1. 完熟トマトの基準

よく耳にする完熟トマトという言葉。実際にはどの状態を完熟というのかは決まりがないが、一般的には実全体が赤色のものを完熟トマトとしている。その理由は、熟していないトマトは青色で、熟すにつれて実の色が赤色になってくるからだ。スーパーなどに並ぶトマトは実全体がきれいな赤色であることが多い。つまりスーパーに並ぶ時点で完熟トマトの状態なのである。
さすがにまったく熟していない青色のトマトを食べるのは難しいが、完熟の一歩手前であれば食べることができる。しかしながら完熟一歩手前のトマトと完熟トマトが並んでいれば、わたしたちは完熟トマトを手に取るだろう。ではなぜ、完熟のほうがよいのかというとトマトの食べ方が関係している。トマトは生で食べることが多い。同じように生で食べる果物で考えると分かりやすいのだが、熟していない果物だと実が硬くて食べにくい。それと同じように熟していないトマトは硬くて食べにくく、完熟トマトは誰でも食べやすい食感をしている。ただし最近ではほどよい硬さの完熟トマトも出てきている。完熟トマトといっても硬さは多様になりバラエティーに富んでいる。
2. 完熟のあとはどうなる?

トマトは熟すにつれ柔らかくなっていき、完熟したあとも熟成していく。つまり、どんどん柔らかくなっていくのだ。そのためもっと柔らかいトマトが食べたいときは完熟をさらに熟成させればよい。しかし熟成しすぎると実が柔らかくなりすぎ、ブヨブヨになってしまうため見ためはあまりよろしくない。また、形が崩れやすくなるため生で食べる際は注意が必要だ。
スーパーに並ぶトマトの多くは完熟状態であるため、購入してすぐに食べないと熟しすぎてしまう。同じ色をしていても実は熟成具合が少しずつ異なる。一番分かりやすいのが重さや感触だ。一番状態のよいトマトは重みがあり、皮にハリがある。しかし熟成が進んだトマトは表面が柔らかくなっている。そのため生で食べたいが、購入後すぐに食べる予定でないのならば、少し硬めの完熟トマトを選ぶようにしよう。
3. 熟しすぎたトマトの利用法

サラダにトッピングしようと思っていたら、トマトが熟しすぎていた。そのような場合は、逆に実が崩れやすいことを活かした調理をしてみてはどうだろうか。一番おすすめなのがトマトソースだ。トマトソースを作るにはトマトを潰さなければいけなのだが、硬いトマトではうまく潰せず、なめらかなトマトソースになりにくい。しかし、熟しすぎたトマトであれば簡単に潰せ、なめらかなトマトソースが簡単にできる。トマトソースはそのままオムレツやハンバーグにかけたり、少しアレンジしてミートソースにしたりと活用の幅が広いため、作っておくと重宝する。缶詰のトマト缶を使ってトマトソースを作る人もいるかもしれないが、たまには生のトマトから作ってみるのもいい経験になるかもしれない。
また熟しすぎたトマトは、ラタトゥイユなどの煮込み料理に使うこともできる。トマト缶で作ったときとまた違った味わいを楽しめる。ただし傷み始めたトマトは危険なため、そのときは残念だが捨てるしかない。
4. 完熟していないトマトを買ってしまった場合は?

市販のトマトは、店頭に並ぶ際に完熟状態になるように考えられて収穫されている。だが、完熟していないトマトを購入する機会もあるだろう。完熟前のトマトが好きな場合はそのままでもよいが、完熟状態のものを食べたいなら購入後に冷蔵庫に入れず常温で放置しよう。この一定期間放置することで熟成を進める工程を追熟といい、常温で起こりやすい。追熟はトマトだけに限らず果物でも同じことが起こる。家でも簡単に熟成させることができるため、熟していないトマトを購入してしまっても残念に思わず挑戦してみてほしい。
追熟は完熟トマトでも起こる。つまり熟しすぎてしまうわけだが、それを防ぐには冷蔵庫に入れるよう。冷蔵庫の温度は熟成に適さないため追熟は起こらないのだ。つまり熟成させたいのか、そうでないのかでトマトの保存方法は異なるため注意しよう。
結論
実全体が真っ赤な完熟トマトは、見ているだけで食欲をそそる。最近では品種改良によってさまざまな硬さの完熟トマトが出ているが、どれも生食に適しており多くの人に好まれている。完熟したトマトをさらに熟成させると実が柔らかくなりすぎてしまうため、生食には向かないがトマトソースなどにアレンジして食べることができる。
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