目次
- ※1〜※11出典:文部科学省 https://fooddb.mext.go.jp/
- ※12出典:公益財団法人 長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
- ※13出典:東京女子医科大学病院 腎臓病総合医療センター「カリウム制限は?」 https://www.twmu.ac.jp/NEP/shokujiryouhou.html
- ※14出典:東海大学医学部付属病院 腎臓病教室「慢性腎臓病とは」 https://www.dietitian.or.jp/data/guide/eiyo-kanri-leaflet-H26.pdf
- ※15出典:東邦大学「栄養素の名は~カリウム制限と高カリウム血症予防の為に~」 https://www.lab.toho-u.ac.jp/
- ※16出典:公益財団法人 三重県健康管理事業センター「~不快な症状むくみって~」 https://www.kenkomie.or.jp/file/newsletter/k_201908.pdf
- ※17出典:神奈川県「野菜や果物のカリウム摂取で、高血圧が防げる」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/mv4/kenken/contents19.html
1. りんごはカリウムが多い?少ない?

りんごに含まれるカリウムの量をほかの果物と比べて多いのか少ないのかを紹介しよう。
りんごのカリウム含有量
カリウムの含有量をいくつかの果物と比較してみる。
100gあたりに含まれるカリウムの量(※1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)
りんご(皮つき):120mg
いちご:170mg
パイナップル:150mg
キウイ(緑):300mg
キウイ(黄):300mg
みかん:150mg
梨:140mg
ぶどう:220mg
柿:170mg
メロン:340mg
数字を見てわかるように、りんごはカリウムが少なめの果物だ。
皮あり・皮なしのカリウム量の違い
りんごの皮の有無でカリウムの含有量は異なるのだろうか。
100gあたりに含まれるカリウムの量(※11)
りんご(皮なし):120mg
りんごは皮つきでも皮なしでもカリウムの量は同じだ。
2. りんごのカリウム摂取量の目安

りんごのような果物に含まれているカリウムの摂取目安量とは?
1日のカリウム摂取量の目安
腎臓機能に問題がない人の摂取量の目安を紹介しよう。
カリウムの1日の摂取目安量(※12)
18歳以上の男性:2500mg
18歳以上の女性:2000mg
生活習慣病予防が目的の1日当たりの摂取量の目標量(※12)
18歳以上の男性:3000mg
18歳以上の女性:2600mg
カリウム不足の症状やデメリット
カリウムは植物性食品と動物性食品に豊富に含まれており、通常の食事ではほぼ欠乏症はみられない。しかし下痢や激しい嘔吐のときに利尿降圧剤を長期使用すると、カリウムの排泄量が増して欠乏することがある。カリウムが不足すると、食欲不振や脱力感、筋力低下、骨格筋の麻痺といった症状が現れることがあるため注意が必要だ(※12)。
カリウム過剰摂取の症状やデメリット
カリウムの過剰摂取の影響を解説すると、腎機能が正常でカリウムのサプリメントを服用しない限り、過剰摂取の危険性は低いと考えられている。2020年版の日本人の食事摂取基準では、耐容上限量は設定されていない。しかし腎機能が低下している人は、カリウムの過剰摂取に注意が必要だ。カリウムはほとんどが尿中に排泄されるが、腎不全で腎機能が低下すると、スムーズに排泄されなくなって高カリウム血症になりやすい。そのような症状になると、筋収縮が調節できなくなって心電図異常や四肢のしびれといった症状が現れ、重篤なケースでは心停止を起こす可能性がある(※12)。
3. 腎不全の場合はりんごのカリウムに注意が必要

腎臓病のように腎臓に問題がある人のカリウムの摂取目安量とは?
腎不全の人の摂取量の目安
腎機能が低下すると電解質のカリウムの排泄が減少し、高カリウム血症が認められ、カリウム制限が必要になる(※13)。例えば慢性腎臓病の場合、ステージ1~3aまではカリウムの制限はないが、ステージ3bは2000mg/日未満、ステージ4と5は1500mg/日未満に制限することが必要になる(※14)。
りんごのカリウム量の減らし方
カリウムは水に溶ける性質がある。そのため、りんごを水にさらすと調理前の1/3~2/3に減らせる(※1415)。
4. りんごのカリウムの塩分排出効果でむくみ対策

りんごに含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する。日本人は食塩の摂取量が多いので、カリウムを多くとるとむくみ予防や高血圧予防に役立つ(※15、1616、17)。
結論
りんごに含まれるカリウムの量や摂取量の目安、不足の症状やデメリットを紹介した。りんごを食べるとき、とくにカリウムが含まれているかを意識して食べる人は少ないかもしれない。紹介したように 、体内の余分なナトリウムを排出するため、むくみが気になる人はカリウムを含むりんごを食べてみてはいかがだろうか。
(参考文献)