目次
1. ドラゴンフルーツとは?

まずは、ドラゴンフルーツがどんな果物なのかを簡単におさらいしておこう。
サボテン科の果物で「ピタヤ」とも呼ばれる
ドラゴンフルーツとは、サボテン科ヒロセレウス属の果物である。柱サボテンの果実で、英語で「ピタヤ」とも呼ばれている。
名前の由来
強烈なインパクトを誇るその名前は、まさに「竜のうろこのような形をした果皮」が由来となっている。
主な産地
原産地は中央アメリカや南アメリカだが、メキシコなどの中南米のほか台湾やベトナム、イスラエルやマレーシアなど各国で栽培されており、日本にも輸入されている。国内では沖縄県で露地栽培が行われているほか、鹿児島県や宮崎県、千葉県などでも栽培されている。
旬の時期
国内産のドラゴンフルーツが多く流通するのは6〜11月頃だ。この時期に直売所や通販などで産地直送ものをいただくと、完熟した糖度の高いドラゴンフルーツをいただける。一方輸入ものでいえば1~5月頃、および8~10月頃によく出回る。
食感と味わい
ドラゴンフルーツを半分に切ると、ゴマのようなつぶつぶが入った果肉が現れる。これは種子で、食感はシャキッとしている。また完熟した国産のドラゴンフルーツは上述のように糖度が高く、中には20度ほどのものもある。一方、スーパーでよく見かける輸入ものは完熟前に収穫されているため、旬の国産ものと比べると甘みが少なく、あっさりした味わいであることが多い。
ドラゴンフルーツの種類
- ホワイトドラゴン
- レッドドラゴン
- ピンクドラゴン
- イエロードラゴン
- ゴールデンドラゴン など
ドラゴンフルーツは果皮や果肉の色によってこのように分類されている。味わいもやや異なり、たとえばホワイトドラゴンはあっさりしていて酸味が少ない。レッドドラゴンは果肉が赤紫色をしており、抗酸化物質が多く含まれているといわれている。またピンクドラゴンはもっとも甘みが強い品種とされており、イエロードラゴンはホワイトよりも甘く酸味が少ないとされている。そのほかゴールデンドラゴンは小ぶりの品種で、果皮は黄色く果肉は白い。イエローとホワイトの中間のような味わいだ。
2. ドラゴンフルーツの栄養と効能

続いては、ドラゴンフルーツに含まれる主な栄養素とその効能を解説する。含有量はいずれも文部科学省「食品成分データベース」(※1)によるものだ。
ドラゴンフルーツ100gあたりの主な栄養一覧
- エネルギー:50kcal
- 水分:85.7g
- たんぱく質:1.4g
- 炭水化物:11.8g
- カリウム:350mg
- カルシウム:6mg
- マグネシウム:41mg
- リン:29mg
- 鉄:0.3mg
- 亜鉛:0.3mg
- 銅:0.03mg
- マンガン:0.09mg
- ビタミンB1:0.08mg
- ビタミンB2:0.06mg
- ナイアシン:0.4mg
- ビタミンB6:0.05mg
- 葉酸:44μg
- パントテン酸:0.53mg
- ビタミンC:7mg
- 水溶性食物繊維:0.3g
- 不溶性食物繊維:1.6g
ドラゴンフルーツの栄養成分で目立ったものといえばカリウムをはじめとするミネラル類や食物繊維、葉酸をはじめとするビタミン類だ。それぞれ、どういった効能があるのか解説しよう。
カリウム
ナトリウムを排出する作用や、細胞内液の浸透圧を一定に保つ作用を持つ。とくに、塩分の摂り過ぎを調節するうえで重要な栄養素である。不足すると脱力感や食欲不振、不整脈などを招くことがあるといわれている(※2)。ドラゴンフルーツ100gあたりには350mgのカリウムが含まれている。
マグネシウム
カリウムと同じミネラルの一種で、カルシウムやリンとともに骨や歯の形成に欠かせない栄養素だ。筋肉の収縮や体温調整、そのほか体内で起こるさまざまな代謝を支える働きもある(※3)。ドラゴンフルーツ100gあたりには、41mgのマグネシウムが含まれている。
葉酸などビタミン類
葉酸はビタミンB群の一種で、DNAの合成に関与しているほか、胎児の「神経管閉鎖障害」の発症リスクを低減するなど重要な役割を持つ栄養素として注目されている(※4)。含有量が突出して多いというわけではないが、そのほかのビタミンB群やCなどもバランスよく含まれている。ビタミンは全般的に体内でほとんど作ることができないため、食物から上手に摂取しよう(※5)。
食物繊維
食物繊維は、便秘の改善や整腸作用、食後の血糖値の急上昇を抑えるなどさまざまな働きがあることから「第6の栄養素」と呼ばれることもある(※6・※7)。バナナ100gあたり1.1g(※8)であるのに対し、ドラゴンフルーツには1.9gの食物繊維が含まれている。
3. 美味しいドラゴンフルーツの選び方

ドラゴンフルーツの旬の時期はお伝えした通りだが、より新鮮なものや美味しいものを選ぶポイントも知っておくと役立つだろう。
ドラゴンフルーツ選びのポイント
見た目だけで選ぶにはややハードルが高いため「果皮にハリがある」「突起の幅が広くて短い」「ずっしり重みがある」「できるだけ大きい」といったポイントを基準に選んでいこう。果皮や突起がしなびているものは避けたほうがよいだろう。
ドラゴンフルーツは「追熟」しない
ドラゴンフルーツは収穫後に熟す、追熟タイプの果物ではない。輸入ものなどに「あっさりした味わいのドラゴンフルーツ」が多いのは、完熟前に収穫したためだ。甘さを求めるのであれば、完熟した国産ものを選ぼう。
保存方法も知っておこう
追熟しないため長期保存などはおすすめしない。購入後はすぐにいただくか、食べきれないときはビニール袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、1週間を目安にできる限り早めに食べきろう。
4. ドラゴンフルーツの切り方と食べ方

無事にドラゴンフルーツを入手できたら、新鮮なうちにその味わいを堪能しよう。切り方や基本的な食べ方を紹介する。
切り方
包丁で、ドラゴンフルーツを縦半分にカットしよう。みずみずしい果肉が姿を見せるはずだ。この状態で食べてもよいし、さらに半分にカットしたり、格子状に包丁を入れてひと口大にカットしたりしてもよい。
食べ方
食べる1時間ほど前から冷蔵庫で冷やしておくと、より美味しくいただける。果肉は柔らかいので、スプーンやフォークを使って食べよう。なお果皮は手でも剥ける。バナナのように剥いてそのままかぶりつくのもおすすめだ。その方が種を切断することなく、本来の食感やみずみずしさを堪能できる。1人で1個を独占できるならぜひ試してみよう。
5. ドラゴンフルーツを使ったおすすめレシピ

ドラゴンフルーツはそれ単体でそのまま食べても美味しいが、さまざまな料理やスイーツに加えるのもおすすめだ。とくに輸入もので甘みが少ないものは、幅広い料理やスイーツに使いやすいので覚えておこう。
サラダ
レタスやブロッコリー、プチトマトやレモン、パプリカやバナナ、それにナスなどお好みのサラダに、ひと口大にカットしたドラゴンフルーツを混ぜるだけで見た目も華やかなヘルシーサラダの完成だ。
スムージー
アボカドまたはバナナ、あるいはフローズンベリーなど、お好みの材料にはちみつなどを加えてミキサーにかけ、スムージーにするのもおすすめだ。濃厚そうな見た目に反し、意外とさっぱりしていて美味しくいただける。
パンケーキのトッピングなどにも
ちょっとしたパーティーであれば、パンケーキのトッピングとしてドラゴンフルーツをのせるという手もある。色鮮やかな果肉が場の雰囲気を盛り上げてくれるはずだ。ほかにも、レタスやトマトによく合う、ヨーグルトとドラゴンフルーツを使ったフルーツドレッシングなどもおすすめだ。種子を残せば食感も楽しめる。一例だが、アイデア次第でいろいろな料理やスイーツに使えるので、ぜひ試してみてほしい。
6. ドラゴンフルーツが入手できる場所はどこ?

ドラゴンフルーツの基礎知識や栄養、食べ方などを解説してきた。興味を持った方はぜひ新鮮なドラゴンフルーツを入手してその味を堪能しよう。最後に、どこに行けば入手しやすいかをまとめたので、ぜひ参考にしてほしい。
道の駅やJAの直売所
国内でドラゴンフルーツを生産している地域を訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄っていただきたいのが道の駅やJAの直売所だ。旬の時期であれば、その土地で生産された新鮮なドラゴンフルーツを入手できる。道の駅では、カットされたものやスムージーなどに加工されたものを楽しめる場合がある。旅の思い出にその場で食べるもよし、お土産用に購入するのもよいだろう。
大手スーパー
比較的大手のスーパーであれば、ドラゴンフルーツを取り扱っている店舗もあるだろう。国産か外国産かは店舗や収穫の時期により変動があるので、こだわりがあるなら購入時に確認しよう。
ネット通販
スーパーで取り扱いがない場合は、農家や輸入業者が運営するネット通販でもドラゴンフルーツを入手できる。農家運営のネット通販なら生産者の顔も見えるし、おすすめの食べ方やレシピなどの情報も得られるだろう。輸入ものなら年間通して入手しやすいのも通販のメリットだ。
結論
鮮やかな果肉と独特の見た目が強烈なインパクトを与えるドラゴンフルーツは、意外にもさっぱりしており国産は甘みが強い。種子までいただけるその食感もクセになる美味しさだ。ネット通販で手軽に入手できるので、食べたことのない方はぜひ、これを機に食べてみてほしい。
(参考文献)
- 1:文部科学省 食品成分データベース「果実類_ドラゴンフルーツ_生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07111_6 - 2:厚生労働省「カリウム _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html - 3:厚生労働省「マグネシウム _ キーワード _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-034.html - 4:厚生労働省「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html - 5:厚生労働省「ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html - 6:厚生労働省「食物繊維 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html - 7:厚生労働省「食物繊維の必要性と健康 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html - 8:文部科学省 食品成分データベース「果実類_バナナ_生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07107_7