目次
1. ヒイラギとはどんな魚?

ヒイラギと聞くとトゲのある葉を思い浮かべる人がいるようだが、魚のヒイラギを皆さんは周知しているだろうか?名前くらいは聞いたことがあっても、見ためでは判断できない......という人もいるのでは?まず最初にヒイラギの名前の由来と特徴を紹介しよう。
名前の由来と特徴
ヒイラギという名前の由来は形が柊(ヒイラギ)の葉に似ているからといわれている。分布するエリアは本州関東以南の各地や朝鮮半島南部、台湾、中国大陸沿岸、東シナ海西部など。近縁種のヒメヒイラギやオキヒイラギは本州南部以南に棲息しており、コバンヒイラギ、シマヒイラギ、セイタカヒイラギは、日本の琉球列島のみに棲息している。
ヒイラギの見ための特徴
ヒイラギの大きさは最大で全長15㎝ほどの小型魚だ。体型は卵形でいちじるしく側扁しており、尾柄部は細い。口は小さくて唇が薄く、捕食時には唇が前方に長く伸びるのが特徴だ。体色は青みがかった銀白色で、背側に茶褐色の不規則な斑紋があり、後頭部や背ビレに黒褐色の斑点がある。また背ビレと尾ビレ、尻ビレは黄色みを帯びている。頭部と胸ビレ、背ビレの基底部まではウロコはなく、体の後半部は小さくてはがれやすいウロコで覆われている。
ヒイラギの性質
ヒイラギは内湾の砂泥底の浅場に棲息しており、河口の汽水域にも入るのが特徴だ。数十尾の小さな群れで暮らし、甲殻類や多毛類のような小型の底棲生物を捕食する。摂餌は口先を筒っぽく伸ばし、エサを吸い込むように食べる。産卵期は初夏で直径0.6~0.7mmほどの分離浮遊卵を、岸周辺の藻の多い海域で産む。孵化後は内湾の浅場で成長し、潮だまりで体長数cmの仔魚が群れるのが見られることもある。
ヒイラギの最大の特徴
ヒイラギの最大の特徴は体内に発光バクテリアを共生し、暗所で浮き袋の周辺が発光するところだ。この状態は雄が雌にアピールするため、もしくは逆光の中で自分の身体を保護色にするためと考えられている。また釣り上げたときは、前上顎骨と額骨をすり合わせてギーギーやグーグーと鳴く。
2. ヒイラギの美味しい食べ方

ヒイラギの調理法は煮付けにしても焼いても、味噌汁にしても素揚げでも美味しいといわれている。おすすめの食べ方をピックアップして紹介しよう。
煮ても焼いても美味しい魚
ヒイラギは煮ても焼いても美味しい魚だ。とくに美味しく味わえる調理法を紹介する。
ヒイラギの煮付け
旨みが強くて身離れのよいヒイラギは煮付けにして食べるのにおすすめだ。身はほどよい繊維質で煮付けるとしまるうえ、ほろほろと甘くて魚らしい旨みを楽しめるのが魅力のひとつ。砂糖とみりんで甘みを付け、こってりと煮ても美味しいし、酒や塩であっさりと煮ても美味だ。
ヒイラギの塩焼き
小魚だが焼くと内側から脂がしみ出て、ジュージューと音を立てるほどだ。食べると濃厚な旨みがあり、頭部を取って焼き上げると箸が止まらないほど美味しい。
ヒイラギの素揚げ
小ぶりのヒイラギのかたい頭部とトゲを切り離し、片栗粉をまぶして揚げる素揚げもおすすめの料理のひとつだ。表面はさくっとした食感が楽しく、丸ごと食べられるのが嬉しいポイント。塩こしょうやカレー塩をまぶしても美味しい。
ヒイラギの刺身
刺身で食べると旨みがあって、あっさりと上品ななかにも脂の甘みを感じられる。
3. ヒイラギを捌く方法と注意点

最後にヒイラギを捌く方法と注意点を紹介しよう。
ヌメリとトゲに注意
ヒイラギの体表は粘液が多量に分泌されるため、さわるとヌルヌルで独特のにおいがする。背ビレと尻ビレのトゲが鋭く発達しているのも特徴だ。指などに刺さると痛いため、釣れたときはメゴチばさみを使うとよい。食べる部分は少ないため、釣れてもリリースされることがあるが、先述したように美味しい魚だ。捌き方はボウルにヒイラギを入れ、たっぷりの塩をまぶす。手でかき混ぜるとヒレが刺さるためお箸でかき混ぜること。次に水で洗い流してヌメリをとる。これを1~3回ほど繰り返す。ヌメリが取れた魚を斜めに切ると頭と一緒に内臓と腹骨が取り除ける。これで下処理は完成だ。
結論
魚のヒイラギの特徴を紹介した。先述したように釣れてもリリースされることのあるヒイラギだが、煮たり揚げたり、塩焼きにしたり、揚げても美味しい魚だ。もし釣れたら、自宅に持ち帰って捌き、紹介した調理法で味わってみてはいかがだろうか。
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