1. ラタトゥイユってどんな料理?

作り方の前に、まずはラタトゥイユについて簡単におさらいしておこう。
フランス南部の郷土料理
ラタトゥイユは、南フランス名物の野菜煮込みのことである。一般的に使われるのは、ズッキーニやナス、パプリカなど夏野菜で、味付けはトマトベースだ。煮込む前にオリーブオイルで野菜を炒めるのも特徴的である。鶏肉など肉類を加えて作ることもあるが、通常は副菜として扱われる。冷やしても温めても美味しく食べられるため、さまざまなアレンジを楽しむことができる。
2. ラタトゥイユの簡単レシピ

ご家庭で手軽にできるラタトゥイユのレシピを紹介する。まずは材料から見ていこう。
具材と調味料
- ズッキーニ
- 赤パプリカ
- 黄パプリカ
- ナス
- 玉ねぎ
- にんじん
- にんにく
- トマト缶
- オリーブオイル
- コンソメ(顆粒)
- 塩
- 胡椒
- ローリエ
- 白ワイン
お好みでベーコンを加えてもよい。また下準備として、パプリカはヘタとタネを、ナスとズッキーニはヘタを切り落としておこう。
ラタトゥイユの作り方
- 食材を乱切りや角切りなど食べやすいサイズ・形状にカットする
- にんにくを薄切りにする(みじん切りまたは、すりおろしを使ってもOK)
- ズッキーニとナスをボウルに入れ、コンソメをふりかけておく
- フライパンにオリーブオイルをひき、弱火にかける
- 玉ねぎとにんにくを炒める
- 油が全体になじんだら「3」を加え、中火でじっくり炒める
- ズッキーニやナスがしんなりしてきたらパプリカを投入する
- 油が全体になじんだらトマト缶を汁ごと加える
- ローリエと白ワインを加えたら軽く混ぜ、ふたをして弱火にする
- ときどき全体を混ぜながら、20〜30分ほど煮込む
- 時間がきたらふたを外し、軽く混ぜる
- 具材に火が通ったのを確認したら、塩と胡椒で味を整える
- 火を止めて器に盛れば完成
細かく分けたため手順が多く感じるかもしれないが、やることはシンプルだ。ラタトゥイユは、下準備や具材のカットが終われば30分ほどで作れるので、休日のブランチなどにいかがだろうか?なお「10」で煮込む際などに水気が足りないと感じたら、適宜、水を追加しよう。
3. ラタトゥイユに合う料理とは?

完成したラタトゥイユはそれだけで食べてもよいが、さまざまな料理に合うのでぜひ上手に組み合わせて美味しくいただこう。
副菜として食べるのが一般的
たっぷりの野菜をじっくり煮込んだラタトゥイユは、副菜としての位置付けが一般的だ。組み合わせる料理により、小鉢に盛ったり中鉢に盛ったりして楽しむこともできる。また肉料理や魚料理の付け合わせとして皿に盛り付ければ、ソース代わりにもなるすぐれものだ。
ラタトゥイユに合わせる料理は?
南フランス発祥とあって、バゲットなどフランスパンとの相性はバツグンである。薄くスライスしたバゲットにラタトゥイユをのせて並べれば、まるでフレンチレストランのような上品なひと皿になる。もちろんご飯と一緒に食べても美味しい。主菜には、肉や魚のソテーあるいはムニエルを合わせるのがポピュラーである。ラタトゥイユがしっかりした味付けなので、主菜やそのほかの副菜、スープなどはシンプルな味付けのものを合わせるとよい。
4. ラタトゥイユのアレンジアイデアとリメイク術

そのままの味付けでも十分ご飯に合うラタトゥイユだが、アレンジもきくしリメイク料理も美味しい。味わいに変化をつけたいときや、大量に作って余りそうなときなどは、ぜひ次のようなアイデアを参考にしてみてほしい。
和風や中華風の味付けに
コンソメを出汁に変えたり、醤油や味噌など日本の調味料を加えたりすれば和風ラタトゥイユとなる。また鶏ガラスープの素や豆板醤で味付けをすれば、中華風ラタトゥイユに仕上げることも可能だ。いずれも作り方は同じなので、ぜひお好みの味わいに変化させて楽しんでみよう。
パスタソースに使う
茹でたパスタに絡めるだけという、超簡単なリメイク料理がこちら。余ったラタトゥイユを翌日食べる際や、休日の手軽なランチにも最適だ。
サンドイッチに挟む
パンとの相性がバツグンのラタトゥイユは、もちろんサンドイッチにも合う。普通のサンドイッチはもちろん、食パンにのせてトーストしたり、ホットサンドにしたりするのもよい。
オムライスに加える
肉や魚のソース代わりにもなるラタトゥイユは、オムライスに使っても美味しい。いつものケチャップソースをラタトゥイユに変えるだけで、見ためにも豪華な1品が完成する。
5. ラタトゥイユのカロリーや栄養

最後に、ラタトゥイユのカロリーや栄養についても解説しておこう。
ラタトゥイユのカロリー
一般的なラタトゥイユのカロリーは100~200kcal程度である。具材や量によって変動するが、副菜としてはそれほど高カロリーではないといえるだろう。なおオリーブオイルの量を減らすことでカロリーカットも可能だ。反対に、脂質の多い鶏肉やベーコンなどを多く使うとカロリーも高くなるので気をつけよう。
ラタトゥイユの栄養
ラタトゥイユは栄養満点な食べ物だ。味付けの要であるトマトには、抗酸化作用をもつリコピン(※1)のほか、疲労回復効果が期待できるクエン酸などが含まれる。ズッキーニには、免疫力を高める効果のあるβカロテンやビタミンC(※2・※3)、代謝を促すビタミンB2群が含まれている(※4)。ほかにも、ナスには余分なナトリウムを体外に排出する作用をもつカリウム(※5)が多く含まれる。
結論
複雑そうなイメージがあるかもしれないが、ラタトゥイユはご家庭でも意外なほど簡単に作れてしまう。シンプルに食べてももちろん美味しいし、味付けをアレンジしたりリメイクしたりして楽しむのもおすすめだ。野菜の旨みや栄養がギュッと詰まったラタトゥイユを、ぜひご家庭で作ってみてほしい。
(参考文献)
- 1:厚生労働省「抗酸化物質 _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html - 2:厚生労働省「カロテノイド _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html - 3:厚生労働省「抗酸化ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html - 4:農林水産省「農林水産省_朝ごはんを食べないと?」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi/about/about.html - 5:厚生労働省「カリウム _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
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