない。
ほとんどが輸入品
日本ではスーパーや八百屋などどこでも手に入るアボカドだが、気軽に購入できるものはすべて輸入品。9割近くがメキシコ産で、チリやペルー、アメリカ、ニュージーランドのものもある和歌山県や愛媛県、沖縄県などで栽培された国産のアボカドもあるが、希少なため大規模に栽培出荷されておらず、店頭に並ぶことはほぼない。
2. アボカドの旬の時期はいつ?

アボカドは1年中メキシコなどから輸入されている。また品質も通年安定しているため、とくに旬はないと考えられるのが一般的だ。しかし、比較的多く出回る時期があり、そのころのアボカドは味もよいといわれるためおさえておきたい。また、国産のアボカドの旬は輸入品とは異なる。
輸入アボカドは3~6月に美味しいものが多く出回る
通年で手に入るメキシコ産のアボカドがより多く出回るのは3~4月頃だ。その後、6月頃までのものはとくに油分が多く味もよいといわれる。輸入量が多いこともあり価格も安めだ。8~10月頃になると油分が少なめでサイズも小ぶりになってくる。そのため、輸入アボカドに旬があると考えるのであれば、春から初夏にかけてといえるだろう。
国産のアボカドは10月下旬~1月頃が旬
日本で栽培されるアボカドは、夏にかけて実がなり秋頃から収穫される。国産のアボカドに関しては、収穫される時期である10月下旬~1月頃までが旬といえるだろう。
3. アボカドの種類

アボカドに種類があるということはあまり知られていないかもしれない。世界のアボカドは1000種以上といわれているが、代表的なものをいくつか紹介しよう。
ハス
輸入され一般的に出回っているアボカドは、ほとんどがこのハスという品種だ。卵形で果皮はザラザラとしており、果肉は薄緑色。熟すと果皮の色が緑色から黒っぽく変わる。
フエルテ
西洋梨に似た形で、香りがよい。果皮はなめらかで薄緑色。
ベーコン
ハス種よりも大きめ。果皮は濃い緑色で熟してもあまり変化しない。果肉は熟すとクリーム色となる。
グエン
ハスに似た形と色だが、やや大きめ。果皮は熟すと暗い緑色に変わる。
ピンカートン
緑色の果皮が厚くてゴツゴツしており、種が小さいのが特徴。
メキシコーラ
100gほどと小ぶりなアボカド。耐寒性が強く、果皮が非常に薄い。
4. アボカドの旬の美味しい食べ方

アボカドはしっかりと熟した状態で食べたい。指で軽く押してみて弾力がないものは追熟が必要だ。20℃前後の部屋で保存すれば自然に追熟する。夏場などは、しばらく常温に置き熟したものを冷蔵庫の野菜室で保管しよう。
旬のアボカドはさまざまな食べ方を楽しめる
旬の新鮮なアボカドは、そのまま食べたり料理に加えたり加工したりと、さまざまな食べ方で楽しむことができる。
ワサビ醤油で
脂質も多く味もよい旬のアボカドは、スライスしてワサビ醤油で食べると絶品。刺身のような味わいになる。
マグロやサーモンと合わせて
こちらもワサビ醤油と合わせよう。ごはんにのせて食べても美味しい。
サラダに加える
トマトやレタス、キュウリなどのシンプルなサラダにアボカドをプラスするだけで、ボリューミーな一品に。
アボカドスムージー
アボカドとヨーグルトやレモン、はちみつなどを合わせてミキサーにかけると美味しいアボカドスムージーが簡単にできる。
結論
アボカドはほとんど輸入物のため、はっきりとした旬はない。しかし、3~6月頃により質のよいものが多く入ってくることは知っておくとよいだろう。この時期なら追熟が必要ない食べごろのアボカドも入手しやすいはずだ。
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