目次
- ※1:文部科学省「果実類/(かんきつ類)/ゆず/果汁・果皮/生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07142_7
- ※2※4:財団法人長寿科学復興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/
- ※3:厚生労働省「ビタミンC」 https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html
- ※5:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「炭水化物と糖類について」 https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/download_files/other/topics_02.pdf
1. ゆずの食べ過ぎによる影響

ゆずは日本で古くから愛されている柑橘類の一種である。小粒で香りが高いところが特徴で、冬至にはお風呂に入れて柚子湯を楽しんだり、ポン酢などに使われたりすることも多い。ここでは食べ過ぎた場合、悪影響があるのかについてまとめていきたい。
ビタミンCの過剰摂取の可能性
ゆずの果汁には100gあたり40mg、皮には100gあたり160mgのビタミンCが含まれている。(※1)ビタミンCは、体内で生成できない水溶性ビタミンのひとつである。不足すると壊血病や貧血などを引き起こす可能性があるが、近年はサプリメントなどによる過剰摂取が問題視されることもある。虚血状態で細胞内の酸素濃度が低下する恐れがあるというのだ。結果細胞死を引き起こす危険性もあるとされている。(※2)また、吐き気や胃痙攣などを引き起こす可能性もある。(※3)成人のビタミンCの推奨量は1日あたり100mgなので、ゆずを少し食べただけでは過剰摂取になる可能性は低いが、サプリメントを摂取している場合や皮を使ったピールは食べ過ぎに注意したい。
食物繊維による消化不良
ゆずの果汁には100gあたり0.4g、皮には6.9gの食物繊維が含まれている。(※1)食物繊維は人の消化酵素で分解されない成分のことであり、便通の改善はもちろん、生活習慣病などにも効果があるとされる栄養素である。(※4)不足すると腸内環境の悪化など、さまざまな弊害がある。過剰摂取の心配はあまりないが、ゆずの皮を食べる場合は消化不良になる可能性も否定できない。こちらも過剰な摂取をしないよう注意したい。
加工品の糖質による肥満
ゆずはゆず茶やピールなど加工品になっていることも多い。加工品には砂糖が使われているものも多く、そういったものを食べ過ぎると糖質過多になる可能性が否定できない。結果として肥満や虫歯、ひいては糖尿病や心疾患に発展することも考えられる。こちらもあわせて過剰摂取を控えるのが得策といえるだろう。(※5)
2. ゆずの食べ過ぎにならない食べ方

ゆずに限ったことではないが、単一食品の食べ過ぎはバランスを欠くので健康にいいとは言いにくい。ゆずも然りだ。ここではゆずの1日の摂取量の目安を解説していこう。
1日の摂取量
ビタミンCは1日100mgが推奨量である。(※3)
ゆず1個は200g前後。皮と果汁を合わせると1個につきおよそ400mgのビタミンCが摂取できる計算になる。(※1)ただし、細かい分析があるわけでないこと、さらには個体差、個人差があるのでその辺りを鑑みて調整するといいだろう。
3. ゆずを食べることは身体にいい

ここまではゆずを食べ過ぎた場合の危険性を述べてきたが、ゆず自体は人間の身体にいい影響を及ぼす栄養素も多く含んでいる。ここではゆずの効能にフィーチャーしていこう。
栄養成分と効能
前述の通り、豊富なビタミンCが含まれているので風邪予防にも効果的である。また、豊富な食物繊維は腸内環境の改善のほか、血糖値やコレステロールの低下にも一躍買ってくれる可能性がある。
結論
ゆずはビタミンCを多く含む柑橘類のひとつである。そのほか食物繊維も含んでいる。これらはどちらも身体に欠かすことのできない栄養素だ。であるがゆえに、効能と危険は紙一重。食べ過ぎないように気をつけたい。
(参考文献)