1. さつまいもとは

さつまいもは、ヒルガオ科サツマイモ属に分類される植物で、「甘藷(かんしょ)」とも呼ばれる。いもの中でも甘みが強く、スイーツに加工されることも多い。
薩摩藩が名前の由来
さつまいもの原産地は中米だが、現在は約9割がアジア産である。もともとは中国を経由して琉球・九州へと伝わったため、「唐芋(からいも)」と呼ばれていた。1700年代に入ると薩摩藩が栽培を始めるようになり、1732年に西日本を襲った享保の大飢饉を機に江戸にも広まった。関東地方では薩摩藩により伝わったいもということから、さつまいも(薩摩芋)と呼ばれるようになったのである。
食物繊維が豊富
さつまいもに含まれる栄養素といえば食物繊維。ほかにも、ビタミンCやパントテン酸なども含まれている。さつまいもは皮の部分に栄養が多く、カルシウムやアントシアニン(紫の色素)を摂れるためきれいに洗って皮ごと食べるのがおすすめだ。
2. さつまいもの旬の時期はいつ?

さつまいもは、秋の味覚としてもよく知られている。貯蔵技術の進歩により年中流通するようになったが、詳しい旬の時期はいつなのか見ていこう。
収穫は8~11月頃まで
旬はさつまいもの品種によっても多少ずれがあるが、早いものではだいたい8月頃から収穫が始まり11月頃まで続く。主な産地は千葉県、茨城県、徳島県、鹿児島県、宮崎県などだ。
食べごろの旬は10~1月頃まで
さつまいもは採れたてよりも貯蔵したもののほうが美味しいといわれる。貯蔵することにより余分な水分が抜け甘みが増すからだ。そのため、収穫してから2~3ヶ月ほど冷暗所で貯蔵し出荷される10~1月頃のさつまいもがとくに美味しいのである。つまりさつまいもの食べごろの旬は晩秋ということになる。
3. さつまいもの品種

さつまいもには、いわゆる「ホクホク系」と「しっとり系」の2種類の食感がある。また、一般的なさつまいもとは違った色合いの変わった品種も存在する。代表的な品種には次のようなものがある。
- ホクホク系の品種...紅あずま、高系14号、なると金時
- しっとり系の品種...安納芋、紅はるか
- 珍しい品種...ナカムラサキ・アヤムラサキ(紫芋)、アヤコマチ(オレンジ芋)、コガネセンガン(皮が白い)
4. さつまいもの旬の美味しい食べ方

旬のさつまいもは栄養も甘みもたっぷり含まれている。それらを余すことなく食べるためには、じっくり加熱する調理法が適している。最もおすすめなのはやはり焼き芋だ。自宅で焼き芋なんてできるの?と思う人もいるかもしれないが、オーブンもしくはオーブンレンジがあれば簡単に作ることができる。
細めのさつまいもで簡単焼きいも
さつまいもをまるごと加熱する焼き芋は、イモが太ければ時間もかかってしまう。そこで、自宅で作る場合は細めのさつまいもを選ぶとよい。フォークで数ヶ所穴を開けたさつまいもを天板に並べ、余熱なしで加熱するだけ。直径5cmほどのさつまいもなら200℃で45分焼けば甘みがしっかり引き出された美味しい焼き芋になる。
皮ごと食べよう
ほかにも水から一緒に炊くさつまいもごはんなど、じっくり加熱しながら作る料理であれば旬のさつまいもの美味しさを楽しむことができる。焼き芋以外の調理法でも、ぜひ皮ごと食べて栄養もしっかり摂ろう。
結論
さつまいもは貯蔵することでより美味しくなる。旬である晩秋に出回るさつまいもがおすすめだ。冷蔵庫に入れると低温障害を起こし傷んでしまうし、18℃を超えると発芽してしまう。また、乾燥にも弱い。そのため、新聞紙に包んださつまいもを10~15℃の風通しのよい冷暗所で保存するのが正解だ。
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