1. 冷やし茶漬けとは

お茶漬けが熱いお茶や出汁をごはんにかけて食べるものであるのに対し、冷やし茶漬けは冷たいお茶や出汁をかける。簡単に作れて栄養も摂れることから、夏場によく食べられている。
冷やし茶漬けはお茶漬けよりも古い?
冷やし茶漬けはお茶漬けをアレンジしたものと思われがちだが、お茶漬けよりも前から存在していたといわれる。平安時代に作られた「源氏物語」に、水をかけたごはんである「水飯」が登場しており、これが冷やし茶漬けの起源という説もある。戦国時代の武士たちにとっては、冷やし茶漬けがファストフードだったとか。このころに湯漬けが登場し、お茶が庶民に普及する江戸時代になってお茶漬けが広まったという。
麦茶をかけることも!?
お茶漬けと同様に、冷やし茶漬けに使うお茶の種類や食材は決まっていない。好みの具をのせ、それに合う緑茶や出汁をかける。温度以外で熱いお茶漬けと違う点といえば麦茶をかけることも多いということだ。夏場の水分補給に欠かせない麦茶は、意外にも冷ごはんとの相性がよい。麦茶を使う場合は下味のついた具と合わせるのがポイントだ。
2. 冷やし茶漬けのカロリーや栄養

冷やし茶漬けはごはんとお茶や出汁をベースにしたあっさりとした食べ物である。そのためカロリーや栄養はあまりないように感じる人も多いのではないだろうか。カロリーや栄養に関しては、具によって決まってくる。
一般的な冷やし茶漬けのカロリーは180~280kcal
冷やし茶漬けのカロリーは、ごはんの量やトッピングによっても変わってくる。ごはん100gで作る場合、カロリーは180~300kcalほど。お茶や出汁にはカロリーがほとんどないので、カロリーを左右するのは具材である。たとえば梅やみょうがなどを使えば低カロリーだが、肉や魚を使えばカロリーはあがる。さらに脂質の多い具材を使えば一気にカロリーは跳ねあがるのだ。中にはトンカツ茶漬けなるものもあるが、茶漬けでありながら高カロリーなのはいうまでもない。
栄養素も具によって異なる
ごはんに含まれる栄養成分のほとんどは炭水化物である。そのため、具のほとんどない冷やし茶漬けに含まれる栄養素は炭水化物に偏ることになる。そのほかの栄養素は具によって補給されることになる。大豆製品や肉・魚を使えばたんぱく質が、野菜を使えばビタミン類などが加わる。
3. 冷やし茶漬けのおすすめの食べ方

具やお茶・出汁の種類によってまったく異なる味わいになるのが楽しい冷やし茶漬け。美味しく食べるには、次のポイントをおさえておきたい。
冷やごはんを使う
冷やし茶漬けは、全体的によく冷えているということが重要である。そのため、ごはんは炊きたてではなく冷やごはんを使うのがポイント。せっかく冷たいお茶や出汁を使っても、ごはんが熱々だったらぬるい茶漬けになってしまう。ごはんのぬめりを取ってから冷やしておくか、お茶や出汁とともに砕いた氷をかけるとよい。
栄養バランスを考えて具を選ぶ
副菜などを組み合わせず冷やし茶漬けのみで食事を終わらせる場合は、栄養バランスを意識した食べ方が重要だ。たんぱく質やビタミン類が不足しないよう、肉・魚・大豆製品のいずれかと野菜をトッピングするのがおすすめ。ツナとキュウリ、オクラと納豆など相性のよい食材を組み合わせよう。
食後に温かい飲み物を
冷たいのがさっぱりとして美味しい冷やし茶漬けだが、胃腸が冷えるのはあまりよいことではない。美味しくいただいたら、食後には温かいお茶などを飲んでお腹を温めるといいだろう。
結論
具材のバリエーションがいくらでも考えられる冷やし茶漬けは、具材によっては低カロリーなものになったり、高カロリーになったりする。全体のカロリーに気を付けながら具材選びを考えたい。暑い夏にそうめんばかりで飽きてしまったら、ぜひ冷やし茶漬けを試してみてほしい。