1. 【大栄愛娘】の特徴

千葉県成田市で育まれるさつまいも
千葉県成田市といえば成田空港。千葉県はさつまいもの一大産地であるが、成田市でもさつまいもの栽培が行われている。ここで栽培されているのが「大栄愛娘」である。大栄愛娘は、JAかとりのオリジナルブランドであり、ここでしか栽培されていない希少なブランド芋だ。ここで、成田市で栽培されているのに、なぜJAかとりのブランド芋になっているのか疑問に思うだろう。実は大栄愛娘が栽培されている成田市と、JAかとりを有する香取市は隣に位置しており、大栄愛娘が栽培されている地域がJAかとり管内にあるのだ。
大栄愛娘の特徴
成田市の農家がこだわりを持って栽培している大栄愛娘は、しっとりとした食感と上品な甘さが特徴的だ。大栄愛娘は、栽培方法はもちろん、収穫後にもこだわりが詰まっている。キーワードは45日間。およそ1ケ月半にも及ぶ長い期間を熟成期間としているのだ。熟成期間とは、収穫後のさつまいもを寝かせる期間を指すが、収穫したものを放置しているだけでは美味しくならない。大栄愛娘の場合、最低でも45日間は貯蔵庫で適温管理しなければならない。秋から冬にかけての1ケ月半は、気温、湿度ともに大きく変化していく。その間、熟成に適した環境を守り続けなければいけない。こうしたこだわりを経て、やっと大栄愛娘として出荷が許されるのだ。
2. 大栄愛娘の旬と選び方

大栄愛娘の旬
さつまいもの旬は9~11月である。しかし、さつまいもは収穫後に貯蔵させることで、熟し甘くなる性質をもっている。そのため、収穫の最盛期を迎えるのは9~11月だが、熟させてから出荷する場合は、これよりも遅い時期が旬となる。収穫後、45日以上は寝かせることが決まっている大栄愛娘も、ほかのさつまいもと比べ、出回る時期は1カ月半以上後ろにずれこむ。そのため、大栄愛娘の旬は11月以降と思ってよいだろう。
美味しい大栄愛娘の選び方
JAかとりのブランド品種として、栽培、収穫、貯蔵管理がしっかりなされている大栄愛娘は、非常によい状態で市場に出回る。そのため、美味しくない大栄愛娘を見つける方が困難だといえるだろう。しかし、店頭に並ぶ大栄愛娘の中で1番品質のよいものを選びたい、という欲が出ることもある。そのときはまず、切り口を見るとよい。蜜の多い甘いさつまいもだと、切り口から蜜が流れ出てくることがあるからだ。それが黒い跡として切り口周辺に残るため、切り口部分を観察するだけでも、甘い大栄愛娘を選ぶことができる。また、品質管理がしっかりされている大栄愛娘でも、流通過程で傷がつくこともあるため、表面もしっかり観察しておくと安心だ。
3. 大栄愛娘のおすすめの食べ方

まずは本来の味を堪能しよう
しっかり熟成させた大栄愛娘は、どの調理法でも美味しく食べられる。しかし、まずは大栄愛娘本来の味を楽しむために、焼きいもや蒸かしいもにして食べてほしい。熟成により、ほかのさつまいもより甘いのが分かるだろう。そのあとで、残った大栄愛娘をさつまいもご飯や煮物、天ぷらなどの料理に使うことで、味の変化を楽しめる。せっかくなので、さまざまな料理で大栄愛娘を堪能してほしい。また、大栄愛娘をお菓子の材料にするのもおすすめだ。甘みの強いさつまいもは、お菓子作りによく使われるが、上品な甘さをもつ大栄愛娘もお菓子の材料にはぴったりだ。
美味しいスイートポテトの作り方
皮をむいた大栄愛娘を輪切りにし、水にさらす。こうすることでアク抜きができ、きれいな黄色のスイートポテトに仕上がるのだ。大栄愛娘を茹でてやわらかくなったら、熱いうちに裏ごしをする。裏ごしの仕方によって、スイートポテトのなめらかさが変わるので、ここは丁寧にかつ手早く行いたい。裏ごしができたら、バター、砂糖、牛乳、卵黄を加えて混ぜ合わせる。最後に、小判型にまとめてオーブンで焼けば、美味しいスイートポテトの完成だ。オーブンで焼く直前にスイートポテトの表面に卵黄を塗ると、焼きあがったときにツヤが出るため、余裕があればやってみよう。
結論
愛娘という名がつくのも納得できるほど、丁寧に栽培されている大栄愛娘。とくに45日以上も寝かせて熟させるのは大栄愛娘ならではの方法であり、ここに農家の愛情を感じる。熟成されたさつまいもの味わいを知りたいなら、大栄愛娘はおすすめのさつまいもだ。
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