1. はつか大根とは?

栽培方法の前に、まずははつか大根について簡単におさらいしておこう。
「ラディッシュ」と同じ
はつか大根とラディッシュは、同じアブラナ科ダイコン属の植物(野菜)である。はつか大根は小さなカブのようにも見えるが、名前の通り大根の仲間だ。葉っぱを見ると大根と同じ形をしているのが分かる。
種蒔きから収穫まで約20日
はつか大根は栽培期間が約20日程度と非常に短い。ここから「二十日大根」と呼ばれるようになったのだ。初心者でも手軽に育てられるため、ベランダでプランターなどを使用して栽培している方も多い。世話も比較的簡単なので、初めて家庭菜園をする方にはとくにおすすめの野菜である。
はつか大根の品種
- コメット
- レッドチャイム
- さくらんぼ
- 雪小町
- 紅白
- カラフルファイブ など
一般的な丸くて赤い「コメット」、濃い赤い色をした「レッドチャイム」、さくらんぼのような丸い形のその名も「さくらんぼ」、透明感のある上品な白色の「雪小町」などがある。そのほかにも、赤と白のコントラストが美しい「紅白」、赤・白・ピンク・紫など色鮮やかな「カラフルファイブ」など品種が豊富で、育てるのが楽しい野菜といえるだろう。
2. はつか大根の栄養

実の部分だけを食べるイメージのあるはつか大根だが、一般的な大根と同じように葉も食べることができる。どういった栄養が含まれているのかを見ていこう。なお数値は「第2章 日本食品標準成分表(※1)」によるものだ。
はつか大根100gあたりの栄養
- カロリー:15kcal
- たんぱく質:0.8g
- 脂質:0.1g
- 飽和脂肪酸:0.03g
- 不飽和脂肪酸:0.07g(一価不飽和0.02g/多価不飽和0.05g)
- 炭水化物:3.1g
- 水溶性食物繊維:0.2g
- 不溶性食物繊維:1.0g
- ナトリウム:8mg
- カリウム:220mg
- カルシウム:21mg
- マグネシウム:11mg
- リン:46mg
- 鉄:0.3mg
- 亜鉛:0.1mg
- 銅:0.02mg
- マンガン:0.05mg
- ビタミンK:1μg
- ビタミンB1:0.02mg
- ビタミンB2:0.02mg
- ナイアシン:0.1mg
- ビタミンB6:0.07mg
- 葉酸:53μg
- パントテン酸:0.18mg
- ビタミンC:19mg
カロテンなどが多く含まれている葉っぱはとても柔らかく、生でも食べられるためサラダなどに入れるのがおすすめだ。葉は捨ててしまう方も多いが、ぜひまるごと味わってみてほしい。ほかにもビタミンCなどが多く含まれている。葉の部分は緑黄色野菜に分類され、カルシウムやカリウムなども多く含んでいるため、実と一緒に食べるとよいだろう。
はつか大根は低カロリー
ほとんどが水分のためカロリーはかなり低い。100gあたりのカロリーは15kcalで、約95%が水分だ。カロリーや糖質を気にしている方にもおすすめの野菜といえるだろう。シャキシャキとした食感は食べごたえもあるので、サラダなどに入れると満足感がアップする。
3. はつか大根の栽培方法

プランターで簡単にはつか大根を栽培する方法を紹介する。なお種はホームセンターまたはネット通販などで手軽に手に入るので用意しておこう。
はつか大根の栽培方法〜種蒔き〜
プランターに鉢底石を敷いて土を入れ、種をパラパラと蒔いていこう。後から間引くので、この時点ではとくにこだわらなくてよい。種を土で覆ったらじょうろを使って優しく水を撒く。発芽が見られるようになるまでは、乾燥させないように水をこまめに与えよう。ただし多湿な環境は苦手なので与えすぎには注意してほしい。土も水はけがよいものがおすすめだ。
はつか大根の栽培方法〜発芽後〜
ほかの芽よりもヒョロヒョロしているなど、弱そうな芽は間引いておこう。苗同士の間隔は3cm程度が目安だ。また発芽してからの水やりは、土が乾燥してからたっぷり与えるようにするとよい。健康に育つよう、風通しと日当たりのよい場所で育てよう。なお、はつか大根にはアブラムシが寄り付きやすい。見かけたら粘着力が弱めのテープでペタペタと取るか、使い古しの歯ブラシで擦り落とすなどしよう。木酢液を使う場合は、濃度に気をつけてほしい。
はつか大根の栽培方法〜収穫〜
実の直径が2〜3cm、葉が5〜6枚ほどになったら収穫のタイミングだ。「もう少し」と先延ばしにすると割れてしまうことがあるため、収穫のタイミングはしっかり見計らっておくことが大切だ。
4. はつか大根の使い方や美味しい食べ方

最後に、はつか大根のおすすめの使い方や美味しい食べ方を紹介しよう。
サラダに彩りを添える
はつか大根は、実の部分をスライスしてサラダなどにのせると彩りがよくなってオシャレに仕上がる。とくに赤くて丸い品種は、スライスするだけで見栄えがよくなるので、料理の飾りやアクセントにおすすめだ。丸いままで周りを飾り切りすれば、弁当の隙間埋めにも役立つだろう。飾り切りは難しそうに見えるが、簡単なやり方もあるので興味がある人はぜひチャレンジしてみてほしい。カットしたあとは水にさらしておくと、よりパリッとして美味しさも見栄えもアップする。
バターソテーや野菜炒めもおすすめ
はつか大根はサラダなど生で食べることが多い野菜だが、じつは加熱しても美味しく食べられる。ほうれん草などと一緒にバターソテーにしたり、半分にカットして野菜炒めなどに加えたりしてもよいだろう。ただし、長時間加熱すると周りの色が溶け出すことがあるため注意が必要だ。またビタミンCは加熱によって溶け出してしまう。さっと加熱したり、汁ごと一緒に食べられるスープの仕上げに入れたりするのがおすすめだ。
結論
はつか大根はご家庭でもプランターで簡単に栽培できる。手もかからないので、初めて家庭菜園にチャレンジする方にはとくにおすすめだ。実はもちろん、葉までまるごと食べられるのもはつか大根の魅力である。スーパーでも購入できるので、食べたことがない方はぜひこの機会に食べてみてほしい。
(参考文献)
- 1:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
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