目次
- ※1.厚生労働省登録検査機関・登録衛生検査所株式会社 日本食品エコロジー研究所「ウェルシュ菌による食中毒について」 https://jife.co.jp/cms/wp-content/uploads/2017/05/jifenews082.pdf
- ※2.近畿農政局「カレーの保存には注意が必要です!!」 https://www.maff.go.jp/kinki/syouhi/mn/foodpoisoning/curry.html
1. カレーが酸っぱいのはなぜ?

カレーが酸っぱくなる要因はひとつではない。通常食材が酸っぱいと感じる場合は腐敗が進行している可能性が高くなるが、スパイスを含むカレーはその判断が簡単ではない。まずはカレーが酸っぱくなる要因を見てみよう。
腐っているのが原因
カレーが酸っぱいと感じたら、まずは腐り始めていることを疑う必要がある。酸っぱい味だけではなく臭い、またカレーが糸を引いていたり異物が見える場合は特に注意する必要がある。一晩おいたカレーも健康に害を与える菌が増殖するケースも多く(※1)、異変には敏感になるのが得策である。
使っている食材が原因
腐敗や菌の増殖以外にも、カレーが酸っぱくなる要因はある。作りたてのカレーが酸っぱい場合の原因はなにか。カレーの味に深みをもたせるためにトマト、ヨーグルト、レモン、酢などを投入した場合、カレーが必要以上に酸っぱいと感じることもある。このような理由からカレーが酸っぱくなる場合には、味を調整するいくつかの方法があるので活用してほしい。
2. 酸っぱいカレーを美味しくするには

カレーにさまざまな食材を加えたことで酸っぱいと感じる場合には、いくつかの対処法で解決できる。酸っぱいカレーをより美味しく食べるためにはどんな工夫が必要なのか、いくつかの例を見てみよう。
味の調整方法
酸っぱいカレーの調整方法の基本、それは甘みを加えることである。砂糖を加えてもよいが、コクを出すためにはハチミツやリンゴのすりおろしを入れてもよい。あまり知られていないが、バナナをすりおろしてカレーに足してもとろみと甘みが加わって食べやすい。また本格的なカレーに仕上げたければ、チャツネというインドの保存食を活用する手もある。さまざまなフルーツやトマトを原料に作られるチャツネ、ペースト状のものが市販されていることも多く手軽に使えるのも魅力である。
3. カレーを酸っぱい味にしない保存方法

故意にカレーに酸味を加える場合はともかく、腐り始めたことを意味するカレーの酸っぱさには注意を要する。カレーを酸っぱくしないためには、保存の際にどんな工夫が必要だろうか。注意点とともに見てみよう。
保存に注意が必要な理由
保存に適したスパイスが使用されているカレーは、腐りにくいというイメージがある。また加熱することで有害な菌も死滅すると考える人は多いかもしれない。しかしカレーや煮込み料理の保存中に増殖するウェルシュ菌は、通常の加熱では滅菌できない。ウェルシュ菌は食中毒を引き起こす危険もあるため、とにかく増やさない用心が必要となる。(※1・2)
保存方法のポイント
カレーを酸っぱくしないためには、まず必要以上に作りすぎないことである。1回で食べきれる量を作るのがベストであることを覚えておこう。都合で多めのカレーを作った場合には、常温での保存は絶対に避けることである。(※2)急速冷凍して保存するのが最も危険が少ない。ジャガイモのように冷凍に向かない具材は入れずに作るなど、保存も考慮してカレーを作るとよいだろう。
結論
カレーが酸っぱいという現象には、酸味のある食材が原因である場合と腐敗が要因となるものがある。食材によって酸っぱい場合には、甘みを加えることで味の調整は可能である。いっぽう、腐ることによる酸っぱさは要注意である。食中毒を引き起こすケースもあるため、作ったカレーは正しく保存し最後まで美味しく食べきるようにしよう。
(参考文献)