- ※1出典:文部科学省「魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10134_7
- ※2出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「タンパク質」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/protein/
- ※3出典:特定非営利活動法人 日本成人病予防協会「カリウム ~体に必要な「ミネラル」ってなんだろう??~」 https://www.japa.org/tips/kkj_0802/
- ※4出典:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンD」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_d/
- ※5出典: 一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「ナイアシン」 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/niacin/
1. 白鮭とは
世界中で最も多く鮭を食べるといわれている日本人だが、中でもとくに親しまれているのが白鮭だ。生鮭・塩鮭・銀鮭・サーモンのように、いろいろな種類がある鮭だが、白鮭の特徴とは?
特徴や旬の時期について
白鮭の生態は、ほぼ100%が日本で水揚げされている天然ものだ。春先に孵化する稚魚は、河川を流下して海に出たあとに水温の上昇とともに北上する。そこから北太平洋で数年を過ごして成熟すると南下する。その後、生まれた河川を目指して秋に遡上する。白鮭は秋鮭の名で知られており、旬の時期は9~11月だ。では味はどうなのだろうか。実際に食べた人の口コミをチェックしてみると、淡白で脂が少なくさっぱりとして美味しいという声がある。
様々な名称
先述したように秋鮭の名で知られる白鮭だが、獲れる時期によって鮭児(けいじ)や時知らず、メジキ、銀毛(ギンゲ)、ブナと呼ばれている。
2. 白鮭とほかの種類の鮭との違い
ここでは白鮭以外の鮭の種類と特徴を紹介しよう。
銀鮭の特徴
銀鮭は三陸地方で養殖が盛んだが、白鮭と異なりチリやロシア、アメリカからの輸入量が多い魚だ。旬は5~7月にかけての時期。やわらかな口当たりやほどよい脂ののりが特徴で、いろいろな料理に使える。
紅鮭の特徴
紅鮭は国内で水揚げ量が少なく、おもにアメリカやカナダ、ロシアからの輸入品が多い。旬の時期は5~8月頃で、白鮭とは対照的に赤みが強い。切り身のみならず、塩鮭や燻製の状態で販売されているものもある。
3. 白鮭の栄養
ここでは白鮭に含まれる栄養成分と摂取することで期待できる効果を紹介しよう。
栄養成分と効果
白鮭(可食部100gあたり)に含まれる栄養成分(※1)
タンパク質:22.3g
脂質:4.1g
炭水化物:0.1g
カリウム:350mg
リン:240mg
ビタミンD:32.0㎍
ビタミンB1:0.15mg
ビタミンB2:0.21mg
ナイアシン:6.7mg
ビタミンB6:0.64mg
ビタミンB12:5.9㎍
葉酸:20㎍
パントテン酸:1.27mg
白鮭に含まれる栄養成分の効果をピックアップして紹介する。タンパク質は血管や血液、ホルモンを作るなど実に多くの働きがある(※2)。カリウムは血圧を下げたり、筋肉と心筋の活動を正常に保ったり、便秘へ働きかけて老廃物の排泄の手助けをする(※3)。ビタミンDは骨の健康を保ち、カルシウムとリンの吸収を促進する働きがある(※4)。ナイアシンは全身で約500種の酵素の補酵素として働いており、神経症状を防いだり脂質や糖質を分解したり、エネルギー作りに効果が期待できる(※5)。
4. 白鮭を使った料理
最後に白鮭を使う料理をいくつか紹介しよう。
主な料理方法
白鮭を使う料理のおすすめのひとつが、シンプルな塩焼きだ。またムニエルやオーブン焼き、ホイル焼きのような焼き物をはじめ、大根と一緒に炊いたり、お肉の代わりにシチューに入れたり、いろいろな調理に応用が利く。さらにクリームやマヨネーズ、チーズと相性がよく、家庭で気軽に作る洋食メニューに重宝する。ほかにも脂に生臭みが少なく、冷めても美味しいのでお弁当のおかずにおすすめだ。とくに白鮭は鮭の中で脂肪が少ないため、フライのように油を使用する料理も、くどすぎずに美味しく仕上がる。ちなみに新鮮で品質のよい白鮭を選ぶポイントは、お腹のまわりと身全体にハリがあり、縮みやしぼんでいないものがおすすめだ。
結論
白鮭の特徴や含まれる栄養成分、食べると期待できる健康効果を紹介した。先述したように白鮭は鮭の中で割と脂肪が少なめだ。その特徴を理解したうえで、料理によって使い分けると、よりいっそう鮭料理が美味しくなるだろう。
(参考文献)