目次
- 1. キムチは腐るのか腐らないのかどっち?
- 2. キムチが腐るとどうなる?傷んでいるかの見分け方
- 3. キムチは腐るとピリピリした味がする?
- 4. キムチが腐る原因とは
- 5. 腐ったキムチを食べるとどうなる?
- 6. お弁当やおにぎりのキムチは腐るのが遅い?
- (※1)一般社団法人農山漁村文化協会|イソチオシアネート-ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA http://lib.ruralnet.or.jp/
1. キムチは腐るのか腐らないのかどっち?

キムチが腐るかどうかは、作り方により異なる。
キムチ風漬物の賞味期限は短く腐りやすい
一般的に日本で売られているキムチは、日本人向けに作られたマイルドな味わいのものが多い。作り方としては、白菜の塩漬けに添加物や調味料などで味付けしたものが主流だろう。長い期間をかけて発酵させたのではなく、発酵したような風味付けを行ったものだ。そのため、キムチ風の漬物の場合、未開封でも食べられる日数は短い傾向にあり、腐りやすい傾向にある。
本格キムチは賞味期限が長く腐りにくい
一方で、韓国などで作られている手作りキムチは、白菜の塩漬け、薬味、魚介の塩辛、魚醤などを入れて発酵させる。できあがるまで約5日かかるため、時間の経過にあわせて発酵が進む。しっかり発酵させることが腐らない理由となるのだ。韓国の作り方で作られた本格キムチは、正しく保存すれば1年ほど日持ちするといわれている。ただ、保存方法によっては腐ることもあるため、気をつけたい。
2. キムチが腐るとどうなる?傷んでいるかの見分け方

賞味期限が切れていても、風味や味が多少落ちるものの、すぐに食べられなくなるわけではない。しかし、キムチが腐っている場合は避けたほうがよいケースもある。ここからは、キムチが腐るとどうなるのか、キムチが腐っているのかの判断基準を見ていこう。
カビが生える
キムチが腐ると、青や緑、黒い色、また場合によっては白い色のカビが生えることがある。カビを見つけたら、同じ容器に入っているキムチはすべて廃棄するようにしよう。一見、ほかはカビが生えていないように見えても、容器内にカビが飛び散っている可能性があり、食中毒につながることもあるからだ。
ネバネバしたぬめりがある
キムチが腐ると、白いネバネバとしたぬめりが出てくる。乳酸菌が発酵している状態のため、食べても問題はない。酸味が強くなるため早めに食べきるのがよいだろう。
変なにおいがする
キムチが腐ると、アルコールや腐敗したようなにおいがする。通常の酸っぱいキムチらしいにおいなら問題ないが、いつもと違うと感じた場合は処分が必要だ。
3. キムチは腐るとピリピリした味がする?

キムチは、乳酸発酵により炭酸ガスを発生させるため、炭酸飲料を飲んだときのようにシュワシュワと感じることがある。そのため、キムチからピリピリとした味がしても、腐っているとは言い切れない。また、キムチが苦いと感じたとしても、白菜の天然成分であるイソチオシアネート(※1)による苦みのケースもあり、その場合は食べても問題はないといわれている。
キムチが腐っているかは見た目や味で判断するのもよいが、いちばん安心なのは賞味期限を確認することだろう。1週間や1ヶ月過ぎたキムチは発酵が進み、酸っぱい味が強くなる可能性がある。キムチが腐ると酸味が強くなり、変色しはじめる。キムチが腐る前、つまり賞味期限より前に食べきることを心がけたい。もちろん、保存方法によっては賞味期限内でもキムチが腐ることがあるため、キムチは正しく保存することが大切だ。
4. キムチが腐る原因とは

では、なぜキムチは腐るのだろうか。ここからは、キムチが腐る原因について解説する。
雑菌の混入
キムチがカビなどで腐る原因として、まずは雑菌が挙げられる。キムチを容器から取るときに、一度、口をつけた箸で触れていないだろうか。人間の唾液には雑菌が含まれているため、箸を通して雑菌が容器に移り、雑菌が繁殖するのだ。キムチを取るときは、清潔な箸で必要な量のみを取り分けるのがよいだろう。
水分の混入
水道水などの水分には、細菌や不純物が含まれているため、水分がキムチの容器に混入すると、キムチが腐る原因となる。余分な水分が容器のなかに入らないよう、密閉性の高い容器を使用したり、水分が届かない場所で取り分けたりしよう。
保存方法が悪い
キムチが腐るのを避けるには、正しい保存方法が大切だ。密封されていない容器の場合、雑菌が入りやすく、キムチが傷む原因となる。そのため、しっかりと除菌された密閉容器で、空気が触れないようにキムチを保存するのがおすすめだ。また、キムチを保存する温度は5~10℃が最適とされているため、冷蔵庫のチルド室が適している。
白菜キムチであれば、空気をしっかりと抜いて冷凍保存するのがおすすめだ。冷凍状態から解凍するとシャキシャキとした食感が抜け柔らかくなるため、チャーハンや炒め物に使うのが向いている。
5. 腐ったキムチを食べるとどうなる?

キムチはその見た目だけでは食べられる状態なのか、判断がつかないことがある。キムチが腐る前に食べたつもりでも、食べたあとに味に違和感を覚えることもあるだろう。ここからは、腐ったキムチを食べたことで起こる可能性のある症状を見ていきたい。
腐ったキムチを食べた場合、腹痛や下痢、嘔吐、発熱など食中毒のような症状が出ることがある。脱水症状を起こさないよう、水分をこまめに摂って、毒素を体外へ排出しよう。市販の下痢止めでは毒素を体内に溜めてしまう恐れもあるため、症状が長引くのであれば病院の受診を強くおすすめする。キムチは腐る前に食べきるか、食べきれなければ冷凍保存するように心がけたい。また、食べられるか判断に迷ったら、キムチが腐るとき特有の特徴がないか確認したうえで、加熱調理したほうがより安心だろう。
6. お弁当やおにぎりのキムチは腐るのが遅い?

日本で売られているキムチ風漬物の場合、本格キムチよりも腐る可能性が高いわけだが、お弁当やおにぎりでもキムチは腐るのが早いのだろうか?お弁当やおにぎりで持っていくのであれば、唐辛子が入っているキムチをおすすめしたい。唐辛子が入っているキムチであれば、夏場でも長持ちするといわれているためだ。ただ、気温の高いなか、お弁当やおにぎりを常温で置いておくとキムチが腐る可能性がある。学校や職場などに持っていくのであれば、昼食まで冷蔵庫で保存しておくのが無難だろう。
結論
キムチは腐るのかをはじめ、傷んでいるかどうかの見分け方やキムチが腐る原因をまとめてきた。キムチを美味しく食べられるよう、ぜひ正しい保存方法を取り入れてほしい。また、腐ったキムチを食べたことで下痢や嘔吐などが止まらない場合は、速やかに病院で診断を受けることをおすすめする。
(参考文献)