目次
1. シラスの旬はいつ?産地によって違う?

スーパーや鮮魚店で販売されているシラスは、主にカタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシの稚魚である。茹でると白くなることから、この名がついたとされている。実はシラスは、禁漁期間が求められることがあるため、県によって流通に差が出る。ちなみに旬にはもっとも栄養価が高く、美味しい季節、また出盛り=出荷量の多い季節という2つの意味を持つ。ここでは産地によって異なる旬を詳しく調べていこう。
シラス漁は時期が決まっている
シラスは稚魚なので、漁獲量が増えるとその分、生魚になるイワシが少なくなる。これはイワシだけでなく、海洋生態系、ひいては地球の生態系に大きな影響を与えることとなる。このために、シラスの産地は往々にして、禁漁期間を設定しているのだ。地域ごとに海流や海面温度が異なるため、イワシは生息域を移動する。このため、地域ごとにシラスの旬が違うという現象が起きるのだ。
有名な産地1.兵庫県
兵庫県は、シラスの漁獲量が全国1位である。瀬戸内海に浮かぶ淡路島は、県内随一の産地として知られている。淡路島では12~3月までの漁獲が禁じられている。
大きな意味での旬は、4~11月だ。なかでも4~5月の春と9月中旬~11月の秋は味わいがよいとされる時期だ。
有名な産地2.静岡県
静岡県もシラスの産地として有名だ。駿河湾をはじめ、安倍川、興津川、富士川の河口でも漁獲される。静岡県の禁漁期間は、1月15日から3月20日まで。
大きな意味での旬は、3~10月だ。特に6~9月は海中にプランクトンが多いため、エサが豊富になり、旨いシラスが採れるとされている。
有名な産地3.神奈川県
関東近県でシラスといえば、神奈川県が産地としてポピュラー。駿河湾で漁獲されたシラスは鎌倉や江ノ島で名物として愛されている。禁漁期間は、1~3月だ。
大きな意味での旬は4~12月と長い。なかでも4~5月は特に旨く、この時期のシラスは春シラスと呼ばれることもある。
有名な産地4.和歌山県
和歌山県では、和歌浦湾、湯浅湾、田辺湾、新宮沖などがシラスの産地だ。和歌山県は禁漁期間がないため、漁獲が少ない時期もあるが、大きな意味では1年中が旬だ。なかでも、3~5月と9~10月は春シラス、秋シラスと呼ばれ、より甘みがあるとされている。
有名な産地5.大分県
九州地方でシラスといえば、大分県が有名だ。別府湾や佐伯湾が産地で、こちらも禁漁期間がない。このため大きな意味では1年中が旬だ。なかでも最盛期は9~10月中旬だ。
2. 生シラスの旬はその日限り?

ひとくちにシラスといっても、その形状はさまざま。スーパーにあるのは、シラス干しや釜揚げシラス、ちりめんじゃこが基本だ。これ以外に生シラスも存在する。しかしこの生シラスは、広く流通しているとは言い難い。ここではその理由、旬のシーズンについて調べてみよう。
生シラスが傷みやすい理由
生シラスに限らず、魚介はそのままの状態では日持ちしないものが多い。生シラスは中でも水分量が多いため、腐敗しやすい。このため、漁獲された当日しか食べることができないとされてきたのだ。このため、日持ちを考慮する場合は釜揚げシラスを選ぶのが正解だ。
生シラス丼を食べたいなら産地にいくべし!
技術の進歩に伴い、生シラスを急速冷凍して輸送、保存することも可能にはなったものの、やはり採れたての味には叶わない。美味しい生シラスを食べたいのなら、旬の時期に産地に赴くのがおすすめだ。
3. 旬のシラスを美味しくいただく料理は?

シラスはそのままでももちろん旨いが、料理に使うことも可能だ。釜揚げシラスやシラス干し、ちりめんじゃこなら、塩分を感じるので、調味料としての役割も果たしてくれる。どんな料理に向いているのかチェックしていこう。
ごはんもの
ごはんとシラスの相性は言わずもがな。そのままシラスをどっさり乗せて丼にしたり、チャーハンに入れたりしても旨いだろう。シラス丼やシラスごはんは、梅干しやしそ、ネギなどの薬味を合わせるとぐっと爽やかな味わいになる。
パスタ
シラスの旨みは、パスタにも最適だ。シラスの塩気があるため、調味料は控えめにするといい。唐辛子や青唐辛子など、辛味を利かせたペペロンチーノのほか、野菜を合わせて醤油味の和風パスタにしてもいいだろう。美味しく作るコツは、シラスを炒めすぎないこと。
野菜煮・蒸し
野菜とシラスを蒸し煮にするのもおすすめだ。シラスが出汁の役割をしてくれるので、甘みたっぷり。シラスの出汁を吸った野菜がまた旨い。旬の野菜を使うのがおすすめだ。鍋やフライパンで蒸し煮にする以外に、電子レンジを活用してもいいだろう。
卵焼き
シラスは卵とも相性抜群だ。卵焼きの具材にするもよし、あんかけにすれば、立派なメインのひとつになる。また野菜を合わせて、オープンオムレツ風にするのもいいだろう。青唐辛子や黒胡椒など、辛味でアクセントを加えるとシラスの甘みが引き立つ。
シラスおろし
和食の定番、シラスおろしは、使用する食材も少なく、簡単にできることから出番も多いはず。美味しく作るポイントは、大根おろしの水分を少し切ること。おろしたままだと水分が多すぎてしまう。仕上げにゆずやかぼすなど、柑橘類を絞るとぐっと風味がアップする。
結論
シラスの旬が地域によって異なるのは、禁漁期間が設けられていること、エサとなるプランクトン量の増減が関係している。近年では技術が進み、生シラスも冷凍で見かけることがある。普通のシラスやちりめんじゃこは、価格も比較的リーズナブルで栄養も満点。料理のアイデアを参考に、毎日の食事に取り入れてみてはいかがだろう。