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味噌の歴史を辿る。平安時代にはじまり現代にまで続く日本伝統の調味料はすごかった

味噌の歴史を辿る。平安時代にはじまり現代にまで続く日本伝統の調味料はすごかった

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

2020年3月20日

塩や醤油と並んで味付けに欠かせない調味料である味噌だがその歴史をご存知だろうか。味噌汁・味噌煮・味噌焼き等々、和食には味噌を使った数々の料理があるが、一体味噌のルーツはどこにあるのだろう。味噌の意外な経歴やその誕生など、歴史を辿ってみよう。

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1. 平安時代、味噌は貴族の給料になった?

日本の食卓に欠かせない調味料の一つ「味噌」。誕生したのは平安時代(794~1185年)と考えられている。当時の律令を細かく記した古代法典「延喜式」には味噌一斗二升が高級官僚の給料としてあてがわれていたとの記録が残っている。原料が米味噌なのか豆味噌なのか、使っている塩や麹の量によっても左右するが、味噌一斗は20kg前後、二升は4kg前後に相当する。平安時代にはまだ貨幣によるやり取りが発達していなかったため給料は米や特産品を現物支給される租調庸制度が用いられており、味噌の他にも餅米・小豆・大豆・烏賊・魚・海藻・布・油・薪・炭などの日用品が与えられていた。使う時は味噌汁のように料理に混ぜ込んで使う方法ではなく、野菜や豆腐などの食べ物にかけたりおかずとしてそのまま食べたり、ダイレクトに味を楽しんでいたという。庶民はなかなか口にする機会がなく、役人の贈答品としても使わるなど、高級品として扱われていたらしい。平安中期の女流歌人・和泉式部の歌には「二月ばかり、味噌を人がりやるとて花に逢へばみぞつゆばかり惜しからぬ飽かで春にもかはりにしかば」という物があり、味噌を分け合う事は身分の高い者同士のやり取りであったという事が詠まれている。また味噌は、薬としても重宝されていた。

2. 味噌はどこからやってきた?

味噌は平安時代に突然誕生した訳ではない。そのルーツには諸説あるが、一つは周王朝時代の中国で使われていた「醤」(肉や魚を塩・麹・雑穀で漬け込んだ物。豉は雑穀・大豆・塩で作った物)や「豉」がベースになったという説。もうひとつは日本でも縄文時代から存在していた「草醤」や「魚醤」や「穀醤」が発展した物だという説である。どちらかというと前者の説の方が有力視されているが、これもやはりもともとは魚醤や獣醤が始まりだったらしい。味噌のように穀物を使った「穀醤」が中国で最初に現れたのは紀元前1~2世紀頃、味噌の前身となる「唐醤」が日本にやってきたのは飛鳥~大和にかけての古墳時代だと考えられている。ただしこの「唐醤」には半固形状の物も液状の物も含まれていたようで、味噌も醤油も正確に区別されていなかったことが覗える。

701年の制定後から奈良時代中期まで使用されていた大宝律令には、味噌の前身となる「未醤」という言葉が載っており、この頃には両者をはっきりと区別するようになっていることが見て取れる。ちなみに味噌の「噌」という漢字は平安時代の始めまでなかったようで、文献上に初めて現れるのは901年である。それより以前の味噌の前身となるものは、末醤以外にも味醤・味曽などと書かれ、「噌」の字は味噌のために日本で作られた漢字であると言われている。

3. 味噌が今のように食べられるまで

味噌の食べ方に劇的な変化が起こるのが鎌倉時代。味噌汁が登場したのだ。すり鉢が使われるようになると粒状だった味噌をペースト状にし、水に溶かすことが可能になったのである。庶民に浸透し始めるのは室町時代の事だが、味噌汁の登場によって確立された「一汁一菜」スタイルは武士の食事の基本となり、現代でも理想的な食事バランスの一つとして受け継がれている。農業が発展し大豆の生産量が増えると、味噌を自分の家で作る農民達が現れるようになった。保存食としても優れている味噌はたちまち庶民の間に広まり、今ある味噌料理のほとんどはこの時代に考案され始めた。

戦国時代に入ると、名立たる名将達も味噌に着目することとなる。信州味噌の発展には武田信玄が、仙台味噌の発展には伊達政宗が関与。長寿を全うした徳川家康は3種の根菜と5種の野菜が入った味噌汁を食べて健康に気を遣い、代々の将軍達も食膳に味噌汁を欠かさないよう家訓にまで定めていた。

江戸時代になると、江戸や周辺で作られる量では賄えなくなってしまう程、味噌は欠かせない食べ物となる。「東海道中膝栗毛」の作中では各地の味噌料理が紹介されたり、「味噌蔵」「味噌豆」といった落語が誕生したりと、庶民の生活の中でも親しみのある身近なものとしてさらに浸透した。

結論

伝統的な発酵食品、味噌。その歴史をざっくりと紹介してみた。未だミステリーに包まれた部分もあるが、日本独自の発展を遂げた調味料だということは確実で、近年はアジアのみならず諸外国でもファンが増えている。その揺るぎない旨さを、日本人として誇っていきたいものである。

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