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ニジマス

ニジマスの栄養と効果効能|トラウトサーモンとの栄養成分の違いは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2022年5月 9日

淡水で養殖されるニジマスは、刺身や塩焼きをはじめさまざまな料理で親しまれている。本記事では、ニジマスの栄養について解説する。期待できる効果効能や、海面養殖のニジマスであるトラウトサーモンとの栄養面での違いも併せて紹介していく。

  

1. ニジマスの主な栄養素と効果効能

ニジマス
ニジマス(淡水養殖、生)に含まれる代表的な栄養素と、それぞれの効果効能を見ていこう。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1)より、ニジマスの可食部100gあたりの各栄養素の含有量も併せて紹介する。

ビタミンB12(※2)

ビタミンB群の一つであるビタミンB12は、たんぱく質や核酸の生合成に関与する栄養素だ。補酵素として働き、アミノ酸や脂肪酸の代謝を助けるのに役立つ。また、葉酸とともに働き、赤血球をつくり出すことから、貧血予防効果も期待できる。ニジマスのビタミンB12の含有量は、6.0μgである(※1)。

ビタミンD(※3)

ビタミンDはさまざまな食品に含まれるほか、皮膚を日光にあてることでも生成される。カルシウムとリンの吸収を促したり、たんぱく質の働きを活性化したりするのが主な働きだ。骨や歯の発育促進に役立つ栄養素で、神経伝達や筋肉収縮の機能を維持する作用もある。ニジマスには、12.0μgのビタミンDが含まれる(※1)。

DHA(※4)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、体内では合成できない必須脂肪酸の一種で、ニジマスに550mg含まれている(※1)。中性脂肪を低下させる作用があり、血小板凝集の抑制やさまざまな炎症の予防にも役立つ。また、脳の機能維持に関与する成分としても重視されている。抗酸化力もあり、疾病予防効果が期待できる点もDHAのメリットである。

EPA(※4)

EPA(エイコサペンタエン酸)も、DHAと同様に必須脂肪酸の一つである。IPAとも呼ばれる。ニジマスには140mg含まれ(※1)、中性脂肪低下や血小板凝集の抑制、炎症の予防などに効果が期待できる。

カルシウム(※5)

ミネラルの一種であるカルシウムは、主に骨や歯の構成成分として知られる。不足しがちな栄養素で、骨や歯の健全な成長、骨粗しょう症の予防のためにも摂取が求められる。ただし、過剰摂取にも高カルシウム血症などを招くリスクがあり、ほかのミネラルの吸収も妨げてしまうため注意が必要だ。また、カルシウムは細胞の分裂や分化、筋肉の収縮にも関与している。ほかにも、神経興奮を抑制する作用や、血液凝固を促進する作用などがある。ニジマスのカルシウム含有量は24mgと少なめだ(※1)。

鉄(※6)

鉄もミネラルの一種である。体内で吸収されるとヘモグロビンやミオグロビンの成分となる。ヘモグロビンは酸素を輸送する働きを行い、ミオグロビンは筋肉中に酸素を蓄える。鉄は造血に必要な栄養素のため、貧血予防に効果的だ。ヘム鉄と非ヘム鉄があり、ニジマスなどの魚を含む動物性食品はヘム鉄を含有する。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも体内で吸収されやすい特性をもつため、鉄の補給に効果的だ。ニジマスの鉄含有量は、0.2mgである(※1)。

リン(※7)

リンもミネラルの一種で、カルシウムとともに骨や歯の発達に欠かせない栄養素である。細胞膜や核酸などの構成成分でもあり、体液の浸透圧や酸・アルカリのバランスを調節する作用、臓器の機能維持作用、神経伝達への関与など、役割は多様だ。効率的な吸収には、カルシウムとリンの摂取比率が同量程度であることが望ましい。ニジマスのリン含有量は240mg(※1)とカルシウムの10倍のため、ほかの食品でバランスを調整する必要がある。

2. ニジマスの栄養価とカロリー

ニジマスの切り身
ニジマスの可食部100gあたりに含まれる栄養素やカロリー(※1)を、一覧で見てみよう。
  • たんぱく質:19.7g
  • 脂質:4.6g
  • 炭水化物:0.1g(食物繊維0g、糖質0.1g)
  • ミネラル類
    • ナトリウム:50mg
    • カリウム:370mg
    • カルシウム:24mg
    • マグネシウム:28mg
    • リン:240mg
    • 鉄:0.2mg
    • 亜鉛:0.6mg
    • 銅:0.04mg
    • マンガン:0.01mg
  • ビタミン類
    • ビタミンA:17μg(レチノール活性当量:17μg)
    • ビタミンD:12.0μg
    • ビタミンE:1.2mg
    • ビタミンB1:0.21mg
    • ビタミンB2:0.10mg
    • ナイアシン:4.0mg(ナイアシン当量:7.3mg)
    • ビタミンB6:0.36mg
    • ビタミンB12:6.0μg
    • 葉酸:13μg
    • パントテン酸:1.63mg
    • ビタミンC:2mg
  • カロリー:116kcal

3. ニジマスとトラウトサーモンの栄養成分の違い

ニジマスの切り身とレモンやハーブ
ニジマスは淡水で養殖される魚である。トラウトサーモンもニジマスの一種だが、海面養殖される海魚であり、川魚のニジマスとは区別されている。では、ニジマスとトラウトサーモンの栄養面にはどのような違いがあるのだろうか。

脂質、脂肪酸の量

ニジマスとトラウトサーモンの最大の違いは脂質量と脂肪酸の量である。カロリーも含め、可食部100gあたりの各数値を比較してみよう。(※1、8)
  • 脂質:ニジマス4.6g、トラウトサーモン14.2g
  • DHA:ニジマス550mg、トラウトサーモン1300mg
  • EPA:ニジマス140mg、トラウトサーモン600mg
  • カロリー:ニジマス116kcal、トラウトサーモン201kcal
脂肪酸にはDHAとEPAだけでなくさまざまな種類があるが、全体的にニジマスのほうが少ない。ニジマスの脂質量はトラウトサーモンの約1/3量のため、カロリーも比較的低い。健康効果のある必須脂肪酸(※4)の量はトラウトサーモンに劣るが、脂質やカロリーが低い点はニジマスのメリットである。

たんぱく質

脂質量ほどの差はないが、たんぱく質の含有量(100gあたり)も下記のように異なる。
  • ニジマス:19.7g(※1)
  • トラウトサーモン:21.4g(※8)

そのほかの栄養素の違い

トラウトサーモンは、ニジマスには含まれないミネラルのセレンやヨウ素、ビタミンのビオチンを含む。しかし、カルシウムの含有量はニジマスの約半量である。また、ビタミンAはトラウトサーモンのほうが多い。このように、ニジマスに多い栄養素もあれば、トラウトサーモンに多い栄養素もある。いずれも、さまざまな栄養素を含んでいる点は共通している。(※1、8)

結論

ニジマスには、たんぱく質や必須脂肪酸、ミネラル類、ビタミン類などさまざまな栄養が含まれる。また、海水養殖のトラウトサーモンと比較すると、ニジマスは低脂質で低カロリーだ。ダイエット中でも、比較的食べやすい魚といえるだろう。
(参考文献)
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  • 更新日:

    2022年5月 9日

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