目次
- 1. ゴーヤの気になる「苦み」対処法は?
- 2. ゴーヤ1本使いきりで大量消費!チャンプルー
- 3. ゴーヤのおつまみにおすすめ!肉詰め
- 4. ゴーヤの長期保存といえば!佃煮
- 5. ゴーヤのわたを大量消費するなら!素揚げ
1. ゴーヤの気になる「苦み」対処法は?

ゴーヤは沖縄のイメージが強いが、いまや日本全国で見かける。そのため、手にする機会も多いが、苦みが強くて大量消費しづらいという悩みも抱えやすい。ここでは、ゴーヤが苦い原因は何か、苦みを抑えて大量消費する方法はないのかといった疑問に答える。
苦みの正体は栄養成分
ゴーヤのほかにもピーマンなど苦みの強い野菜がある。しかし、苦みの原因はそれぞれ異なる。ゴーヤの場合は「モモルデシン」という成分が関係している。ゴーヤにはモモルデシンが多く含まれているため独特の苦みを感じるのだが、モモルデシンは苦いだけの成分ではない。実はモモルデシンは栄養成分の1つで20種類以上のアミノ酸で構成されている。気になる働きだが、肝機能を高めたり、胃腸を刺激してくれたりといった消化機能に作用する(※1)。胃腸を刺激することで食欲増進にも繋がるため、食欲が落ちやすい夏場にはぜひとも摂りたい栄養素だ。
ゴーヤの苦みに効果的な下処理方法
ゴーヤの苦み成分であるモモルデシンが有益な栄養素であることは分かったが、やはり苦みが強いと食べにくい。ゴーヤの苦みのせいで大量消費しにくいということなら、下処理の方法を見直してみよう。ゴーヤの苦みを抑える下処理は大きく3つある。1つ目はゴーヤの中心部にあるわたと種を取り除くことだ。ゴーヤは全体が苦いと思われがちだが、実はわたと種の部分がとくに苦い。そのため、わたと種をスプーンで取り除けば苦みを抑えられる。2つ目は塩と砂糖をもみこむことだ。塩もみだけでも苦みを抑えられるが、砂糖を加えることでよりしっかりと苦みを抑えられる。3つ目は茹でることだ。苦み成分であるモモルデシンは水溶性のため、ゴーヤを茹でると湯に溶けだす(※2)。サッと湯にくぐらす程度でも十分に苦みを抑えられる。
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2. ゴーヤ1本使いきりで大量消費!チャンプルー

ゴーヤを大量消費するなら、やはりゴーヤメインの料理を作るのが手っ取り早い。ゴーヤメインで有名な料理といえば、ゴーヤチャンプルーだ。ここでは基本的な作り方と美味しく作るためのポイント、さらにはアレンジ方法を紹介する。美味しい作り方やアレンジ方法を押さえればゴーヤの大量消費も楽にできる。
ゴーヤチャンプルーの作り方
ゴーヤチャンプルーのメイン材料はゴーヤと豚肉、木綿豆腐、卵の4つだ。まずゴーヤを縦半分に切ったら、わたと種をスプーンで取り除く。ゴーヤは5mmほどの厚さに切り塩もみしておく。豚肉は3~5cm、木綿豆腐は食べやすい大きさに切る。卵は溶いておく。これで下準備は完了だ。フライパンに油を引いて熱したら木綿豆腐、豚肉、ゴーヤの順に加えて炒める。出汁の素と醤油で味付けしたら、溶き卵を加えて炒める。皿に移し、仕上げにかつお節をかければ完成だ。
ゴーヤチャンプルーを美味しくするポイント
ゴーヤチャンプルーを美味しくするにはゴーヤの苦みを取り除くのがポイントとなる。ゴーヤのわたと種はしっかりと取り除いておこう。大きいスプーンだと取りにくい場合はティースプーンなど小さいスプーンを使うとよい。また、本場のゴーヤチャンプルーに近づけるには豆腐にも注目してみよう。沖縄では木綿豆腐より水分含有量が少ない島豆腐が使われる。水分が少ない分、旨みがしっかりとしており、ゴーヤの苦みにも負けない。沖縄以外ではなかなか購入できないため、木綿豆腐で代用する際はしっかりと水気を切るとよい。また、豆腐を切る際に包丁ではなく、手でちぎると味がしみ込みやすくなる。
ゴーヤチャンプルーのアレンジ術
ゴーヤチャンプルーはゴーヤを丸々1本使い切ることができるため、大量消費には最適だが毎回同じ味付けだと飽きてしまう。そんなときは具材や味付けを変えてアレンジしてみよう。たとえば、豚肉の代わりにスパムやツナ缶、ベーコンを使ってみよう。塩気が加わるため、普段のゴーヤチャンプルーとはまた違った味わいを楽しめる。また、味付けを変えてみるのも面白い。キムチを加えればピリ辛になり、食が進む。また、辛みが入ることでゴーヤの苦みが気にならなくなるというメリットもある。
3. ゴーヤのおつまみにおすすめ!肉詰め

ゴーヤを大量消費できるメニューといえばゴーヤチャンプルーが鉄板だが、目先を変えて新しいメニューに挑戦してみるのも面白い。ここでは、おつまみとしても食べられるゴーヤの肉詰めを紹介する。ゴーヤの大量消費がマンネリ化してきたらぜひ試してほしい。
ゴーヤの肉詰めの作り方
ゴーヤの肉詰めのメイン材料はゴーヤと豚ひき肉だ。豚ひき肉の代わりに合挽き肉を使ってもよい。まず、ゴーヤは2cm幅を目安に輪切りにし、スプーンを使ってわたと種をくり抜く。さらに、ゴーヤの形が崩れないように注意しながら塩もみをしておく。豚ひき肉は醤油やごま油、おろし生姜、おろしにんにくを加えてよく練り、肉だねにする。ゴーヤに片栗粉をまぶし、くり抜いた部分に肉だねを詰める。フライパンに油を引き、熱したら肉だねを詰めたゴーヤを並べて焼く。両面がこんがりと焼けたら、水を加えて蒸し焼きにする。中心までしっかりと火が通ったら完成だ。肉に下味をつけているためこのままでも食べられるが、醤油や砂糖、酒を混ぜて作った合わせ調味料を加えてさらに味付けするのもおすすめだ。
ゴーヤの肉詰めを美味しくするポイント
ゴーヤの肉詰めではソースをかけることもある。調味料を混ぜ合わせて作ったソースをかける方法もあるが、せっかくならゴーヤの肉詰めを焼いたときに出た肉汁も活用したい。たとえば、醤油とみりん、砂糖、酒を混ぜ合わせて作った合わせ調味料をゴーヤの肉詰めを焼いたフライパンに入れれば、肉汁を取り込みつつ絡ませることができる。よりしっかりと絡ませたいなら、合わせ調味料に片栗粉を加えるとよい。また、ゴーヤの肉詰めはゴーヤの苦みがアクセントとなる。苦手な人は塩もみや下茹でをしたほうがよいが、ゴーヤの苦みを味わいたい人は塩もみのみで十分だ。ちなみに、ゴーヤの肉詰めを焼いた後にゴーヤと肉が離れてしまうことがある。肉だねを詰める際にスプーンを使って隙間がないようにしっかりと詰めればゴーヤと肉が離れるのを防ぐことができる。
ゴーヤの肉詰めのアレンジ術
せっかくならゴーヤ大量消費も楽しんでやりたい。ゴーヤの肉詰めは味だけでなく、見た目もアレンジすることができるため、まさに楽しみながら作ることができる。たとえば、ゴーヤを縦半分に切って、肉だねを詰めたらゴーヤの肉詰めボートになる。ゴーヤの長さをそのまま活かすことができるため、パーティー料理にもおすすめだ。また、ひき肉の味付けを変えることで簡単にアレンジできるのもゴーヤの肉詰めの魅力だ。ひき肉にオイスターソースを混ぜれば中華風に、キムチを混ぜ込めば韓国風にアレンジできる。また、かけるソースを変えてアレンジすることもできる。ナンプラーとレモン汁で作ったソースをかければエスニック風に、ケチャップとソースを混ぜて作ったバーベキューソースをかけたりすれば見た目は同じでも、まったく違う料理に変身する。たくさん作って、味を変えながら食べ比べをするのも面白い。
4. ゴーヤの長期保存といえば!佃煮

ゴーヤを大量消費したいが、一度に食べるのは大変だというときにおすすめなのが佃煮だ。ゴーヤの佃煮と聞くと意外かもしれないが、ゴーヤのほのかな苦みと甘辛い味付けがごはんと相性バツグンだ。ごはんのお供になるだけでなく、冷奴のトッピングにしたり、卵焼きの具にしたりすることもできるため大量消費しやすい。
ゴーヤの佃煮の作り方
ゴーヤの佃煮はゴーヤと調味料があれば簡単に作れる。みじん切りにした生姜をアクセントとして入れるのもおすすめだ。まずゴーヤは縦半分に切り、わたと種を取り出す。5mm幅に切ったら塩もみし、水気をしっかりと絞る。鍋にゴーヤと砂糖、酢、醤油を入れ弱火でじっくりと煮る。汁気がなくなるまで煮詰めたら、最後にかつお節とごまを加えて和える。これでゴーヤの佃煮は完成だ。
ゴーヤの佃煮を美味しくするポイント
ゴーヤの佃煮はゴーヤ丸ごと1本使って作るのがおすすめだ。大体250gくらいのゴーヤ1本を使って作れば、ちょうど食べきれる量が作れる。ゴーヤの佃煮を作る際にポイントとなるのが弱火で煮ることだ。強火で煮てしまうと水分がすぐに蒸発し、焦げ付く原因となる。弱火でじっくりと煮ることで焦げ付くのを防ぐことができ、さらにゴーヤにしっかりと味をしみ込ませることができる。ちなみに、ゴーヤの佃煮はゴーヤの苦みをアクセントとして楽しめるが、苦いのが苦手な人は塩もみだけでなく下茹でも行おう。そのひと手間で、佃煮がより食べやすくなる。
ゴーヤの佃煮の保存方法
ゴーヤの佃煮は日持ちするため、一度にゴーヤを大量消費するのに適している。しかし、きちんと保存しないと保存期間が短くなってしまい、せっかく作っても捨ててしまうことになる。ゴーヤの佃煮を保存するときは必ず煮沸消毒した瓶を使うようにしよう。気になる保存期間だが、冷蔵保存の場合は3日、冷凍保存の場合は3週間を目安にしよう。あくまで目安なので、早く食べきるようにしよう。とくに冷凍保存の場合は期限を忘れがちなので、作った日をメモして計画的に食べるようにしよう。
5. ゴーヤのわたを大量消費するなら!素揚げ

ゴーヤのわたは種と一緒に捨ててしまうことが多い。そのため、ゴーヤを大量消費するときは、わたもたくさん捨てることになる。しかし、ゴーヤのわたは工夫次第で美味しく食べることができる。ここでは一例として、ゴーヤのわたの素揚げを紹介する。ゴーヤの苦みが好きな人は、ゴーヤを大量消費しつつ一緒にゴーヤのわたの素揚げも作ってみてほしい。
ゴーヤのわたの素揚げの作り方
作り方は至ってシンプルだ。ゴーヤのわたを種ごと熱した油に入れ、きつね色になったら完成だ。ゴーヤから取る際に細かく取りすぎると揚げるときに大変なので、なるべく大きめに取ろう。そのままでは味気ないので、塩をふって食べよう。
ゴーヤのわたの素揚げ美味しくするポイント
ゴーヤのわたの素揚げの作り方は難しくないが、揚げ物が苦手な人にとってはハードルが高いかもしれない。しかし、揚げ油を少なくすれば揚げ物初心者でも安心して作れる。そもそもゴーヤのわたの素揚げは少ない油で揚げられるので、フライパンでも作ることができる。ちなみに、ゴーヤのわたの素揚げの気になる食感だが、わたの部分はなすのように柔らかく、種の部分はナッツのような歯応えになる。そのため、おつまみにして大量消費しよう。
結論
独特の苦みのせいで大量消費しにくいゴーヤだが、わたと種を取り除く、塩と砂糖でもむなど、下処理をしっかりとすれば苦みを抑えやすくなる。ゴーヤを使った定番料理といえばゴーヤチャンプルーだが、ゴーヤの肉詰めや佃煮など、実はゴーヤ料理の種類は多い。アレンジも加えつつゴーヤ料理を堪能しよう。
(参考文献)
(※1)国立大学法人琉球大学ウェルネス研究分野「沖縄の美容・健康素材」
(※2)日本家政学会誌「キュウリとニガウリの調理塩揉み工程における香気の変化」