1. 地球に優しい食生活

地球に優しい食生活とは、一体どんなものだろう?まず考えなければならないのは、我々人間が地球に与えている影響だ。地球上の人口増加はとどまることを知らず、今後10年足らずで90億人に達すると見られている。多くの国で都市化が進み、中流層が増加。求められる食料は、どんどん増える一方だ。その食料を確保するために森林が伐採され、温暖化の進行がさらに加速された。まさに負のスパイラルである。また、より多くの作物を得るために、遺伝子組み換え技術が用いられるようにもなった。
食糧難と食品ロス
現在、9人に1人が、飢餓に苦しめられているのが現実だ。その一方で、先進国では食品ロスが深刻化しており、なんと食品の約1/3が廃棄されている。これは、世界中で廃棄されているものを飢餓に苦しむ人たちに渡すことができれば、飢餓は解消することができるほどの量である。この2局化を緩和していくことも、地球に優しい食生活に求められているものである。
化学燃料と農業
近代の地球では、石油や石炭、天然ガスなどの化学燃料がさまざまな場所で使われてきた。便利なことは事実だが、これらは二酸化炭素を発生させることから、温暖化を加速させる要因であることは明白だ。化学燃料とは無縁に思われる農業であるが、実は現代の農業は化学燃料ありき、という側面がある。大量生産のためにトラクターを利用したり、温室を一定に保ったりするために、化学燃料が使われている。化学燃料を削減することも、地球に優しい食生活には欠かせないキーワードである。
2. 健康に優しい食生活

健康を維持することは、我々人間の命題とも言える。健康志向が高まるなかで、注目を集める食生活は多くある。糖質オフや糖質制限は、話題の食生活のひとつである。これは、三大栄養素である炭水化物を構成している糖質を制限する食生活である。炭水化物を控えることで、体内の中性脂肪がエネルギー源として利用され、体内の脂肪が減少。また、血糖値の上昇が抑えられるといったメリットがあるといわれている。
添加物フリー
本来、食品に必要ない添加物の過剰摂取は、健康を害する危険性がある。マーガリンに含まれるトランス脂肪酸に、発がん性があることが話題になったが、添加物のなかには、海外では禁止されているが、日本では使われているものも実は多い。特に、加工品には注意が必要だ。原材料に、あまり耳にしたことのない物質が入っている場合は、調べてみるとよい。
3. 地球にも健康にも優しい食生活を実践

地球と健康に優しい食生活をざっと学ぶと、地球に優しい食生活を送ることが、健康な食生活を送ることに繋がっていることが分かるだろう。ここからは、実践編にうつる。
捨てない!残さない!
まずポイントとなるのは、食品ロスを防ぐこと。多くの食品ロスは家庭で起こっていると言われているので、捨てない、残さないは基本。料理をする際はきちんと食べきれる量にとどめることはもちろんのこと、食材の買いすぎを防ぐという点も重要だ。また、食卓に過剰な食材を載せないことで食べ過ぎを防ぎ、健康的な食生活にもつながっていくだろう。
地産地消のすすめ
地産地消には多くの効果がある。まず、地域経済の発展に貢献できること。さらに運送に伴うコストが少ないため、食材がリーズナブルな価格で手に入る。そして運送しないということは無駄に長持ちさせる必要がないので、その分、化学燃料を使うこともない。無農薬やオーガニックなど、環境にも健康にも配慮したものを選ぶことも重要だ。
タンパク質は肉以外から
タンパク質は三大栄養素のひとつなので、カラダにとっては欠かせない栄養素である。戦後の日本では肉の消費量がどんどん増え、その分ミネラル摂取が減少し、問題となっている。また、肉は生産に広大な用地を必要とし、飼料も多くかかるため、地球への負担が大きい。その点、大豆など植物性のタンパク質は健康効果も高く、地球への負担も肉に比べると小さい。代替食品などを上手に使うことも求められている。
結論
地球と健康に優しい食生活は、実は連動していることが多い。小さな心がけも重ね続ければ、やがて大きな山となる。毎日の食を担う我々オリひと世代だからこそ、安易に食べる、食品を買うのではなく、地球と健康を意識して選びたい。日頃の食生活が人生のベースになっていることを、強く肝に命じたい。