1. ポップオーバーってどんな食べ物?

ポップオーバーとはパンの一種で、pop overの名の通り、ふっくら膨らんで弾けたようなフォルムが特徴的だ。中が空洞になっている構造のため、食感は驚くほど軽い。味わいはバターの風味が効いており、甘くはない。デニッシュの一種に数えられることもあるが、いわゆるデニッシュよりもサクサク感は低く、内側のもちっとした食感とのコントラストがクセになる。トレンドフードとして注目されはじめたのは今から5年ほど前で、以来じわじわ人気を集めているのだ。
ポップオーバーの材料
ポップオーバーは薄力粉と強力粉、塩、卵、バター、牛乳で作られるパンである。実は、こうした材料や作り方が、ほぼ同様の食べ物も存在する。ダッチベイビーやヨークシャープディングなどがそれに当たるが、これらとの違いは形状にある。ポップオーバーは細身の土台の上に、風船のように膨らんだトップが乗った形状。イラストでよく見る、アイスクリームのようでもある。対して、中央が凹んだ形状をしているのが、ダッチベイビーやヨークシャープディングである。ちなみに、イギリス発祥のヨークシャープディングがルーツとなり、ポップオーバーが生まれたと言われている。
食べ方は色々
ポップオーバーには幅広い食べ方があることも、人気の秘密だ。バターの風味がきいているので、合わせる素材によって食事にもスイーツにもなるところが大きな特徴。実際に、飲食店でもさまざまなメニューとして提供されている。
2. ポップオーバーの食べ方

ハワイ流の食べ方
日本でポップオーバーがトレンドフードとして話題を集めたのは、ハワイでの人気が大きく関係している。ポップオーバーに限らず、近年ではパンケーキやエッグベネディクトなど、ハワイ発のメニューが日本で話題になることが非常に多い。ハワイでは10年以上前から、ポップオーバーを提供する店が存在している。レストランでパンの代わりに出されるのが基本で、バターが添えられていることも多い。
食事系の食べ方
料理との相性がバツグンによいポップオーバーは、ハワイやニューヨークでは、ステーキレストランなどでお通しとして提供されることも多い。ハムやオムレツなどを合わせてもよし、サンドウィッチのように具材を挟んでもよし。グリルした肉や魚と合わせるのは言わずもがな。バゲッドのようなハード系のパンよりも食べやすいので、子どもにも◎。
スイーツ系の食べ方
ポップオーバーはスイーツとしても人気が高い。パンケーキのような感覚で、ホイップやフルーツをトッピングする、チョコレートソースやアイスクリームに合わせるなど、バリエーションはアイデア次第。パンケーキやケーキよりも軽い食感なので、甘いものが苦手な人にも好まれることが多い。
3. ポップオーバーの作り方

粉のチョイスに注目
ポップオーバーはあくまでもパンなので、薄力粉だけでなく強力粉を混ぜると、ぐっと本場風の味わいになる。薄力粉と強力粉を混ぜる代わりに、中力粉を使用してもよいだろう。牛乳にバターを溶かして卵と混ぜ、それを粉類に混ぜれば、生地は完成だ。生地をまとめてから少し冷蔵庫で休ませると、焼いたときに膨らみやすくなる。
高温と型が重要
ポップオーバー独特の弾けたようなフォルムに仕上げるには、型選びが重要だ。手に入りやすいマフィン型が便利だろう。型の7分目くらいを目安に、生地を流し込んでいく。生地を膨らませるには高温である必要があるので、必ず250℃くらいに余熱をしたオーブンに入れること。初めの15分ほどは高温で焼き、あとは温度を落とすと、焦げずに焼き上がる。
結論
バターの風味が基本となっていて、食事にスイーツにと万能なポップオーバー。軽い食感なので、大人はもちろん子どもにも食べやすい。ただ、時間が経つとしぼんでしまい、見た目があまりよくないことが影響してか、パン屋などでは販売されていないのが残念である。しかし実は、普通のパンより簡単に作ることができるので、ぜひ自家製ポップオーバーを楽しんでみてほしい。