目次
1. 新技術のエイジングシートとはどんなものか解説

エイジングシートは肉や魚のたんぱく質を発酵させ、肉や魚を柔らかくするシートである。明治大学と株式会社フードイズムの共同開発品で、特許を出願中である。
エイジングシートの特徴
エイジングシートは布状の素材で、食品を包み込んで使う。エイジングシートには人体に無害な菌を布に貼り付けている。この菌によって熟成に必要とされる菌が増殖して、シートに包まれた食材の熟成が進んでいくというわけだ。 エイジングシートの活用は、付加価値を高めたい肉や、消費に伸び悩む魚にとってはブランド化できるチャンスだ。保存技術が高まるということだけではなく、美味しさや食感がアップするという点も含めて、メリットばかりの技術だといえるだろう。
エイジングシートの大きさ
エイジングシートの布の大きさは1m×50cm。1枚で20kgの肉を熟成させることが可能である。エイジングシートを使った場合は、通常熟成に40日も要していたものが半分の20日まで短縮できたとの報告がある。 エイジングシートは研究を重ねて開発された科学と食品の見事な融合品である。エイジングシートはまだ大きいサイズのものしかなく家庭で使用するには難しい。今後は飲食店や家庭でも楽しめるようになるよう、さまざまなサイズ展開が望まれることだろう。
2. 肉や魚を熟成させるエイジングシートはどのような場所で使われている?

一般家庭においてエイジングシートを使って熟成させた肉や魚を食べる機会はほぼないかもしれない。しかし、これからは外食時に熟成肉や熟成魚に出会う機会も増えてくることだろう。 具体的に、エイジングシートはどのような場面で使用されているのだろうか。
エイジングシートで熟成肉を
エイジングシートを使用して熟成された肉は、「発酵熟成肉」と命名されている。 いままでの熟成肉は空気中に浮遊している微生物を自然に取り込んでいる可能性も否定できないため、安全であると明言できない、基準があいまいなどの問題があった。 しかし、エイジングシートを使って肉を熟成させることで、従来よりもスピーディーで安全に熟成肉を作ることが可能になったのである。発酵熟成肉は主に飲食店において取り扱われている。エイジングシートの開発は2018年とまだ新しいので、これからますます広がっていくことを期待しておこう。
エイジングシートは魚にも
魚においてもエイジングシートが活用されている場面がある。神奈川県川崎市の市場では、エイジングシートを活用した「発酵熟成熟鮮魚」を商品化し、市場の活性化を目指している。熟成させた魚は新鮮さを保ちながら臭みがなく独特の芳醇な香りを持つ。市場だけではなく、寿司店や大型飲食店などさまざまな場面で熟成魚が導入を進めているようだ。
3. 肉や魚を熟成させるエイジングシートにはどのような菌が使われている?

エイジングシートに使われている菌は、「ヘルコシウム属の接合菌」という発酵菌である。この菌は人にとって安全ということが確認されている。エイジングシートとなる布に付着させ、乾燥させ使用されている。 ヘルコシウム属の接合菌は、牛のもも肉から発見された。牛のもも肉の毛カビを4℃の環境で増殖させ、遺伝子解析にかけて属性が判明したという経緯がある。
菌と聞くと「身体によくないもの」と考えてしまう人もいるかもしれない。しかし、菌と人間の関係は発酵食品から見てとれる。有用な菌を活用することで、食生活は豊かになるのだ。
菌と聞くと「身体によくないもの」と考えてしまう人もいるかもしれない。しかし、菌と人間の関係は発酵食品から見てとれる。有用な菌を活用することで、食生活は豊かになるのだ。
結論
エイジングシートは熟成肉や熟成魚をスピーディーかつ安全に作れる画期的なアイテムである。熟成によって肉や魚を柔らかく美味しいものに変えることで、ブランド化ができ商品価値を高められるのではないだろうか。飲食店や市場などでエイジングシートという言葉を見かけたら、迷わずチェックしてほしい。
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