目次
- 糸引き納豆:16.5g(※1)
- ひきわり納豆:16.6g(※2)
- 木綿豆腐:7.0g(※3)
- 絹ごし豆腐:5.3g(※4)
- 生揚げ:10.7g(※5)
- 豆乳:3.6g(※6)
- 40gパック:糸引き納豆6.6g、ひきわり納豆6.6g
- 45gパック:糸引き納豆7.4g、ひきわり納豆7.5g
- 50gパック:糸引き納豆8.3g、ひきわり納豆8.3g
- 「おかめ納豆極小粒」1パック50g:8.4g(納豆のみ7.8g)(※7)
- 「国産丸大豆納豆」1パック40g:7.0g(納豆のみ6.7g)(※8)
- 「旨味ひきわり」1パック45g:8.2g(納豆のみ8.0g)(※9)
- 「舌鼓」1パック40g:7.3g(納豆のみ7.1g)(※10)
- 「国産大きなひきわり」1パック40g:8.3g(納豆のみ8.1g)(※11)
- 牛サーロイン肉:タンパク質17.4g、カロリー273kcal(※15)
- 豚ロース肉(大型種肉):タンパク質19.3g、カロリー248kcal(※16)
- 鶏もも肉:タンパク質17.3g、カロリー234kcal(※17)
- 男性18~64歳:65g、65歳以上:60g
- 女性18歳以上:50g
- 男性30~49歳:99~153g、50~64歳:91~130g
- 女性30~49歳:76~118g、50~64歳:79~113g
- 男性18~64歳:約13%、65歳以上:約14%
- 女性18歳以上:約17%
- 男性30~49歳:約5~9%、50~64歳:約6~10%
- 女性30~49歳:約7~11%、50~64歳:約7~11%
- ※1~6:豆類/だいず/[納豆類]/糸引き納豆|文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04046_7
- ※7~9:「おかめ納豆極小粒」|タカノフーズ株式会社 http://www.takanofoods.co.jp/products/detail.php?id=2
- ※10~11:あづま食品株式会社 https://www.adumas.co.jp/familyproduct/product_0006/
- ※12出典:公益財団法人日本食肉消費総合センター「食肉に含まれるタンパク質の特徴は?」 http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui4/q_078.html
- ※13出典:全国納豆協同組合連合会「納豆菌と納豆酵素は"薬"に勝る整腸剤」 http://natto.or.jp/hyakka/ped_tyoju03.html
- ※14:三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
- ※15~17:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11071_7
- ※18~20出典:公益財団法人日本豆類協会|公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット https://www.mame.or.jp/eiyou/eiyou.html
- ※21:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
- ※23:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html#q08
- ※22出典:農林水産省大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/
- ※24出典:帝京大学薬学部物理化学講座薬品分析学教室金子希代子「食品中プリン体含量(mg/100g)」 https://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf
- ※25出典:公益財団法人痛風・尿酸財団「食品・飲料中のプリン体含有量」 https://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447
- ※26:ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量|公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html
1. 納豆のタンパク質の量とは

納豆に含まれるタンパク質量について、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のデータをもとに見ていこう。
納豆100gのタンパク質の含有量
一般的な糸引き納豆も、細かくしたひきわり納豆も、タンパク質量はほぼ同じである。下記のようなほかの代表的な大豆製品と比較すると、タンパク質含有量は多めといえるだろう。
納豆1パックのタンパク質の含有量
納豆はパック入りで販売されていることが多いが、1パックあたりの重量は商品により異なる。一般的な納豆パック1個あたりのタンパク質量は下記の通りだ。(※1、2)
市販の納豆1個のタンパク質量
市販品の納豆は、商品によりタンパク質量が異なる。代表的な商品1パックあたりのタンパク質含有量は下記の通りである。
タカノフーズ株式会社
あづま食品株式会社
2. タンパク質だけじゃない!納豆が筋トレに人気な理由

納豆は大豆製品のなかでもタンパク質含有量が多いが、筋トレをする人に好まれやすいのには下記のような理由もある。
タンパク質の吸収がよい
タンパク質は、食品により体内での吸収率が異なる。納豆に含まれるタンパク質は、植物性タンパク質である。食肉などに含まれる動物性タンパク質の吸収率は97%と高いが、植物性タンパク質は84%と比較的低い(※12)。
しかし、発酵食品である納豆にはタンパク質分解酵素であるプロアテーゼが含まれる。タンパク質が効率よくアミノ酸に分解されるため、大豆製品のなかでもタンパク質が吸収されやすい食品なのだ。(※13)
アミノ酸のバランスがよい
摂取したタンパク質がアミノ酸に分解され吸収されることで、体内でタンパク質が合成され筋肉などのもととなる。効率よく筋肉をつくるには、とくに体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む食品を選ぶことが重要である。納豆などの大豆製品は、肉や魚、卵、乳類などとともにアミノ酸のバランスがよい(アミノ酸スコアが高い)食品とされるため、筋トレにも効果が期待できる。(※14)
カロリーが低い
納豆の100gあたりのカロリーは、糸引き納豆が190kcal(※1)、ひきわり納豆が185kcal(※2)である。タンパク質が多い食品には、下記のように高カロリーなものも多い。
このような食品と比較すると納豆のカロリーは高くないため、日常的に取り入れやすい。
栄養が豊富
納豆には、タンパク質のほかにもさまざまな栄養素が含まれている(※1、2)。ミネラル類ではカリウムやカルシウム、リン、マグネシウム、鉄などが多く、生体組織の構成や機能の維持、調整に役立つ。ビタミン類ではビタミンB群が豊富に含まれ、代謝やエネルギー産生の促進に役立つ。(※18)
また、納豆にはビタミンKが多く含まれる。ビタミンKには血液凝固や骨の形成を促す働きがあり、骨粗しょう症の予防にも役立つ。(※19)食物繊維量も多く、便秘の予防や改善、整腸作用のほか、生活習慣病の予防にも効果が期待できる(※20)。
3. タンパク質が多い納豆は一日1パックが目安

納豆はタンパク質を効率よく摂取できるうえに、さまざまな栄養素を含む。さらにそのまま食べられるため、日常の食事に取り入れやすい。では、一日あたりの適量はどのくらいなのだろうか。食べ過ぎにリスクがあるのかという点も見ていこう。
一日のタンパク質摂取量の目安
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(※21)によると、タンパク質の一日あたりの摂取推奨量は下記の通りである。
日常的に筋トレをする場合は、下記の「身体活動レベルⅢの目標量」を目安にするとよいだろう。
上記の目安を基準とすると、納豆1パック(50g、タンパク質量8.3g)では、一日あたりのタンパク質摂取量のうち下記の割合を摂取できることになる。
一般的な推奨量を目安とした場合
身体活動レベルⅢの目標量を目安とした場合
納豆食べ過ぎのデメリット
納豆には大豆イソフラボンが含まれている。健康への影響を考慮し、大豆イソフラボンアグリコン(体内で糖の部分が分離したもの)に関して、一日の摂取目安量の上限値が70~75mgとされている(※22)。納豆100gあたりの大豆イソフラボンアグリコンの平均含有量は73.5mgである(※23)。
さらに、納豆100gあたりには113.9mgのプリン体が含まれる(※24)。プリン体を過剰摂取すると尿酸値が上がり痛風を引き起こすため、一日あたり400mgが上限の目安とされている(※25)。
大豆イソフラボンもプリン体も、ほかの食品にも含まれる。そのため、納豆の摂取量は一日1~2パック程度が安全である。
4. 納豆のタンパク質の効果的な摂取方法

タンパク質の摂取を目的に納豆を食べる際には、食べ方を工夫するとよい。下記のような食べ方を心がけると、納豆のタンパク質をより効果的に摂取、利用することができる。
納豆ごはんにする
穀類にはアミノ酸のリシン(リジン)が不足するが、豆類のタンパク質にはかなり多く含まれる。そのため、納豆などの大豆製品を米と一緒に食べることで、アミノ酸のバランスが整う。納豆を食べる際には、納豆ごはんにするとより効率よくタンパク質を利用することができるのだ。(※18)
ビタミンB6を意識する
ビタミンB6には、アミノ酸の代謝を助ける補酵素としての働きがある。そのため、タンパク質とともにビタミンB6を摂取すると効果的だ。ビタミンB6は、モロヘイヤやブロッコリー、玄米、ごま、カツオ、サバ、などさまざまな食品に含まれる。(※26)
結論
納豆はタンパク質を多く含む食品だが、食べ過ぎによるデメリットもあるため、摂取量は一日50g程度が目安となる。一日のタンパク質摂取推奨量を満たすことは難しいため、ほかの食品からも補う必要がある。しかし納豆は、そのまま食べられる、さまざまな栄養成分を含むなどメリットも多い。ほかの食品と組み合わせながら上手に食生活に取り入れよう。
(参考文献)