1. レバーペーストってどんな食べ物?
レバーとは肝臓のことであり、「キモ」とも呼ばれる部位である。レバーペーストは牛・豚・鶏などのレバーを加熱してすり潰し、調味した料理のことをいう。日本ではまだあまりレバーペーストはなじみがないかもしれないが、レバーをすり潰し調理したものを腸詰にしたものなど、さまざまな加工を施して活用されている。
レバーペーストを調理する際には、たまねぎやセロリ、にんじんなどの野菜と、ワインやブイヨン、ローリエといったハーブも使用される。本場フランスやドイツでは家庭料理として知られており、瓶詰めや缶詰の製品も多く市販され親しまれる国民食だ。
レバーはにおいやクセが強く、苦手に感じる人も多いかもしれない。しかし、レバーペーストに加工すると臭みがなくなり、食べやすくなる。
レバーペーストは、薄切りのパンに塗るのが定番の食べ方だ。ほかには野菜スティックに付けたり、カナッペやサンドイッチの具にも使われたりする。レバーペーストはそのまま食べても美味しいが、加熱して食べることも可能だ。パスタソースやリゾット、ドリアなどに混ぜると料理の隠し味になり、レバーが苦手な人でも食べやすくなる。
2. レバーペーストの栄養成分は?
レバーペーストのカロリーは100gあたり378kcal。大さじ1杯(15g)では約57kcalである。どのような栄養素が豊富なのか見ていこう。
- ビタミンA
目や皮膚の粘膜を健康に保ったり抵抗力を強めたりする働きがある。ただし、ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、摂取しすぎると過剰症になることも。成人男性におけるビタミンAの耐用上限量は、1日あたり2,700μgである。レバーペーストには100gあたり4,300μgのビタミンAが含まれているため、1日に食べてよい量は60g程度と考えるとよいだろう。
- ビタミンB12
水溶性ビタミンのひとつで、葉酸とともに正常な赤血球の成熟に関わっている。アミノ酸や脂肪酸の代謝の補酵素ともなる。
- 鉄
赤血球をつくるのに必要な栄養素。酸素と結びつき、酸素を肺から身体のすみずみまで運ぶ働きがある。レバーペーストにはとくに鉄が豊富に含まれるが、ほかにも銅や亜鉛、ナトリウム、カリウム、リンなどのミネラル類が含まれている。
3. レバーペーストを作るときのポイントまとめ
レバーペーストを家で作るときには、基本的には次のような流れで行う。
- レバーの処理
- 野菜と炒める
- 調味料を合わせる
- 撹拌と冷蔵
それぞれの作業でのポイントを紹介していきたい。
- レバー処理のポイント
レバーは新鮮でつやのあるものが理想的だ。レバーは筋や血管、血の塊を取り除く。流水で洗うほか、牛乳に5〜10分浸しておくと臭みが抜ける。レバーペーストを美味しく仕上げるためには、下処理をしっかり行うのが重要である。
- レバーペーストに使う野菜とは
レバーペーストに使用する調味料は、白ワイン、生クリーム、バター、塩、こしょうなど。ワインの代わりにブランデーでも代用できる。生クリームやバターはなくても作れるが、ねっとりと濃厚なレバーペーストが好みの場合は使用してみよう。調味料は野菜やレバーを加熱する工程や、攪拌の工程で加える。
- 撹拌のポイント
調味したレバーと野菜は、フードプロセッサーやミキサーで滑らかになるまで撹拌する。冷めると脂が固まってしまうので、温かいうちに行うのがポイントだ。混ざりにくい場合は、白ワインか生クリームを加えるとスムーズに撹拌しやすくなる。
結論
フランスやドイツの家庭料理として知られるレバーペーストは、レバー独特の臭みが少ないので苦手な人でも食べやすいレバーの代表的な料理である。鉄やビタミンB12が多く、とくに貧血の人におすすめだ。意外と簡単に作れるレバーペーストを自宅で楽しもう。
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