目次
- 春もの:やわらかい肉質が特徴
- 秋もの:甘みのある味わいが特徴
- 千葉県:10月中旬~6月(品種:夏の雪、恋ばな、雪峰、雪牡丹)
- 埼玉県:通年(品種:ゆりかもめ、雪牡丹)
- 青森県:5~10月(品種:玉里2号、玉里3号)
- 滋賀県:11~1月(品種:日野菜、大かぶ、小かぶ、赤かぶの品種)
- 関東、東北:金町小かぶ、東京長かぶ
- 福島県:舘岩かぶ
- 岩手県:暮坪かぶ
- 青森県:笊石かぶ
- 北海道:大野赤かぶ、札幌紫かぶ
- 山形県:温海かぶ
- 新潟県:寄居かぶ
- 石川県:金沢青かぶ
- 長野県:開田かぶ
- 岐阜県:飛騨紅かぶ
- 滋賀県:日野菜、万木かぶ、近江かぶ
- 京都府:酸茎菜
- 大阪府:天王寺かぶ
- 鳥取県:米子かぶ
- 島根県:津田かぶ
- 福岡県:博多据りかぶ
- 長崎県:長崎赤かぶ
- 愛媛県:伊予緋かぶ
- ※1、2出典:独立行政法人農畜産業振興機構 https://vegetable.alic.go.jp/
1. カブが美味しい季節

カブは、春の七草の一つ「すずな」としても知られる。春が旬の野菜だが、カブが美味しい季節は春だけではない。露地栽培とハウス栽培が行われるため通年流通するなかでも、カブの旬は年に2回訪れる。
旬の時期
全国的にカブがとくに美味しい季節は、春(3~5月)と秋(10~12月)である。また、それぞれの季節により、カブの特徴が下記のように異なる。
2. カブの主な産地と季節

カブはアフガニスタン周辺~南ヨーロッパが原産とされ、世界中の温帯地域で栽培されている。日本でも全国各地で生産されるカブの、主な産地や出荷量、出荷する季節について詳しく見ていこう。
産地と出荷量
カブの主な産地は千葉県で、全国の生産量の約30%を占めている。平成30年は全国で97,900tが出荷され、そのうち32,700tが千葉県産のカブだった。次いで、埼玉県、青森県などでも多く生産、出荷されている。産地により、主な出荷時期や品種は下記のように異なる(※1)。
カブの生育適温は15~20℃と限定的である。そのため、高温や低温でも育ち良好な状態で収穫できるよう、品種改良により開発されてきた。夏には耐暑性のある品種、冬には耐寒性のある品種というように、カブは季節により生産される品種が選び分けられているのだ。(※2)
3. カブの種類

国内で流通するカブにはさまざまな種類があり、季節や産地により出荷される品種も異なることを紹介した。さらに、全国で栽培されるカブの品種は「かぶらライン」により大まかに分かれている。
かぶらラインと品種
かぶらラインとは、中尾佐助氏が発見したカブの品種分布の違いによる東西の境のことである(※2)。愛知県、岐阜県、福井県を結ぶラインを境に、東と西とでカブの品種分布が大まかに分けられるのだ。かぶらラインで分けられた種類の特徴や、主な品種についても見ていこう。
西洋型(東日本)
ヨーロッパから朝鮮半島を経由して渡来した。耐寒性があり、ツルツルとしている。
日本型(西日本)
中国を経由して渡来した。気温に敏感で、とうが立ちやすい(育ち過ぎて味が落ちやすい)。中型~大型の品種が多く、葉や茎に毛がある。
このように地域により異なるカブが栽培され、古くから親しまれてきた在来品種も多い。その土地ならではの特徴をもつカブは、郷土料理の食材としても用いられている。
結論
カブの美味しい季節は、全国的には春と秋の年2回である。それぞれの旬により、カブの特徴も異なる。また、千葉県をはじめとするカブの産地では、季節により異なる品種が育てられている。ハウス栽培の普及だけでなく、旬が地域により異なることも通年カブを食べられる理由といえるだろう。さらに、かぶらラインで分類されるように、東西で異なる特徴をもつカブが生産される点も興味深い。さまざまなカブを食べ比べてみてはいかがだろう。
(参考文献)