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このわた(海鼠腸)とはどんな珍味?気になる味や食べ方も紹介

このわた(海鼠腸)とはどんな珍味?気になる味や食べ方も紹介

投稿者:ライター 徳田藍子(とくだあいこ)

監修者:管理栄養士 小林里穂(こばやしりほ)

鉛筆アイコン 2021年6月24日

三大珍味と呼ばれている海鼠腸(このわた)を知っているだろうか?日常的に口にする料理ではないが、日本酒好きの間では有名で、酒の肴としても不動の人気を誇る。今回は、あまり知られていない海鼠腸の正体や味、食べ方、入手方法や価格について紹介していこう。磯の香りを感じられるこのわたをぜひ味わってみてもらいたい。

  

1. 三大珍味の一つ・このわた(海鼠腸)とはどんなもの?

食べたことのない人にはその正体や味がわからない海鼠腸。「このわた」と読むこの三大珍味のひとつには、どんな特徴があるのだろうか。ほかの三大珍味と合わせて、このわたについて概要を紹介する。

このわた(海鼠腸)とはなまこの腸の塩辛のこと

このわたとは、なまこのはらわたを塩漬けしたもののことだ。昔、愛知県の沖合で、漁師がなまこのはらわたを塩漬けにし、数日後に食べてみるととても美味しい塩辛になっていたことから生まれた食品だ。さらにその美味しさは京都御所にも伝わり、徳川将軍の希望により献上されるようになった。将軍をも魅了するこのわたは、口に入れた瞬間に芳醇な磯の香りを感じられ、独特の粘りのある食感が特徴だ。江戸時代には、愛知県産のこのわたは、長崎県産のからすみ、福井県産のうにとともに天下の三珍として珍重されていたという。このわたは現在も、なまこの腹を切って非常に丁寧に腸を取り出して作ることを特徴としている。そのため量産がきかず、いまも珍味として愛されているのである。

このわた(海鼠腸)の名前の由来

このわたとは、とても変わった名前だ。その由来は諸説ある。なまこのはらわたの塩辛を献上した際に「このわたは、何だ?」と聞かれたことからその名がついたという説や、なまこの生の海鼠(こ)の腸からできていることが由来になったといういい伝えもある。いずれにしても、10世紀の延喜式や15世紀の庭訓往来にはすでにその名を残している。ちなみにこのわたの英名は「the salted entrails of the sea cucumber」である。

このわた(海鼠腸)の栄養やカロリー

このわたとはこれまで縁がなかったという人も、気になるのはカロリーや栄養ではないだろうか。文部科学省の食品成分表(※1)によれば、このわた100gあたりのカロリーは227kcalである。生のなまこのカロリーは、100gあたり22kcalであるからこのわたは高めであるといってよいだろう。また、その形状からも想像できるように水分が80.2gと多いのも特筆すべきことである。このわたに含まれる栄養には、以下のようなものがある。
このわた100g中の栄養素
  • たんぱく質 11.4g
  • ナトリウム 1800mg
  • カリウム 330mg
  • カルシウム 41mg
  • マグネシウム 95mg
  • リン 170mg
  • 鉄 4mg
  • レチノール 66μg
つまり、ミネラル類が豊富な食品であることが数字からも読みとれる。

2. このわた(海鼠腸)の味は美味しい?それともまずい?

このわたを味わったことがない人にとっては、おおよそ想像もつかないのがその味である。珍味といわれるくらいであるから、そうそう口に入る機会がないのも事実である。そもそも、このわたの原料となるなまこも口にしたことがない人も多いだろう。このわた好きの言によれば、潮の香りとあいまった甘みが特徴といわれている。一方、このわたがまずいと感じる場合は、鮮度が落ちていたり、あるいは独特の食感やなまこの形状が苦手という可能性もある。このわたを食べる場合は、まずは鮮度を確認するのが美味しく食べるための最重要事項といえるだろう。

3. このわたの(海鼠腸)のおすすめの食べ方

このわたは、そのまま食べても美味しいがさまざまなアレンジを加えた食べ方が存在する。水分が多いこのわたは、自家製のものならば塩を効かせても3日を限度に食べきるのがルールである。市販のこのわたも、開封後はなるべく早く食べきるよう明記されている。それではこのわたの美味しい食べ方を見てみよう。

このわた(海鼠腸)の和え物

なまこの腸からできているこのわたを、なまこと一緒に和えた親子和えもおすすめだ。なまこのコリっとした食感と、このわたのねっとりとした食感が絶妙にマッチする。ほかにも細く切ったイカや、甘エビとこのわたを和えて食べるのもおすすめだ。磯の香りを感じられるこのわたは、海の幸との相性を楽しむのもいいだろう。

このわた(海鼠腸)酒

酒好きにはたまらない大人の楽しみ方が、このわた酒だ。少量のこのわたを熱燗に加えることで、ふわっと香るこのわたの風味が楽しめる。まさに大人の珍味の嗜み方だ。

このわた(海鼠腸)合わせ

このわたにうずらの卵を落としたり、とろろと合わせたりして食べるのもおすすめだ。このわたの味わいが滑らかになり、初心者でも楽しみやすい食べ方になる。

4. 美味しいこのわた(海鼠腸)の作り方

新鮮ななまこを手に入れたら、自分でこのわたを作ることができる。それにはなまこのさばき方も必要になってくる。なまこのさばき方とともに、このわたの作り方を見てみよう。

このわた(海鼠腸)を作れる時期

美味しいこのわたを作るためには、新鮮ななまこの入手が必須である。日本には200種類生息するといわれるなまこは、現在は青森産や北海道産が主流である。ほぼ1年を通じてなまこは出回っているが、11~3月の寒い時期にかけてとくに美味しくなるとされている。このわたも、この時期のなまこを使うのがベターである。

このわた(海鼠腸)のさばき方

なまこはまず腹側を上にしてさばいていく。両端にある口と肛門を切り落としたら、包丁で腹側を開く。中から内臓と卵巣は取り出しておく。これがこのわたになる。あとは身の部分を食べやすくカットして酢の物にしたり、このわたと合わせたりして食べるといいだろう。

このわた(海鼠腸)の作り方

なまこから取り出しておいた腸と卵巣を塩水で洗う。塩水を変えながらよく洗ったら、水切りをしておく。あとは、日本酒で洗って臭みを抜き、塩と混ぜ合わせる。一晩冷蔵庫で寝かせたら完成だ。

5. このわた(海鼠腸)の値段とおすすめ通販商品

日本三大珍味であるこのわたを食べてみたい人は、手軽に通販で購入するのがおすすめだ。通販で購入できるこのわたを紹介しよう。内容量により前後するが、瓶詰1本あたり2,000円台で購入できる。

すぎ省水産株式会社「このわた」

能登なまこを使ったこのわた。七尾湾で採れたなまこは知る人ぞ知る逸品として人気がある。そんななまこを絶妙な塩加減で漬け込んでいるので、口に入れた瞬間にこのわたの濃厚な旨みを感じることができる。

シーフードマックス「このわた」

山口県産のなまこ一匹から一本しか採れない腸を使用している、まさに珍味だ。口に入れると感じる磯の香りは、海を感じさせられる美味しさ。酒の肴にもピッタリだ。

結論

このわたはなまこの腸を塩漬けしたもので、日本三大珍味の1つだ。このわたはそのまま食べても美味しいが、ほかの海鮮と和えたり、日本酒とともに味わったりするのがおすすめだ。さらにこのわたは新鮮ななまこがあれば、自宅でも作ることができる。余すことなくなまこを楽しみたい人は、自分でこのわたを作ってみるのもいいだろう。
(参考文献)
(※1)運営元:文部科学省 
該当ページ名:魚介類(なまこ・このわた)
このわた https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10373_7
なまこ https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10372_7
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  • 公開日:

    2021年3月28日

  • 更新日:

    2021年6月24日

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