1. ピザ生地の発酵とは?

日ごろ何気なく口にしているピザの生地で美味しいと感じるものは、生地の食感がふっくらとしていることが多い。このふっくらを実現するのに必要なのが「発酵」だ。ピザ生地を発酵させるイメージのない人も多いかもしれないが、発酵が生地のできあがりを左右する。実は人間は4,000年も前から発酵させたパンを口にしているといわれており、昔から美味しさを追求していることもわかっている。
そもそも発酵とは?
発酵とは、練り込んだピザ生地の中にいる「イースト」などの微生物が増殖すること。微生物が炭酸ガスを発生させることで、生地の中に細かな泡をたくさん作る。この発酵のおかげで、生地がふっくらと膨らんでくるのだ。ただ、難しいのは「過発酵」してしまうと、生地がしぼむこと。過剰に発生した炭酸ガスが破れてしまうのである。
発酵には酵母が必要
発酵させるには酵母を使う。酵母が生地の美味しさを左右するから、重要なポイントだ。手軽に手に入る「ドライイースト」を利用する人も多いが、美味しさにこだわりたいなら「天然酵母」がおすすめ。とくにヨーロッパの家庭でも使われている「ビール酵母」は、日本のスーパーでも手に入り、インスタント感を感じさせないのが嬉しい。なお、ドライイーストでは、インスタント独特の香りはするものの、ピザ生地はしっかり作れる。好みの酵母で試してみよう。
2. ピザ生地を発酵して美味しくする時間

ピザ生地を発酵させるのに、おすすめなのが「二次発酵」をさせること。最初の発酵が終わったら生地をこねて気泡をつぶし、もう一度発酵させるのである。日本ではピザ生地を二次発酵させることはそこまでメジャーではないが、本場イタリアでは当たり前となっている。二次発酵の方法は主に2パターンある。
オーブンで二次発酵
本格的に焼きあげる前に、15~20分ほどオーブンで二次発酵をさせることが多い。時間がない場合にも使われる方法で、生地がよりふっくらする。
オーバーナイト法
ピザ生地にこだわる人やレストランなどでは、オーバーナイト法が使われることが多い。名前の通り夜通し生地を寝かせるのがポイントだ。冷蔵庫の低温で時間をかけて発酵させたピザ生地は、していない生地よりもふっくらと仕上がる。一次発酵をさせて寝かせる余裕があるなら、24~48時間ほど挑戦してみるのもよいだろう。
二次発酵の注意点
二次発酵のさせ過ぎは、生地のふっくら感を奪ってしまうのでよくない。たまに生地の様子を見るのがおすすめだ。生地の表面に水分が出て、テカりがでてきたらOKである。48時間そのまま放置しておけるので、実際に食べたい日に合わせて置いておこう。
3. ピザ生地を発酵なしでも作れる?

実は、ピザ生地は発酵しなくても作れる。発酵をさせるためには酵母を利用するのが普通だが、その代わりに「ベーキングパウダー」を使うことで、発酵させないでピザ生地を作ることができるのだ。ベーキングパウダーとは、重曹とコーンスターチを混ぜたものである。ベーキングパウダーにぬるめのお湯を加えると、酵母のように炭酸ガスが発生する。生地に細かな穴ができ、ふっくらと仕上がる。つまり、天然酵母をベーキングパウダーで代用できるのである。
ピザ生地にベーキングパウダーを使うポイント
最大24~48時間必要な発酵だが、ベーキングパウダーだと短時間で済む。しかし、ベーキングパウダーでピザ生地を作る場合は、時間の加減が難しく、ふっくらと仕上がらない可能性も高くなる。ベーキングパウダーを使う場合は、とにかくしっかりこねてのばすということを意識したい。
結論
ピザ生地を作る際には、発酵をさせるとより美味しくなる。発酵をさせるには酵母が必要だが、ドライイーストでも代用可能。また、発酵に時間がかかるのが本意でない人は、ベーキングパウダーを利用して発酵いらずのピザ生地を作ってみよう。
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