1. とうもろこしをドライにする方法

とうもろこしは、実を根本からこそげ落とし、粒に分けて干す。乾燥度合いによって、「ドライ」と「セミドライ」の2種類に大別できる。また、とうもろこしの「ひげ」を乾燥させたものは「南蛮毛」と呼ばれ、古くから漢方の生薬として使われている。この機会に、通常は取って捨ててしまうひげもドライにして活用してみよう。
■ドライとうもろこし
生のとうもろこしは、鮮度と味の劣化が早く、収穫してから時間がたつほど味が落ちる。ドライにしておくと、ある程度保存がきくので覚えておこう。干す時間は、3日間~1週間。保存は常温で1ヶ月ほど可能。
■セミドライとうもろこし
セミドライは、歯ごたえと甘味をアップさせるための下拵えとして、すぐに調理する分だけ干す。干す時間は、2時間~半日でOKだ。冷蔵庫で5日間程度もつ。
■ドライとうもろこしのひげ(南蛮毛)
とうもろこしのひげは、一番先の茶色くなっている部分を切り落とし、適当な長さに切っておく。干す時間は2~3日で、常温で約3ヶ月間もつ。
■とうもろこしをドライにする方法と道具
とうもろこしは粒が重ならないようにザルに広げて干すのが基本。とうもろこしの粒やひげは風で飛んでしまうことが多く、また糖分が高いため虫がつきやすいので注意が必要だ。普通のザルで干す場合は、網をかぶせるなど工夫しよう。ザルは、抗菌作用があるといわれる竹製のものや、干物用の虫除け網付きのザルがおすすめ。ひげは、束にして洗濯用のピンチハンガーに干すか、乾物用のネットを使うのがベストだ。
2. とうもろこしを上手にドライにする環境

とうもろこしの旬は6~8月頃で、北海道産のものは9月頃まで出回る。梅雨はドライ作業に適さないので、梅雨明けからの、晴れて少し風がある日がベストタイミング。粒を覆う皮が固く完全にドライになるまでには時間がかかるので、しっかり太陽の光に当たるような場所に干すことも重要だ。さらに、1日1~2回程度、干してある粒を広げ直すなど、全体に陽が当たるように気をつけよう。
3. ドライとうもろこしのおすすめの食べ方

■ドライとうもろこしと豚こまのサッと煮
ドライとうもろこしは、水でしっかり戻しておく。フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて中火にかけ、ニンニクの香りが立ったら、豚こま切れ肉と塩少々を加え炒める。白ワインと水を加え、沸騰したら下拵えしたドライとうもろこしとローリエを加え、弱火で20分煮る。とうもろこしの豊かな味わいが広がる、メインにもなる1皿に。
■ドライとうもろこしのメキシカンコーン
ドライとうもろこしは、水で戻しておく。フライパンにバターを溶かし、とうもろこしを加えてほんのり焼き色がつくまで炒める。粉チーズ、マヨネーズ、レモン汁を加えて味付けする。好みで黒胡椒、チリペッパーやパセリを加えると彩りも綺麗だ。これだけでビールがどんどん進むつまみになる。
■セミドライとうもろこしとツナの和風サラダ
下拵えとして、セミドライとうもろこしは水でサッと洗って水気を切り、ツナ缶は油分を切っておく。薄切りにした玉ねぎときゅうりに塩を振り、しんなりしたら洗って水気を切る。下拵えしたセミドライとうもろこし、ツナ缶、玉ねぎときゅうりを混ぜ合わせ、醤油と酢で味付けする。仕上げに少量の胡麻油を回しかけたらできあがり。プチプチの食感がアクセントのさっぱりしたサラダに仕上がる。
■ドライとうもろこしのひげ茶
ドライにしたとうもろこしのひげを鍋に入れて、適量の水を注ぐ。弱火で20~25分程度煎じたら完成だ。漢方医学では、むくんだ時などにいいとされているという。ノンカロリー、ノンカフェインなのも嬉しい。ほんのりとうもろこしの味が広がる、飲みやすいお茶だ。
結論
ドライとうもろこしは、乾燥豆や雑穀と同じような感覚で使える保存食として、セミドライとうもろこしは、レシピのアクセントに、ひげはお茶にと大活躍してくれる。生とうもろこしでは味わえない食感と甘味を1度試してみてはいかがだろうか。