目次
- ※1:厚生労働省「食品に関するリスクコミュニケーション」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/johokan/risk_comm/r_kekka_sakana/h170914/pdf/gijiroku.pdf
1. 玉ねぎについてる黒い粉の正体は?

玉ねぎは比較的日持ちすること、安定した価格帯、そして汎用性の高さから、家庭でも常備していることの多い野菜である。いざ、使おうとしたら黒いススのような粉がついていた、という事態に遭遇したことがある人もいるだろう。ここではまずその黒い粉の正体を探っていきたい。
黒カビ病が原因
玉ねぎの表面や皮の間についた黒いススのような粉は、黒カビ病が原因だと考えられている。この黒いススのような粉は、黒カビ病の黒い胞子である。胞子は根付いているわけではなく、ついているだけの場合が多い。また外側の皮部分や1枚剥いたところなど、比較的外側に発生することが多いのも特徴だ。(※1)
2. 玉ねぎの黒いカビの対処法

玉ねぎに時折ついている黒いススのような粉は、黒カビの胞子だということがわかった。カビと聞くと食べることができない気がしてしまうが、実際にはどうなのだろう?
取り除けば食べられる
黒カビ病にかかった玉ねぎを食べたことによる人体への影響は、報告例が乏しいためはっきりとはわからないが、一般的には取り除けば食べることができるとされている。
食べるためには、黒いススのような粉=黒カビ胞子の付着部分を取り除き、しっかりと洗い流すことが重要だ。(※1)もちろん可食部分まで黒いカビで覆われているような場合は廃棄する方がベター。ちなみに白や緑など、ほかの色のカビが生えることもある。さらには、さらに腐敗が進み、病気につながることもある。異臭がする、触ってぶよぶよしているなど、いつもとは様子が異なる場合は、残念ながら廃棄するほうがベターだ。
一般的には取り除けば食べられるが、子どもや抵抗力の低い人には控える方が無難だ。
3. 玉ねぎに黒いカビを生やさない方法

皮を剥くなどして付着部分を取り除く、しっかりと洗い流す、この2工程をしっかりと守れば、健康な大人であれば、黒いススのような粉がついた玉ねぎは食べることができるといえそうだ。しかし、そもそも黒カビが生える原因はどこにあるのだろう?正しい保存方法とともに学んでいこう。
玉ねぎの保存方法
玉ねぎにカビが生える原因は、ほかの場合と同じく湿度、湿気である。しっかりと乾燥をさせることで、カビの発生を抑制することができる。皮が茶色の普通の玉ねぎの保存は、風通しのいい冷暗所がベストである。ネットなどに入れて吊るすとよりいい。ちょうどいい場所がない場合は、新聞紙で包んでおくと湿気を吸い取ってくれる。
冷蔵保存?常温保存?
玉ねぎを冷蔵庫で保存する人もいるようだが、実際には冷暗所よりも賞味期限が短くなるとされている。冷蔵庫での保存に向いているのはカットした玉ねぎと新玉ねぎなど、水分の多いフレッシュなものだけである。
結論
玉ねぎの黒いススのような粉は、黒カビの胞子である可能性が高い。健康的な大人が食べる分には、しっかりと黒い粉を取り除き、洗い流せば問題はない。玉ねぎは比較的日持ちする野菜ではあるものの、カビが生えないように、風通しのいい場所で保存するのがおすすめである。
(参考文献)