1. 押し麦のカロリー

押し麦は、大麦を蒸し、柔らかくしてから押しつぶして平たくして乾燥させたものだ。その名の通り、実際に押して作られている。そのままでは吸水性の悪い大麦を押し麦にすることで、白米と一緒に炊けるようにしたのである。では、押し麦のカロリーがどのくらいなのか見ていこう。
押し麦とほかの穀類のカロリー(すべて可食部100g)
- 押し麦...340kcal
- 白米...356kcal
- 小麦...337kcal
カロリーだけを見ると押し麦は小麦と同じ。白米よりはやや低めだが、大した差がないことから特別低カロリーとはいえないのだ。
2. 押し麦の栄養

押し麦のカロリーは白米などほかの穀類とほぼ同じだが、栄養面に関しては白米よりも優れているといわれている。押し麦の栄養について詳しく紹介しよう。
押し麦の3大栄養素
たんぱく質...6.2g
脂質...1.3g
炭水化物...77.8g
穀物のため数値だけでも一目瞭然、炭水化物が圧倒的に多い。
脂質...1.3g
炭水化物...77.8g
穀物のため数値だけでも一目瞭然、炭水化物が圧倒的に多い。
押し麦は食物繊維が豊富
ほかの栄養素に関しては、ビタミンB群や銅、モリブデンなどが豊富な点は白米と同様だ。しかし、食物繊維の含有量に関しては押し麦が圧倒的に多い。押し麦の可食部100gあたりに含まれている炭水化物77.8gのうち、食物繊維は9.6gもある。精白米には可食部100gあたり食物繊維が0.5gしか含まれていないことを考えると、およそ20倍も多いのだ。
3. 押し麦の糖質

穀物を食べる際に気になるのが糖質だ。糖質制限中の人にとって炭水化物の摂取は注意が必要だろう。押し麦100gあたりの糖質は68.2gである。白米は77.6gのため、こちらも大して変わらず糖質は高めの食品と思われる。ところが、押し麦は白米よりも糖質が摂取されにくい穀類なのだ。
炊いたごはんで比較すると糖質量は少ない
炊飯前の重量で比較すると、押し麦と白米の糖質量は10gほどしか差がないが、炊くと大きく差が開く。炊いた白米100gあたりの糖質量が37gであるのに対し、押し麦は17.5g。およそ半分となっている。なぜかというと、押し麦を炊飯する場合、白米よりも水分を多く必要とするからだ。そのため、炊いた押し麦は水分量が多く、そのぶん100gあたりの糖質量が少なくなるのだ。
大麦βグルカン
押し麦に含まれる栄養成分である大麦βグルカンには、水を吸収しゲル状に固まる性質がある。この性質により胃の中の食物が包まれながら消化管を移動していく。その結果糖質の吸収が妨げられるのである。
4. 押し麦のカロリーオフする食べ方

押し麦には豊富な食物繊維や白米にはない栄養成分が含まれているため、糖質が気になる人にもおすすめできる穀物といえるだろう。ただし、カロリーが特別低いというわけではないため、食べ過ぎには気を付けたい。また押し麦に豊富な食物繊維は、一度に摂り過ぎると消化不良を起こすこともあるため、少しずつ食べるようにしよう。
手軽に麦ごはん
カロリーは白米と変わらなくても、押し麦を加えることで糖質が吸収されにくくなる。そこで、普段のごはんに押し麦を好みの量混ぜて炊く習慣をつけよう。それだけでもカロリーオフする食べ方になる。ベースは白米のため、子どもでも美味しく食べられるだろう。
サラダやスープに
さらにカロリーオフする食べ方でおすすめなのが、サラダやスープに押し麦を加えてボリュームを出すこと。野菜と一緒に押し麦を食べられる料理なら糖質の高い白飯やパンなどの主が少なめでも満足感を得られるはずだ。
結論
押し麦のカロリーは白米とあまり変わらないが、炊飯に水分をより必要とするため、炊きあがった押し麦のカロリーも糖質も少なくなる。また食物繊維が豊富なため、糖質やカロリーが吸収しにくくなるのも嬉しいポイントだ。いつものごはんを麦ごはんに変えるだけで美味しく食物繊維をたっぷり摂れるため、ぜひ試してみてほしい。
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