1. オーガニックとは

オーガニックとは、有機を意味する言葉である。有機は有機物、有機化合物などの略語で、炭素を含む生物、および構成物質のことである。対義語は無機。実際には化学的に合成された肥料や農薬に頼らずに、自然や有機物質の動きを生かした農林水産業、またはその栽培、加工方法を指している。ちなみにオーガニックを名乗ることができるのは、農林水産省の認定検査に合格したものだけだ。規定をクリアした食物に関しては、オーガニックと有機どちらの呼び名も使用される。
オーガニックと微生物
我々が広くオーガニックという概念を用いるのが、農作物である。そもそも私たちの祖先が行ってきた農業はすべて、オーガニックであった。化学肥料や農薬がさかんに使われるようになったのは、せいぜいこの100年程度である。古くは家畜のフンや生ゴミから作った堆肥を用いて、農業を行ってきたのだ。ここでポイントになるのが微生物である。微生物が堆肥などの有機物を分解、植物はそれを吸収し、光合成を行い、酸素を排出するのだ。
地球環境
オーガニックは、人間の健康にはもちろん、地球の健康を守るためにも欠かすことのできない考え方だ。化学肥料や農薬を避けることは、土壌の健康維持に大きく寄与する。環境ホルモンや遺伝子組み換えなどを避けることも同様だ。すべては食物連鎖で繋がっているので、化学肥料や農薬を使えば使うほど、地球は疲弊していくのだ。
2. オーガニック用語集-基本編

オーガニックマーク
日本におけるオーガニックマークは、有機JAS マークと呼ばれている。国際基準に基づき、農林水産省が作成、国が制定したもので有機登録認証機関が審査し、第三者認証として有機認定されたものだけが名乗ることのできるものだ。詳細に規定がなされているが、大きくわけてその趣旨は3つ。
◎化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける
◎遺伝子組み換え技術を使用しない
◎播種、または植え付け前の2年以上、有機肥料で土作りを行った農地で生産されたもの
◎化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける
◎遺伝子組み換え技術を使用しない
◎播種、または植え付け前の2年以上、有機肥料で土作りを行った農地で生産されたもの
無農薬栽培
オーガニックとよく混同されるのが、無農薬栽培だ。その名の通り、農薬を使用しない栽培を意味する言葉ではあるが、これはその作物に限ってのこと。それ以前の農薬との関係がわからないにも関わらず、あたかも安全であるような雰囲気がわかりにくいとの指摘を受け、農林水産省のガイドラインではその言葉の使用を禁止している。
バイオダイナミック農法
宇宙のリズムが地球や食物に与える影響を考え、独自の農業カレンダーを用い、種まきや収穫を行う。ルドルフ・シュタイナーが提唱した最も古い有機栽培方法だとされている。化学肥料や農薬を使わないのはもちろん、花や牛糞、水晶、樹皮などから生成された独自の調合剤(薬のようなもの)を使うのも特徴的だ。
3. オーガニック用語集-上級者編

マクロビオティック
カタカナ、横文字だがこの思想を考えたのは日本人。桜沢如一という人で、マクロは大きい、ビオは生命、ティックは学を意味する言葉である。身土不二、一物全体、陰陽調和の3原則に基づき、玄米菜食を基本とする。日本だけでなく、海外セレブからも非常に人気の高い食スタイルである。
特別栽培農産物
化学肥料や農薬を既存の半分以下に減らして栽培した農作物について、つけられる名称。どれくらい減らしたかという削減割合も同時に表示することが義務付けられている。有機JASマークをつけることができないが、化学肥料や農薬を使わずに育てた野菜についてつけられることもある。
在来種とF1種
在来種とは、品種改良がなされていない種のこと。何代にもわたって、タネを取りながら育てていく固定種のひとつで、その風土に合わせて適応し、美味しく育つようになった品種のことを指す言葉である。対してF1種は人工的に作られたタネのこと。優性形質だけが現れる1代限りのタネで、形や大きさが揃うので大量生産に向いているとされている。結果的にタネは毎年、購入する必要がある。
結論
オーガニックとは有機を指す言葉。化学肥料や農薬を使わずに、自然に即した形で育てた農作物や畜産物、ならびにそれらを使った加工品のことを指している。オーガニックにまつわる用語集には似たものが多くわかりづらいところもあるが、徐々に覚えていくとよいだろう。
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