目次
- 赤芽:皮が厚め、きめ細やかでほっくりとした食感、煮崩れしやすい
- 白芽:皮が薄め、ぬめりが多く粘りのある食感、煮崩れしにくい
- 浅型のプランターやポットに培養土を入れる
- 種芋の芽をうえにして植え、たっぷりと水をやる
- 日当たりがよく暖かい場所に置いておく
- 土が乾いたらその都度水やりをする
- ※1出典:NPO法人ローカル・パイン・トーキョー「里芋の芽がグングン伸びています☆」 https://local-pine-tokyo.or.jp/local-pine-tokyo/2021042701diary
- ※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」野菜類/ずいき/生ずいき/生 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06109_7
- ※3、4出典:農林水産省
- ※3:「ソラニンやチャコニンとは」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/solanine/solanine.html
- ※4:「さといもの煮物を食べたら喉に刺すような痛みを感じたのですが、どうしてですか。」 https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2002/02.html
1. 里芋に芽が出たけど食べられる?

芽が出た里芋や、芽そのものは食べられるのだろうか。
里芋の芽には毒がなく食べられる
里芋は、芽が出てしまっても安全上問題がない(※1)。とくに気にならなければ加熱調理して食べることができる。
里芋の芽を食べる料理もある
里芋の芽のなかでも、親芋から伸びたものは「ずいき」と呼ばれる。ずいきの煮物などは、古くから郷土料理としても親しまれてきた。とくに、八ツ頭や唐の芋など赤茎系品種のものが、ずいきとして用いられることが多い。また、ずいきを乾燥させたものは「いもがら」と呼ばれる。
里芋の芽には栄養もある
ずいきには、カリウムやカルシウムなどのミネラル類、ビタミンB群やβ‐カロチン、ビタミンC、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれている(※2)。
2. 里芋の芽は芽ではなく葉柄

一般的に里芋の可食部とされている球茎の部分は、根ではなく「塊茎」(茎の地下部)と呼ばれる部位である。その茎と葉をつなぐ「葉柄」が、芽と呼ばれる部分なのだ。芽が伸びたものが葉柄と思われがちだが、長さに関わらず里芋の塊茎から出たものはいずれも芽ではなく葉柄なのである。
3. 里芋の芽の色の違い

里芋の芽(葉柄)には、品種により赤色のものや緑色のものがある。色によってどのような違いがあるのだろうか。
里芋の赤色の芽
八ツ頭や唐の芋、セレベス、海老芋などの赤系品種から出る芽(葉柄)は、「赤がら」と呼ばれる。アクが少ないため食用に向いているが、調理の際にはアク抜きを行う必要がある。
里芋の緑色の芽
緑色の芽は「青がら」と呼ばれる。赤色の芽(赤がら)とは対照的にアクが強いため、食用には向かない。里芋の芽(葉柄)には、じゃがいもの芽に含まれるソラニンやチャコニンのような毒素(※3)は含まれない。しかし、アクの原因となるシュウ酸カルシウムは針状結晶で刺激性が強く、アク抜きなど適切な処理を行わないと有害となる成分である(※4)。
里芋の赤芽と白芽の違い
栽培用の種芋には、赤芽と白芽がある。それぞれ、下記のように異なる特徴をもつ。
里芋を育てる場合は、用途に合わせて種芋を選び分けるとよいだろう。
4. 芽が出た里芋の扱い方

里芋に芽が出てしまっても食べられるが、どのように調理すればよいのだろうか。また、保存する場合の扱い方についても見ていこう。
芽の出た里芋の調理法
赤い芽や白い芽の出た里芋は、アク抜きすれば芽も一緒に食べられる。皮をむいてから、酢水に浸せばOKだ。電子レンジで加熱して手で皮むきする場合は、芽の付いた状態で加熱・皮むきし、調理の際にカットしてもよい。芽にも栄養が含まれるため(※2)、塊茎の部分と一緒に調理して食べよう。
保存するなら芽を取る
芽の出た里芋を保存しておきたい場合は、芽が伸びすぎないうちに取り除いておこう。芽が出た状態で放置すると、芽に栄養が回り塊茎部分の味が落ちてしまうからだ。芽が伸びすぎた里芋は食用には向かなくなるため、種芋として利用する方法がおすすめである。
5. 里芋の芽の栽培方法と注意点

種芋を入手すれば、家庭菜園などでも里芋を育てることができる。植え付け前に「芽出し」を行っておくことで、生長が揃いやすく芋の生育もよくなる。また、植え付け後に「芽かき」を行うことも、芋の生育に役立つ。それぞれの方法や注意点を見ていこう。
里芋の芽出し
里芋は気温が上がり4月下旬頃になると自然と発芽するが、発芽のムラなどが心配な場合は下記の手順で芽出しをするとよい。
3月中旬に芽出しを行うと、約1ヵ月後を目安に発芽する。発芽した種芋は、水もちと水はけのよい土で育てよう。
里芋の芽かき
植え付けてしばらくすると、株のまわりに脇芽が出てくる。脇芽をいつまでもそのままにしておくと親芋の生育が悪くなってしまうため、芽かき(脇芽取り)を行う。基本的には、植え付け後から6月中旬(土寄せ時期)までに出た脇芽は取り、6月中旬以降のものはそのままにしておく。子芋から出る脇芽を残すことで、収穫量を増やせるからだ。
結論
里芋は芽が出ていても食べられる。芽は葉柄という部位のことで、ずいきという食材としても扱われる。里芋の葉柄はじゃがいもの芽のような毒素は含まないが、刺激性のあるシュウ酸カルシウムを含むため、アク抜きをしてから調理しよう。緑色以外の芽は芋と一緒に調理できるが、里芋を保存したい場合は伸びないよう取り除いておくとよい。栽培の際に行う芽かきは、土寄せ時期までで十分である。
(参考文献)