目次
- 果皮にハリやツヤがあるか
- きれいな丸い形をしているか
- ずっしりと重みがあるか
- ジュース:果汁をしぼってそのまま飲むと、すっきりと甘く美味しい
- スムージー:ほかの果物と組み合わせてミキサーにかけるのもおすすめ
- ジャム:果肉に砂糖を加えて煮詰めるジャムは、大量消費や長期保存に向く
- マーマレード:果肉と皮を一緒に煮詰めると、ほろ苦さを楽しめる
- コンポート:ジャムよりも形が残るため、食感を生かしたい場合におすすめ
- ゼリー、シャーベット:冷たいスイーツにすると、さっぱりとした口当たりを楽しめる
1. スウィートスプリングとは

スウィートスプリングがどのようにして生まれたのか、また特徴や旬について見ていこう。
歴史と特徴
スウィートスプリングは、みかんとはっさくの交雑種だ。昭和22年、農林水産省果樹試験場(静岡県興津支場、現果樹研究所カンキツ研究興津拠点)において上田温州とはっさくを交配し、育成された。初結実は昭和39年で、後に優良個体として一次選抜される。興津20号という系統名で、昭和49年より系統適応性・特性検定試験に供試されると、優秀性が認められた。タンゼロ農林1号としてスウィートスプリングと命名され、登録、公表されたのは昭和56年のことである。
みかんとはっさくを合わせたような特徴
スウィートスプリングは、1個あたり直径7cmほど、重さ250gほどの扁球形をしている。果皮はザラザラとした質感で、厚く硬い。黄色~オレンジ色をしているものが多いが、緑色が残ったものもある。果肉は濃いオレンジ色をしている。柑橘類のなかでも、粒のしっかりとした食感と果汁の多さが特徴だ。
味と香りについて
甘い春という意味のスウィートスプリングは、その名の通り甘さと香りに優れた柑橘である。見た目ははっさくのようだが、苦みや酸味はほとんど感じられず、さわやかな甘さをもつ。まろやかな風味と温州みかん由来の旨み、すっきりとした甘い香り、プチプチとした食感を一度に楽しむことができる。
旬の時期
スウィートスプリングの収穫時期は、11月初旬~1月頃である。酸が抜けるのは比較的早いため、食べ頃の旬も11月下旬~2月頃とほぼ同じ時期である。成熟期が1~2月のため、早春の生食向けの出荷に適する中生種として、同時期には地元市場に出回るようになる。
熊本県や鹿児島県を中心に栽培されるが、生産量が少なく産地以外での購入は難しい。確実に入手したい場合は通販の利用がおすすめだ。
2. スウィートスプリングの選び方と保存方法

なかなかお目にかかれないスウィートスプリングを購入できたなら、より美味しい状態で味わいたい。そこで、選び方のポイントや正しい保存方法を見ていこう。
選び方のポイント
上記のポイントをクリアしているものは、品質がよく果汁も詰まっている。果皮の色に関しては、黄色~オレンジ色でも、緑色でも問題ない。スウィートスプリングは果肉先行型の柑橘のため、果皮が緑色でも中身は熟しているからだ。とくに旬の走りには緑がかったものが見かけられるが、甘みもあり美味しく食べられる。
保存の仕方
スウィートスプリングは、風通しのよい冷暗所での保存が適している。基本的な保存方法は、みかんなどほかの柑橘類と同様だ。冬季に常温保存する場合は、暖房の効いた部屋ではなく、玄関や廊下など直射日光の当たらない涼しい場所に置こう。保存期間は1週間ほどである。ダンボール箱などに入っている場合は、下のほうから順に食べよう。
冷蔵保存
スウィートスプリングを1週間以上保存したい場合は、乾燥しないよう保存袋に入れて冷蔵庫で保管するとよい。
3. スウィートスプリングの食べ方

スウィートスプリングはそのまま食べるのはもちろん、加工しても美味しい柑橘である。食べ方のコツやおすすめの加工方法を紹介しよう。
生食で食べる
外皮が厚く硬いため、一般的なみかんのように手で剥いて食べるのは難しい。そのため、オレンジのように皮ごとカットして食べるのがおすすめだ。スウィートスプリングを半分に切ってから、くし形(スマイルカット)にする切り方が食べやすい。
加工して食べる
結論
スウィートスプリングは、温州みかんとはっさくを掛け合わせて生まれた柑橘である。そのため、みかんとはっさくの特徴を兼ね備えており、さわやかな甘みと香り、食感のよさが魅力だ。果皮が緑色でも果肉は甘いため、色ではなくハリやツヤ、形のよさや重みで選ぶとよい。旬である冬季を迎える頃には、通販でも取り扱われる。スウィートスプリングの美味しさを、さまざまな食べ方で確かめてみてはいかがだろう。